<経営>全体最適
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企業経営においても、また国家運営においても、今後のキーワードは『全体最適』であると考える。
どこぞの左寄りの政党が主張するような『格差の是正』を、『社会保障』の名の下に全て実現していたのでは、『国家財政』が破綻に陥ることは、明白である。『人命』と同じくして、『財政』は同等レベルにて重要なのである。つまり、目先の人命を『制度設計』により救おうと考える際に、そこには『モラルハザード』が生ずる。つまり、その制度に『ただ乗り』しようと考える、『フリーライダー』が現れるのである。フリーライダーの議論を別と考えても、困窮している全ての日本国民及び日本国に居住する外国人等に対し、十分な社会保障を供与しようとすることは、即ち財政破綻を意味する。
国家財政が破綻に陥れば、そのプロセスにおいて一定の社会保障費を削減し、一定の救えなかった人間を排出するよりも、悲惨な結果が待ち受けていることは、容易に想像が可能である。『全体最適』を考えるならば、社会保障費を含めた歳出を最大限抑制し、『プライマリーバランス』ベースでの黒字化を目指すことが、国家財政の目指す一義的な経済政策であるべきである。
これを、『部分最適』に偏重するがあまり、『全体最適』が疎かとなり、結果、『未来』よりも『目先』の政策へとその重きが置かれてしまう。その代償は、『いつか』、『誰か』が負担しなければならない。皮肉なことであるが、左寄りの政党が主張する『格差の是正』は、国家財政が破綻した際に、日本国内において、結果として実現されることとなる。
企業経営においても、当然に『全体最適』を目指すべきである。現在、潤沢な当期純利益が確保出来ており、今後、設備投資や事業拡大の計画もなく、即ち一切の資金調達も必要無いと考えている場合、役員報酬の最大化や保険、またオペレーティング・リース(航空機・船舶リース)等により『節税』を目指すことは、それは『全体最適』と合致していると考える。
しかし、自己資本比率も20.0%に満たず、脆弱な財務体質の中にあって、目先の『節税』を継続する企業には、『破綻』という結末は不可避である。『5年後に100店舗の出店』や『3年後に従業員給与20.0%アップ』等という、自社の財務レベルや経営資源の調達体制を無視した、『精神論』のみの目標を掲げることも、経営者として『失格』の烙印を押されることは免れない。
企業経営においては、先ずは『身の丈』を自覚し、『身の丈』に応じた『財務計画』を主軸とする『事業計画』を立案すべきである。月次または週次、そして日次ベースでその財務計画の達成度合いのモニタリングを図ることこそ、財務計画では表現し難い事業計画のコアの部分を実現しうる、唯一のプロセスであると考えている。
『目先』に注視すると、思考は必ず『部分最適』に陥ってしまう。『将来』を見据え、事業計画そのものを、そして経営者の思考回路そのものを『全体最適』へと導くことが、今日の企業経営者及び国家の指導者にも、求められている。
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先日、たまたま青木先生のブログに辿り着いた者です。大変勉強になり興味深く拝見しています。本日のブログの以下の部分がよく分かりません。「月次または週次、そして日次ベースでその財務計画の達成度合いのモニタリングを図ることこそ、財務計画では表現し難い事業計画のコアの部分を実現しうる、唯一のプロセスであると考えている」とは・・・。もう少し噛み砕いて表現して頂けたらと思います。
2012/10/1(月) 午後 9:40 [ 会社員 ]
財務論としてはたいへん参考になり役立ちますが、「目先の人命」という表現、考え方をするところで全て台無しになります。
2012/10/2(火) 午前 9:45 [ tcy*q98* ]
会社員さん
コメント、有難うございます。読み返してみて、確かに表現が適切では無かったか、と。失礼致しました。意図したかったことは、「将来に夢があるのであれば、財務計画を策定し、それを短い頻度でモニタリングし、実現させることにより、結果として財務計画以上の、数値では表現できない夢や目標などが達成出来る。逆説的に捉えれば、それが夢や目標を達成させるための唯一のプロセスだ」ということを、私見として表現しております。
2012/10/2(火) 午後 1:03
tcy*q98*さん
今回は、批判を承知の内容となっています。が、私とて、時間を割いてブログ記事を更新していますので、読むだけ読んで、「全て台無し」などという表現は、若干イラっとします。
さて、貴殿のお考えは、十分に理解致しました。しかし、批判するには「対案」がなければ、これ以上の議論に発展し得ません。貴殿は批判しておりますが、「全体最適」を図るには、こういう考えしかないのではないか、という私見を、私は提示している次第です。それを批判されるのは充分結構ですが、「だから、どうすべきだ」という対案が無ければ、読むだけ読んで、「あんたの表現と考え方は、全て台無しだ」と、こういう非建設的且つ非生産的なコメントで終わることとなります。
私の表現と考え方が「全て台無し」という意見は賜りましたので、対案の提示をお願い致します。
2012/10/2(火) 午後 1:07
<追記>
最も、「全体最適」とは、国民(または社員)の総意(全員のコンセンサス)を得ることは、不可能と考えています。立場も環境も違う人間が集まる中で、全員が納得できる解を導くことは、実質的には不可能です。だから、相違も生じるし、批判も生じる。しかしそれらは、全て「対案」の上に成り立つものであり、「対案なき批判」は、「空論」にしか過ぎません。
2012/10/2(火) 午後 1:11
考え・思いは非常に入っており、それは自論としては良いと思う。しかし、自己資本比率20%のラインを財務体質が脆弱と語るのは私は違うと思っている。財務体質脆弱を自己資本比率という指標だけから仮に語るならば、私は5%以下であると思う。また不可避であるは表現として適切とは思えません。回避できない、つまり絶対破綻するという事になりますから。
2012/10/2(火) 午後 9:09 [ サラリーマン・ローチ ]
cat*r*24さん
コメント、有難うございます。
自己資本比率について、表現が足りなかった、または適切で無かったかもしれませんが・・・、私はコンサルタントとして、自己資本比率48%台の中小企業が、一期の決算で債務超過に陥った例を見ています。自己資本比率10%台後半の中小企業が、一期の決算で取り返しのつかない債務超過に陥る例は、正直、両手ではきかない数の企業の実例を、目の当たりにしています。
中小企業の場合、自己資本比率が20%であっても、純資産額の総額は10,000千円〜50,000千円あるか無いか、が殆どであり、H19のサブプライムローン及びH20のリーマンショック以後の決算において、P/L上、一期で純資産の部総額を吹き飛ばすだけの損失を計上した企業を、多数見てきました(当社の顧問先企業のほとんどのB/Sは債務超過で、P/Lを辿ると殆どがH21〜H22決算で大赤字を打っています)。
2012/10/3(水) 午前 3:12
続き
つまり、自己資本比率が20%以上あれば安全で、20%未満であれば脆弱か、という議論よりも、純資産の部の絶対値がどれほどか、も重要であると思います。ましてや、貴殿がご主張の「自己資本比率5%」については、私ならば経験値ですが(状況にもよりますが)、自己資本比率が正の値であるため、当然に資産超過の状態であっても、「正常先」はなく、「要注意先」に区分するかもしれません。
何れにせよ、一概に「自己資本比率20%」という表現を用いたことについては、誤解を生じさせましたら申し訳ございませんが、自己資本比率が20%であろうが40%であろが、中小企業の場合は一期の損失で吹き飛ぶほどの、純資産総額であると考えています。
そういう意味で、自己資本比率とは、「何%以上ならば健全」または「何%以下(未満)ならば脆弱」という表現よりも、「比率として高ければ高いほうが良い」と表現することの方が、適切であるかもしれませんね。
2012/10/3(水) 午前 3:15
最後に(cat*r*24さん)
建設的な議論が出来ましたこと、心より御礼申し上げます。
2012/10/3(水) 午前 3:16
一般に金型機械加工してるところは、SKD11が難削材なので、これに切削条件を合わしている。しかし、こんなところに朗報があった。このまえ、日刊工業新聞社の「プレス技術」に紹介されていた、SLD-MAGIC(S-MAGIC)という材料、SKD11の4〜10倍被削性(工具費ならコストが約1/4〜1/10になる)がよいので、工場全体の生産性がこれに比例して向上する。また、これで作った金型は自己潤滑性が高く、使う方の生産性もアップする。使う方作るほう両方で、生産性が上がるという、奇跡の金属材料だ。
2013/3/29(金) 午後 8:38 [ LKDカーボンオフセット ]
それにしても日立金属の高性能冷間工具鋼SLD-MAGICのトライボロジー特性は凄いですね。数ヶ月前の、れいの「プレス技術」で読みましたが、微量の油を塗ったセミドライ状態で、摩擦させると先端技術のDLCのような自己潤滑性(摩擦係数が下がる)が出るなんて。耐摩耗性もたかいのでコーティング費用分コストパフォーマンスがよく、耐荷重能も相当応力で2500MPaと高強度でベアリング・金型などのいろんな機械の転動・摩擦・摺動部品などの機械要素に使えそうだ。まさにノーベル賞級の発明だ。
2013/4/1(月) 午後 5:38 [ 自動車技術者 ]
久保田邦親氏の博士論文読みました。凄いですね。
2013/4/21(日) 午後 11:07 [ ダイハツ ]