YU−NOレポート
用語
事象
事柄、出来事。
これには、すでに起こった事も、これから起こりうる事も含まれる。事象素子
事象を構成する要素。あるいは因子。事象ポテンシャル
時間、空間、因果律によって決定される、事象の座標、あるいは量。
事象密度ノイマン境界
事象の壁。時間や空間を越える、もしくは並列世界間を移動する(前者はすなわち後者に含まれているともいえるのだが)ことを”ノイマン境界を越える”というらしい。運命
事象のシュバルツシルト半径に入り、何をやっても(そこから分岐可能などんな並列世界に移行しても)回避不可能な事象を文学的に表現した言葉、・・・らしい。因果
原因から結果が発生するという事象の流れ。因果律
因果の諸法則。ようは因果が成り立つということ。系
原因系と結果系。ここでは、単純に因果律を意味する。ディリクレ世界、ノイマン世界
系が独立して内部で閉じている世界をディリクレ世界、開いている世界をノイマン世界と呼称する。並列世界
同じ時間、同じ場所に、同時に存在することができる別の世界。
可能性の分岐。ブリンダーの木
事象の連なりを概念的に表したもの。その名の通りツリー構造をなす。
事象素子理論概説
序
時間は可逆であるという一点において、我々の科学的常識を根本からひっくり返すものとなる。
原因=結果が時間の流れに沿っている必要は無い。事象の流れに沿っていれば良いのだから。
事象素子理論を簡単に分かった気になる方法を一つ。
”時間の流れ”という言葉を”事象の流れ”という言葉に置き換えるのだ。
本当に理解する為には、相対性理論くらい分かってないといけないのだろうが・・・
どうも量子力学と相対性理論ははずせんらしい。当然のことながら、これは仮説に過ぎない。立証する方法がないからだ。
事象素子理論
因果律が対象世界内部で閉じている場合は我々の知っている科学でなんの問題も無いが、それが外の世界との干渉を持つ場合(因果律の流入、流出があるということ)、それはただちに破綻をきたす。
もう少し詳しくいえば、外の世界の原因が対象世界の結果を生む。あるいは対象世界の原因が、他の世界の結果をもたらすということになる。
例えば、時間的に未来に起きた出来事を原因系とする結果系が、時間的に過去のある時点に影響を及ぼすといった場合のそれである。いきなり相対性理論が破綻しているのがわかるだろう。そう、時の壁は越えられないというのが我々の世界における一般的な認識であり、これを基礎とした理論構築が行われている為、前述の例は科学的考察の対象外となる。
しかし、事象素子理論においては、これは破綻しない。何故なら、時間は可逆であるからだ。時間は可逆である。だが歴史は不可逆だ。何故なら歴史とは事象の連なりであり、事象は不可逆だからだ。
事象の流れの中で時間軸上の移動は可能となる。無論、理屈の上ではだが。
事象の流れとは、一つ一つの出来事の積み重なりであり、一度起こったことは、何があろうと取り消すことはできない。仮に、過去に戻って違う出来事を選択したとしても、それは歴史が修正されたということにはならない。それは単にそれまでの歴史の上に過去に戻ったという出来事が追加されるだけだ。
図
A − B − C ここでB地点に戻ってやり直す。B’− C’− D
結果、時間軸上の出来事は以下のように見える。
A − B’− C’− Dしかし、ブリンダーの木に記される実際の歴史は以下のとおり。
A − B − C − B地点の時間軸に移行 − B’− C’− DB,Cという事象が消え去ったわけではなく、その後にB’、C’という事象が付け加えられただけだということが分かる。
ただ、時間の流れの中にいる普通の人にはそれが認識できないだけだ。
そして事象の流れの中に身を置く我々はこのブリンダーの木の全体像を俯瞰することはできない。
それを可能とするにはブリンダーの木の外側に位置しなければならない。
それはまさしく神の座ということになろう。
参考文献、資料
『並列世界構成原理に関する一考察』 今川由香里著
『この世の果てで恋を唄う少女 YU−NO』 elf
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