5000円札:手触りを改善 視覚障害者の要望で
毎日新聞 2013年04月26日 19時35分
財務省と日銀、国立印刷局は26日、視覚障害者がお札を識別しやすくするため、5000円札の手触りを一部変更すると発表した。新札発行以外で紙幣の一部を変更するのは初めて。見る角度によって模様の変わる「ホログラム」のつるつるした部分を楕円(だえん)形から長方形にかえて面積を拡大し、1万円札との区別をしやすくした。2014年夏ごろから発行する。また、紙幣をかざすと音声で種類を知らせるスマートフォン(多機能携帯電話)向けアプリも開発した。
現在発行されている紙幣の表には、インキを盛り上げて、指で識別できるようにした図形が印刷されている。表面がすり減ると視覚障害者は判別が難しくなり、1万円札と5000円札についているホログラムの手触りで判断する人が多い。ただ、ホログラムは形状が同じ楕円形で区別が難しいため、改善を求める声が上がっていた。
また、国立印刷局は、米アップル社製のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けの紙幣識別アプリを、今年11月ごろから無料提供する。紙幣にかざすと模様を読み取って「1万円です」などと判定結果を音声で知らせる。【丸山進】