裁判員裁判:証拠写真は白黒、心理負担を軽減…福島、大分

毎日新聞 2013年04月25日 21時26分(最終更新 04月25日 23時05分)

 福島地裁郡山支部が被告に死刑を言い渡した強盗殺人事件で裁判員を務めた60代女性が、遺体の画像などが原因で「急性ストレス障害」と診断された問題を受け、カラーの証拠写真を白黒にすることで裁判員のショックを和らげようとする動きが出始めた。この方法を採用した別の事件の判決が25日、同支部と大分地裁であり、裁判員からは「心理的負担が減った」と評価する声が上がった一方、「赤裸々であるべきだ」との意見も出た。

 福島地裁郡山支部で審理されたのは殺人未遂事件。19日の初公判で検察官は、裁判員に「不安を覚える人もいると思う」と告げ、包丁で刺された被害者の胸などの写真を最初に白黒で示し、その後カラーに切り替えた。

 福島地検郡山支部の小沢正明支部長は25日、報道陣の取材に「現場の状況を分かってもらうためには、白黒写真だけでは不十分」との考えを示したが、「証拠の出し方について裁判所と協議し、裁判員の心理的負担に配慮した」と理由を説明。今後も同様の対応を続けていく方針を明らかにした。

 裁判員6人のうち、記者会見に応じた40代の会社員女性は「白黒写真で大丈夫だと事前に確認できたから良かった」としながら、「できたら別の方法でも確認したい」と加工画像などでの提示を希望した。別の女性は「カラーでも見た方がいいと思うが、ストレスを受ける人もいると思うので複雑だ」と語った。

 タクシー運転手が車内で襲われた強盗殺人事件を審理した大分地裁でも、裁判員には遺体の写真を白黒で示した。大分地検の田中宏明次席検事は判決後、毎日新聞の取材に「福島の例も参考に、裁判員の心理的負担を考慮した」と述べた。

 判決後、記者会見に応じた裁判員の40代男性会社員は「血が飛び散った車内やシャツはカラーだったが、傷の写真はモノクロで、思ったほどショックは受けなかった」と話した。【三村泰揮、田中理知】

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