モイングイイマ
 
 ネイティブアメリカン、北アメリカ東部に住んでいた農耕部族であるホピ族における、トウモロコシを含むすべての食用植物の神。農耕部族であるホピ族にとって、トウモロコシは最も重要な作物である。モイングイイマは少年ほどの背しかないが、ちゃんと伴侶もいる大人として描かれる。ホピ族の人々は野菜を植えるとき、モイングイイマに作物が実るように祈りをささげる。毎年夏になるとモイングイイマの体重は増える。これはその体内でトウモロコシを始めとしたスイカ、かぼちゃなどの作物が育つからで、十分実が育つとモイングイイマは自分の身体を削ぎ落とす。すると植物に実がなり、彼自身はやせ衰える。自分の姿を見て、モイングイイマは悲しむが、彼のおかげで毎年作物が実るというわけだ。かつてモイングイイマはホピ族の人々ともに暮らしていたが、今ではその地を離れ西部に移っていったと伝えられている。

目目連
もくもくれん
 日本の付喪神の一種、或いは妖怪。誰も住まなくなった荒れ果てた空家の破れた障子にまるで部屋の内部を覗くように無数の目が張り付いたもの。驚かすだけで別段悪さはしない。ずっと昔にけちな材木商が、お金をけちって汚い空家に泊まったところ、目目連が出現したが、材木商は恐れるどころかこの目を集めて持ち帰り、目医者に売り飛ばしたという話がある。

モコシ
??
 ??

モージ
Móði
 北欧神話における怒りの神であり、雷神トールの息子。その名前は「激しく怒る者」を意味し、父であるトールの性格の一側面が神格化した存在と思われる。母は定かではないが、トールの正妻であるシフとの間に生まれたと思われる。神話ではほとんど活躍することがないが、詩においてはしばしばトールは「モージの父」と言い換えられた。モージはトールの後継者として神と巨人の終末戦争「ラグナロク」を生き残り、異母兄弟であるマグニとともにトールの遺品である神槌ニョルニルを管理することになると予言されている。

モシカムイ
 
コタンコカムイ

モシリシンナイサム
 
 アイヌに伝わる妖怪の一種。様々な動物に化けては人間を付けねらうという。語義は「モシリ(国の)・シンナイ・サム(別の・側)」という意味で、元は他界から来るモノという意味だったと思われる。路傍に大きな牡鹿がいたと思ったら一瞬にしていなくなったりするのは、モシリシンナイサムに狙われている証拠だという。また一説に、モシリシンナイサムは白黒のまだら模様のある馬ほどの大きさの化け物で、村はずれの湿地帯などにあらわれ、その姿や足跡を見ると、長生きできずに一生不幸で過ごすことになるという。

モト
Mot
 フェニキアにおける死と不毛の神。「愛される者」ともいわれる。冥界の荒廃と暗闇のただ中を統治する神。植物神バールの敵であり、毎年彼ら二人は争っており、植物神であるバールはモトに殺され、そしてバールの妻であるアナトによって反対に殺されるということを繰り返す。これは農業に不毛と豊穣、雨期と乾期が繰り返すことを象徴したものである。

莫都児 モドル
Mòdūér
 中国の少数民族、鄂倫春(オロチョン)族における雨の神。

モネタ
Moneta
 ローマにおいてユノの別称。彼女の神殿がローマの貨幣鋳造所となったため、「Moneta」は貨幣、貨幣鋳造所を指す言葉となり、お金(Money)の語源となった。

モーリアン
??
 ??

モリガン
Morrigan
 島のケルトの戦いの女神。「モリグ」と呼ばれることもある。戦いには必ず戦場に(モリガン本来の)女性の姿か、様々な動物の姿で現れるという。女性の姿で現れるときはまがまがしい赤い瞳をを輝かせ、真っ赤なドレスと上着に身を包み、二本の矢を持ち、二頭の真っ赤な馬にひかれた戦車に乗って現れるとされる。モリガンはマッハ、ネヴィン、バーブという三人の侍女を従えており、彼女達と協力して戦場を霧で満たし炎の雨を降らせ血の河を生み出す。三人の侍女とモリガン自身が同一視されることも多い。また彼女の叫び戦士達を戦いの狂気へといざなう魔法であるとされる。神話上で、モリガンはこの能力で常に戦いの成り行きを制してきた。あるときはダヌの一族に味方し、「第一次マ・トゥーラの戦い」においてフィル・ヴォルグ続を滅ぼした。彼女はまたアーサー王伝説やクー・フーリンの物語など数多くの英雄伝説でも、英雄を誘惑する魔女として活躍している。

モルス
Mors
 ローマの死の女神。ギリシアのタナトスに相当する。が、タナトスは男性神である。