今季限りでの退任が発表されたマンチェスター・ユナイテッド（イングランド）のアレックス・ファーガソン監督（７１）から指導を受けた元日本代表ＦＷ高木琢也氏（４５＝長崎監督）は名将との“秘話”を明かした。

　Ｊ２昇格初年度ながら１３節終了時点で２位につけ、サッカー界に旋風を巻き起こしている高木監督は、１９９１年にマンＵに３か月間だけ留学した。そこでは主に二軍やユースチームと練習を行ったという。

　当時のチームメートには元イングランド代表ＭＦデービッド・ベッカム（３８＝パリ・サンジェルマン）がおり、選手寮で一緒に生活した。

「当時、ファーガソンはたまに練習を見に来ることもあったけど、名門ならではの独特の雰囲気があったし、ハードだった。それに（ファーガソン監督に）見られていると思うと、怖かった。実は今季限りで辞めるんじゃないかと感じていた。年齢もあるし有終の美も飾ったので」（高木監督）

　３か月間のマンＵ留学を終えて日本に戻る際には監督室へと出向き、ファーガソン監督に感謝の意を伝えて記念写真を撮ったという。

「その写真を持って、何年か前に日本に来た際、ファーガソンに会いに行った。写真を見せてサインしてもらったが『おまえのことは覚えているよ。いい選手だったな』と言ってもらった。まあ本当に覚えているかはわからないですけど、相手を引き込む感じはありますね」

　現在は香川が初の日本人選手として活躍している。「本当にうまい選手だし、マンＵでやれていることが素晴らしい。監督が誰になってもやっていける。マンＵに行きたかった？　どうですかね。声を掛けてもらいたかった面はあるけど、本当にやれるかの自信はなかったと思う」と高木監督は当時を懐かしんだ。