東京電力は13日、福島第1原発で増え続ける汚染水を減らすため、地下水をくみ上げて海へ放出する「地下水バイパス」計画について、福島県漁業協同組合連合会(県漁連、福島県いわき市)の組合長会議で説明した。県漁連側は結論を先送りした。
県漁連の野崎哲会長は冒頭「今回、われわれの態度を決定したい」と話していたが、会議終了後に一転、「今回の会議で同意はしておらず、意見を集約して再判断したい」と述べた。
第1原発では、原子炉建屋に流れ込む地下水が、汚染水増加の原因となっている。地下水バイパスは、建屋に流れ込む前の地下水を12本の井戸でくみ上げて海へ流す方式。東電は県漁連の了承が得られれば、一部の井戸から稼働させる方針だ。
東電の新妻常正常務は会議開始前、取材に対し「了承が得られればやりたいと思うが、どういうスケジュールになるかは、これからだ」と語った。
東電は、本格稼働すれば、現在1日約400トンとみられる流入量が約300トンまで減る見込みと説明。海へ放出する地下水の放射性物質濃度は「周囲の河川と同じレベル」としている。
井戸からくみ上げた水は、いったんタンクにためて放射性物質濃度を確認するため、実際に海に流れ込むまでには3日ほどかかるという。タンクには既に試験的にくみ上げた水が約200トンある。〔共同〕
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