バビロニアにおいて「死の国の神」として畏怖され、信仰されていた神。クサという都市の守護神でもあり、クサという地名は「死者の土地」を意味するとされる。バビロニア神話において元々冥界
を支配していたのは、「死の女主人」
エレキシュガルだが、ネルガルはエレキシュガルと婚姻関係を結んだことにより、冥界の支配者と考えられるようになった。ネルガルは太陽神としての属性も持ち、太陽神
シャマシュと同一視されていたこともあった。また、疫病や火、戦闘、砂漠の神である
イラはネルガルの顕現の一つとされていた。なお、バビロニアの天文学においてネルガルは火星の守護神とされている。