<黄柳野高寮火災>火元の部屋に灰皿 出火原因と断定できず
毎日新聞 5月11日(土)22時21分配信
愛知県新城市の私立黄柳野(つげの)高校(生徒数150人)の男子寮2棟が全焼し1人の遺体が見つかった火災で、同校の辻田一成校長(64)が11日、市内で記者会見し、火元とみられる男子寮C棟2階の7号室付近の焼け跡から金属製灰皿が発見されていたことを明らかにした。辻田校長によると、市消防本部からは現段階で「(たばこの火が)原因と断定していない」と説明されたという。
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8日の火災で、7号室の向かいの部屋に住む静岡県掛川市出身の2年の男子生徒(16)の行方が分からなくなっている。
同校によると、灰皿は9日の現場検証で発見され、市消防本部から見せられた。その際、たばこの場合は長時間くすぶるのに対し、今回の火災では火の回りが早く焼失も激しいと、違いを説明された。辻田校長は会見で「灰皿が見つかったが、たばこが出火原因ということではない」と述べた。
同校では2008年に寮に喫煙室を設けていたことが発覚し、辻田校長と学校法人が県青少年保護育成条例違反(喫煙場所の提供)容疑で書類送検され、起訴猶予になった。このため喫煙室を撤去、今は、たばこを所持していたり臭いがしたりする生徒を指導し、禁煙外来で治療を勧めている。
会見に先立ち同校は、生徒の保護者148人に非公開で約2時間説明会を開いた。火災翌日の9日から休校しており「授業再開の時期は未定」と説明した。保護者からは、火事の責任を問う声や防火態勢のあり方に批判の声が出たという。【三上剛輝、清藤天】
最終更新:5月12日(日)1時26分