デア・ディア
Dea Dia
 ローマのアルウァレス神官団の主神。穀物の女神。5月に祭礼が行われる。

ディアウス
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ディアナ
Diana
 ローマにおける月の女神。ギリシアのアルテミスに相当する。狩猟の守護神でもある。本来は樹木の神で多産の神でもあった。

ティアマト
Tiamat
 古代バビロニア神話に登場する原初神の一人で、上半身は女性、下半身が蛇の姿(或いは尾が生えているだけともされる)をした果てしなく巨大な女神。塩水を支配する女神であり、大海を神格化した存在。夫は「原初の水」アプスだが、後にキングを二番目の夫とした。「大洪水を起こす龍」などといわれ、バビロニアの全ての神の母とされる。だが、子である若い神々たちが増え、宇宙が騒がしくなったため、それを戒めようとしたところ、その子神たちにアプスを殺されたため、ティアマトは怒りに怒った。そして、自分自身で創り出した11匹の怪物(ムシュフシュや、パ・ビル・サグ、ラハム(海の怪獣)など)の軍団を引き連れて、若い神々の首領であったマルドゥークと戦うが敗れ、身体を二つに裂かれてしまった。ティアマトの身体は半分が天空に、もう半分は大地になったという。彼女の乳房は山になり、そのそばに泉が作られ、その眼からはチグリスとユーフラテスの二代河川が生じたとされる。

ディアンケト
Dianceht
 太陽神ルーの祖父にあたる、島のケルトにおける治癒の神。ディアンケトは非常に優秀な医者で、彼は主神ルーとその妻モリガンとの間に生まれた息子が、アイルランドに災いをもたらすと予感し、その子供の胸を切り裂いた。すると心臓から三匹の蛇が飛び出してきたので、ディアンケトはその蛇を殺し焼いた灰を河に流した。放っておけばこの蛇はアイルランドを滅ぼしたであろうと言われ、ディアンケトは救国の英雄ともてはやされた。またあるとき彼は戦で右腕を失ったヌァザに銀製の義手を取り付ける手術を行っている。ヌァザはこれ以降、「銀の腕のヌァザ」と呼ばれるようになる。
 ディアンケトはダヌの一族と巨人族との戦いにも参加し、その治癒の力で多くの戦士達の命を救ったばかりか、戦場で倒れた死者をも甦らせ、ダヌの一族の勝利に大きく貢献した。ディアンケトはこのように神々の力を維持する為に働いたが、その性格は無慈悲で、嫉妬深かったとも言われている。

ティウィメ
Tihuime
 メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人の信じていた、死と地下世界を司る神。アステカのミクトランテクートリに相当する。

ディーウェ
Diwe
 イランの民話伝承に登場する人食いの怪物。何匹もの動物の首を持ち、角を生やしているとされる。

 ていこく
Dì-kù 嚳(コク):Unicode56B3
 中国神話において、五帝(→三皇五帝)の一人。に次いで中国の帝王になった神。「高辛氏(こうしんし)」とも呼ばれる。「史記」の「五帝本紀」によれば、帝黄帝の曾孫とされている。だが一説には東方殷族の最高神であり、後に中国の最高神とされた黄帝にも匹敵する神だったという。殷族の最高神としての帝は「帝俊」と呼ばれ、鳥頭人身あるいは猿の身体で一本足だったとされる。後に五帝の一人となるも帝と同一視され、一つの神格が三つに分かれたものだといわれている。
 殷族は最終的に周族によって滅ぼされたため、帝自身の神話も少ない。しかし、帝は多くの妻がいて、周族の始祖となる后稷を産んだ、殷族の始祖となるを産んだ簡狄、10個の太陽を生んだ羲和、12個の月を産んだ常羲などは全て帝の妻である。

ティシュトリヤ
Tishtrya
 イランにおけるシリウス星の神。イランで古くから崇拝された。拝火教(ゾロアスター教)の改革者ゾロアスターは、こうした多くの神々への信仰を廃し、もっぱらアフラ・マズダに帰依することを説いた。だが時がたつとティシュトリヤは再び拝火教の神の一柱と見なされるようになった。古代イランではシリウス星が日の出の直前に見え始めると雨期がやってくるのは常だった。このためティシュトリヤは雨をもたらす神であり、旱魃の悪魔を追い払う神とされた。神話によればこの神は、雨期と乾期の変わり目ごとに翼ある白馬の姿になって天に現れ、悪神アンラ・マンユ(アーリマン)の放った旱魃の黒馬アパオシャを相手に戦う。ティシュトリヤは一度負けることもある。だが人々がティシュトリヤに供物を捧げ、祈ると、ティシュトリヤは「十の馬、十の駱駝、十の牛、十の山、十の大河の力を得て」再び戦いに出向く。そうしてアパオシャを打ち負かしたあとで、ティシュトリヤは大海に飛び込む。すると彼のすさまじい体熱に海は沸き立ち、蒸気が雲となって立ち上り雨をもたらすのである。

ディス
Dis
 ローマにおける冥界の神。ギリシアのハデスに相当する。「ディス・パテル」と呼ばれるときもある。

ディス・パテル
Dis Pater
ディス

ディメ
Dimme
 シュメールにおいて、産褥熱や子供の病気を司る女悪魔。アッカドのラマツに相当する。

ディライ
Dirae
 ローマにおける復讐の女神。ギリシアのエリニュスに相当する。

ティラウ・アティウス
Tirawa Atius
 北米平原に住むネイティブアメリカン、ポーニー族における至高神であり、天と地の創造者。「アティウス」は神の意。単に「ティラウ」と呼ぶときもある。また、「ティラワハット」とも称される。ネイティブアメリカンでは創造神という存在(概念)は非常に珍しく、ティラウ・アティウスはそういう意味で典型にはまらない稀有な存在だといえる。他の神に太陽(シャクラ)や月(パー)などの役目を割り振り、それに応じた力を与え、軌道を定めた。妻は地球であるアティラ

ティラワハット
Tirawahat,Tirawahut
 字義は「天空」。ネイティブアメリカンであるポーニー族やアリカラ族における最高神であり創造神。ティラウ・アティウスとも呼ばれる。彼自身が天空・宇宙であり、その他の神々に大地(地球)、太陽、月、星などの役目と、それに応じた力を与えた。

ディルガ
 
 北西オーストラリアに住むアボリジニ、カラジェリ人の住む大地母神。兄弟神であり創世神であるバガジムビリの母であり、バガジムビリが猫人間のガリマンに殺されたとき、ディルガは怒って胸から乳を出してガリマンを溺死させた。

ティル
Týr
  ゲルマン神話におけるアサ親族に属する神。ギリシアのゼウス、インドのディアウス、ローマのユピテル等と同一語源の神名を持ち、戦争や契約、法、鍛治の守護者として、オーディンと並ぶ最高神とみなされた。巨人ヒミルの息子で、神々の中でもっとも勇敢な者と称えられた。
 神々が冗談めかして(或いはアスガルズを破壊されたため)フェンリルを縛ろうとした際に、ティルはフェンリルを安心させるために片手を担保としてフェンリルの口へ入れたが、神の罠にかかったと知ったフェンリルはティルの腕をそのまま食いちぎった。そのためティルは片腕である。
 戦のときにティルに祈るのは大いに幸運をもたらす事で、また剣に戦いのルーン文字(↑)を刻んだ彼の名を唱えれば、戦勝が期待できるという。ラグナロクの際には、ガルムと相打ちになる。

デーウ
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デウェラ
Deverra
 ローマの産褥にある婦人と赤ん坊をファウヌスの禍から守る神の一人。名前は「掃くこと」という意味。

テウターテス
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テオヤオミキ
Teoyaomiqui
 アステカ特有の神。「ウァウァントリ」とも呼ばれる。人身供犠の生贄を補給するための儀礼的戦闘「花の戦い(ショチヤオトル)」で死んだ者の守護神として戦士達の崇拝を集めた神。この崇拝は、捕虜を捕らえ戦神ウィツィロポチトリに生贄を捧げるために始められた。史料によっては、「昼の神々」トナルテウクティンの6番目にミクトランテクートリの代わりに入っていることがある。

デカラビア
Decarabia
 ユダヤの魔神で、ソロモン王に封印された72柱の魔神のひとり。召還されると単に五芒星の無機質な状態で出現するが、命じられれば人間の姿もとる。ただその場合は裸の男で出現し、召還者がなにか服を着せない限りそのままでいるという。植物や鉱物の事柄に詳しく質問には何でも答えてくれる。また使い魔として鳥の姿をした精霊を貸してくれるともされる。

テクシステカトル
Tecciztecatl
 メソアメリカ中央部の汎的な「老いた月の神」。男女両方の姿を持ち、豊穣の神であり、男の姿をする場合は月の象徴である白い貝殻を背中に背負った老人として表された。

テクシステカトル
Tecciztecatl
 アステカにおいて、五番目の太陽の世界、つまり現在の世界における月を司る神。本来、第五の太陽になるのはテクシステカトルの役目だったが、そのためには神々の起こした火に飛び込まなければいけなかった。傲慢で強靭かつ頑固な神であったはずのテクシステカトルもこの時だけは尻込みして飛び込もうとしなかったが、テクシステカトルの双子の兄弟で、いつもは謙虚でひ弱なナナウアツィンが先に飛び込んだ。これに恥じてテクシステカトルも続いて火に飛び込んだ。こうしてナナウアツィンは太陽に、テクシステカトルは月になった。最初月は太陽に負けないほど明るかったが、神々の一人が月の顔にウサギ(トチトリ)を投げつけたので暗くなってしまったという。従ってアステカでは月のクレーターはウサギの輪郭に見えると説明されていた。

デクマ
Decuma
 ローマにおける運命の女神。ギリシアのモイラに相当する。

テスカツォンテカトル
Tezcatzontécatl
 メソアメリカに数多く存在するプルケ(マゲイ酒)の神の一人で、「酩酊の神々」センツォトトチティンの一員。

テスカトリポカ
Tezcatlipoca
 後古典期メキシコ中央部、アステカの神。大熊座の神であり、夜空の神であり、支配者、妖術師、戦士を司る全能の神で、名前には「煙の立つ鏡」という意味がある。赤、青、白、黒の4兄弟神があり、それぞれにテスカトリポカと呼ばれるが、黒神が特にこの名で呼ばれ、北の方位の神とされている。アステカ神話で、今まで5回交代したといわれる太陽の1番目の「大地の太陽」を司り、2番目の太陽である「水の太陽」を司る神、ケツァルコアトルとの間で戦いを繰り広げたという。ケツァルコアトルによって打ち負かされ、テスカトリポカはジャガーにされてしまうが、その後こんどはテスカトリポカがケツァルコアトルを破って「風の太陽」に終止符を打ったという。破壊者であると同時に創造者であり、災難と同時に幸運をもたらす。どこにでも存在し、彼のいる場所にことごとく不和や争いをもたらすという。大地の怪物との争いで片足の足首から先を失ったため、片足の先は蛇になっている。頭や足に煙の立った黒曜石の鏡を身につけ、顔に黒と黄色の縞を持った姿で描かれる。

デディムンダ
Dadimunda
 スリランカの多数民族であるシンハラ人の中で最もよく知られている神々の一人。バンダーラの一人であるため「デーワター・バンダーラ」とも呼ばれる。もともと寺院の世話をしていたが、やがて最高神ウプルワンの財産管理人となる。また後には仏教の守護神として、象に乗りヤクシャを従える存在になった。

テテオインナン
Teteoinnan
 字義は「神々の母」。メソアメリカ中央部における地母神の一人で、チコメコアトルコアトリクェトラソルテオトルトシといった女神より古いが、これらの女神とも明らかに関連がある。地母神信仰は、特に後古典期に盛んになり、とりわけそれは湾岸地域の文化やメキシコ盆地のチナンパ(湖岸に人工的に作られた方形の畑)の民の間で顕著だった。テテオインナンはオチュパニストリ祭(収穫祭)で祀られた。

テペヨロートリ
Tepeyolohtli
 メソアメリカ中央部の古い大地神の一人。名前は「山の心臓」を意味する。地中に住むジャガー神であり、オルメカのジャガー崇拝が祖形と考えられている。テスカトリポカの数多い化身の一つであり、「夜の神々」ヨワルテウクティンの8番目を担っている。彼の暦上での祝日は「8のオセロトル」となっており、またアステカの20ある暦日(センポワリ)の3番目、カリ(家)の守護神でもある。

テポステカトル
Tepoztécatl
 現メキシコのモレーロス州にあった古代都市テポストランの守護神。テポストランは元々トラルイカ族の町であったが、後にアステカの町となったあともテポステカトルは信仰された。暦上で「オメトチトリ(2匹のウサギ)」という呼称で呼ばれていた関係で月の神とされていた(古代メソアメリカ人は月のクレーターの輪郭をウサギになぞらえていた)。またパテカトルとも関連があり、プルケ(マゲイ酒)と酩酊の神ともされていた。テポステカトルはトラルイカ族にとって文化英雄でもあり、古代都市ショチカルコから強要されていた、毎年生贄を捧げるという租税からトラルイカ族を解放したのはテポステカトルであったという。月の神、闇の神としては、しばしば三日月型の鼻を持ち、顔の半分を赤、もう半分を黒で塗られた姿で表される。大地を冬眠から覚まし、春の再生を助けると信じられ、秋の祭りではプルケの大量消費によってテポステカトルを祀った。

テルミヌス
Terminus
 ローマにおける境界の標(しるし)の神。3月23日に、境界の標の神聖不可侵を確実にするため、犠牲が捧げられていた。

デーワター・バンダーラ
Devata Bandara
デディムンダ

天狗
てんぐ
 天上や深山に住むという妖怪。山伏姿で、顔が赤く、鼻が高く、翼があって、手足の爪が長く、金剛杖・太刀・うちわをもち、神通力があり、飛行自在という。中国で、流星・山獣の一種と解し、仏教で夜叉・悪魔と解されたものが、日本にはいって修験道と結びついて想像されたもの。通常、第一種は勧善懲悪・仏法守護を行う山神、第二種は堕落した僧侶などの変じたもの、第三種は現世に怨恨や憤怒を感じて堕落して変じたものに分ける。大天狗、小天狗、烏天狗などの別がある。

天仙娘娘 てんせんにゃんにゃん
Tiān-xiān Niáng-niáng
 中国における出世・結婚・豊作などの女神。泰山の主神である泰山府君(東岳大帝)の娘、「玉女大仙」、「碧霞元君」ともいう。もともと泰山信仰と言えば泰山府君が有名だったが、次第に天仙娘娘の方が人気になっていった。

天竜八部
てんりゅうはちぶ
 仏教において、仏法を守護するとされる八神の総称。八体一組で釈迦の眷属とされる。「天竜八部衆」とも呼ばれる。また、単に「八部」、「八部衆」とも呼ばれる。
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	│  │ │ 阿修羅 │
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	│  │ │ 迦楼羅 │
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	│ 夜叉 │ │ 緊那羅 │
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	│乾闥婆│ │羅伽│
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