CB *
     2013/5/7
 
 
 

上手なプレヤの判断

 
ここで紹介するハンドは、今年4月に横浜で開催された Yeh Brothers Cup の Knockout 1 Board 19 です。 世界のトッププレヤたちの競技ですが、ほとんどがEWの3NTコントラクトで 、それに至るビディング、プレイ、ディフェンスに於いて、 さすがと関心するところ、成功率に反するプレイもあり、興味深いものがあります。

 
ビディング: まずビディングですが、ディーラの South がオープンするかどうかです。

このハンドに興味を引かれたきっかけは、 South の Roy Welland が1Hオープンしたことです。 実際のフィールドは、1Hオープンとパスに分かれたと思います。

South
S 10 7 4
H A K J 9 8
D J 9 8 7
C 7

10HCP 未満のハンドで1の台のオープンすることを好ましく思わない人がいますが 、良いハンドの型と良いスポットの 9HCP なので、個人的にはオープンしたいハンドです。 パートナがゲーム興味のとき、成功率の良くないゲームに達する危険がありますが、 メリットが多々あるので、長い目で見ると良い結果を得られる頻度が多いと思います。 このハンドでもリードディレクションとして有効に働いています。

South がパスのときは、West がオープンしますが、その後の展開により、 3NTのデクレアラが West (3/4)または East (1/4)になります。

 
オープニングリード: 3NTのメイク・ダウンはオープニングリードで決まります。

East の3NTは south のHリードですべてダウンです。

West の3NTは、North のリードがSHに分かれました。 Sのオープニングリードはすべて3NTメイクでした。 South が1Hオープンしたところは、リードディレクションになり、 Hのオープニングリードで3NTはダウン必至です。

EW Vul
Dealer South
S J 9 5 3
H 7 6
D A 5 4
C J 6 5 3
 
S K 8 6
H Q 10 3
D Q
C A K Q 10 9 2
NEWS S A Q 2
H 5 4 2
D K 10 6 3 2
C 8 4
S 10 7 4
H A K J 9 8
D J 9 8 7
C 7
 

2013 Yeh Brothers Cup Knockout 1 Board 19

不可解なのは、Sのオープニングリードが3人もいる事です。

South が1Hオープンしなくても、EWがメイジャスーツの長さを示すことはないので、 オープニングリードはどちらかのメイジャです。 North のハンドで、Hダブルトンのリードがダウンを取る成功率が一番高い事は、 最近のシミュレーションの結果で明らかです。

 
プレイとディフェンス: Hリードで3NTをメイクしたデクレアラがいました。

ハンド全体を見れば分かるように、Hのオープニングリードのときは3NTダウン必至ですが、 4メイクしたデクレアラがいました。 Joel Wooldridge という米国のトッププレヤですが、どのようにしてメイクしたのでしょう。

ビディングはつぎのとおりでした。

West

Double
3NT
North

Pass
All Pass
East

3D
South
1H
Pass

North からH7のオープニングリード、South からJ、 Wooldridge(West)がQで勝ちます。 Cが走れば楽勝ですが、 Wooldridge は South にCシングルトンを想定し、 2トリック目に手元からC2を出すと 、North から3、ダミーの8が勝ち、10トリックをクレームです。

振り返ると、1Hオープン後のダブルが功を奏しています。 ビディングで West の強くて長いCが示されていれば、 North は2トリック目のCをJで勝ち、 Hを返したことでしょう。

個人的な感想ですが、Cの 4-1 の分かれを想定し、 シングルトンをオープナの East に想定したのは、Wooldridge の直感力だと思います。

単純な確率計算では、AKQ を含む6枚スーツが全勝できる確率は約7割ですから、 Wooldridge の判断は確率に反しているように見えますが、 テーブルでの状況判断で勝てるプレイラインを見つける能力は、上手なプレヤの証なのでしょう。

 
 
 
 
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