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BPA JAPAN

「夢を持つ人のお手伝い」

ビジネスプロデューサー協会会報誌『BPA JAPAN』第3号(2012年4月30日発行)に掲載された記事です。

電気通信大学大学院博士後期課程 在学中である古長谷聡氏は、数々の株式会社、協同組合、企業組合、NPO法人、海外法人の設立をしてきました。

特に証券会社を作ってロシアの有価証券を日本で初めて販売するなど、法人設立に関して国内外を問わず、貴重な経験を数多くされています。

プライベートでは、3人のお子さんのお父様ですが、なんと、全て自宅出産をされ、うち2人のお子さんはご夫婦だけでの無介助出産をされました。会場では、プレゼンの最初から、古長谷氏の日本人離れした(人間離れした?)自己紹介に驚きの声が上がりました。

現在、古長谷氏は、世界中から注目され始めたインドビジネスに携わっています。
インドで会社を設立、インド進出を考える企業にとって、未知の国での細やかなサポート体制を整えています。

BPA LIVEではインドの現状、そして、インドビジネスの可能性について語ってくださいました。

世界の人口は 70 億人を超えた現在、インドは、中国に次いで人口 12 億人、世界第2位の国です。
人口構造はその国の強さや未来を予測できる判断材料です。
インドでは、25歳未満が人口の過半数を超えるという理想的な人口ピラミッドで、2030年には中国を抜き、世界一の人口になると予測されています。

なぜ、それが理想的な購買層につながるかと言うと、若く購買意欲の旺盛な年齢の人口が多いということは、消費されていく量もスピードも多く、そのために、世界がインドに注目しているというのもうなづけます。
高齢化社会の日本では、2050年には一人の生産年齢層が支える高齢者数が、1:1となると言われています。
すでに消費を控えタンス預金とよばれる現金をため込む高齢者が増えている日本で、消費を考えたビジネスというのは、今後、もっと難しくなっていくでしょう。

一方で、古長谷氏の見せてくださった映像には、インドのこれからを感じさせるショッピングモールやインドの街並みが映し出されました。

ほんの50年前には、日本にショッピングモールなどといった洒落たお店はありませんでした。自分たちの住む町の商店街が「買う」ことのすべてでした。そこにあるものしか買えない。すきやきを食べるためには、お肉屋さん、八百屋さん、豆腐屋さん、三河屋さんと呼ばれるような酒屋さんでしょうゆみりんといった、求めるものは、それぞれのお店に顔を出して、言葉を交わし、お財布からお金を出して買っていました。

そんな過去の日本の商店と、ショッピングモールが混合しているのが、今のインドの状況です。ということは、インドがこれから、どこへ向かうのか…
それを、今や国内に市場を見いだせないでいる企業にとっては、大きなチャンスといえるのではないでしょうか。

日本が戦後、経済成長を遂げ、一億総中流と呼ばれ、消費に拍車がかかり、経済の急成長を遂げたと同じように、インドは、現在、世帯年収20~50万ルピーのミドル層が急速に増加し、自動車、家電などへの消費を拡大しています。
さらに新富裕層と呼ばれる裕福な層も急拡大しており、100万ドルを超える金融資産を持つ人は12万人を超えています。

こうした、せっかくの金の卵を知ったからには、一度はインドを自分の眼で見てみるということも、自社のビジネスを新たな成長の波に乗せるためのきっかけになるかもしれません。

日本人離れというよりも、人間離れした、数々の経験をされ、多くの苦渋も舐めていらした古長谷氏は、「本当は、人間は、土と、きれいな水と、自己発電の電気で、子どもにもいらない情報なんて与えずに、伸び伸びと生活させることがいい。」と言われます。
古長谷氏のお子さんたちは、古き良き日本を彷彿とさせる台湾の田舎で、言語の違いをものともせず、自然の中で楽しい毎日を過ごされています。

「日本人だから・・・」といった括りのない生き方をされている古長谷氏が、BPAのインドビジネスにおける心強いサポーターの一人として期待されています。

(文責 小幡万里子)

撮影:石郷友仁

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