事件当日警察に「殺してしまうかも」5月13日 14時30分
さいたま市で近所に住む女性を包丁で刺して殺害しようとしたとして逮捕された61歳の男が、事件の当日に警察署を訪れ、「女性を殺してしまうかもしれない」と話していたにもかかわらず、警察が危険性はないと判断して、親族に引き渡していたことが分かりました。
警察は被害者の家族に謝罪するとともに、対応に問題がなかったか検証することにしています。
今月6日、さいたま市西区で60歳の女性が背中を包丁で刺されて大けがをし、埼玉県警の大宮西警察署は近くの無職、佐藤武広容疑者(61)を殺人未遂の疑いで逮捕しました。
佐藤容疑者は調べに対し「女性から電波攻撃を受けた」などと供述していましたが、事件の4時間前にも大宮西警察署を訪れ、同じ内容の話をしたうえで「女性を殺してしまうかもしれない」などと話していたことが、警察への取材で分かりました。
これに対し、対応に当たった警察官は、態度が比較的落ち着いていたことから危険性はないと判断し、そのまま親族に引き渡したということです。
警察は11日、被害者の家族に謝罪するとともに、内部に委員会を設けて対応に問題がなかったか検証することにしています。
埼玉県警察本部の佐伯保忠生活安全企画課長は「結果的に事件を防げず、被害者や家族にお見舞い申し上げます。被害者の安全を図るために、今後どう対応すべきなのかを検討し、再発防止を図りたい」と話しています。
被害者の夫「事件食い止めてほしかった」
この事件で、被害者の女性の夫がNHKの取材に応じ、一連の警察の対応について、「市民を守るのが警察の役目だと思うので、佐藤容疑者が警察署を訪れた段階で事件を食い止めたり、私たちに注意喚起をしたりしてほしかったと思います。そうすれば、妻が被害に遭わなかったかもしれず、佐藤容疑者が逮捕されることもなかったかもしれません」と話していました。
また、佐藤容疑者については「これまでトラブルは全くありませんでしたが、自宅にこもりがちで、最近になって『音がする』などと意味がよく分からないことを話すようになっていたので、病院に行くよう勧めていたところでした」と話していました。
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