ナ・アシュ・ジェイ・アスダァア
Na ash jèii' Asdzáá
 北アメリカ大陸の南西地方に住むネイティブアメリカン、ナヴァホ族に伝わる超自然的存在。ネイティブアメリカン諸族の口頭伝承に共通して登場する蜘蛛女の一人。ナヴァホ族の始祖たちが出現したとき、大地には怪物たちが歩き回っていた。蜘蛛女であるナ・アシュ・ジェイ・アスダァアは、孫息子で双子のナイェネズガニトバディシュティニに力を授け、父親である太陽を探し出し助けを求めるようにと頼んだ。父親を見つけた二人は、父親に怪物を退治する方法を教わったという。またナ・アシュ・ジェイ・アスダァアはナヴァホ族に機織の含む数多くの基本的な文化特徴をもたらし、それを終えるとアリゾナ州のキャニオン・デ・シュリーにあるという「蜘蛛石」の先端に住むようになったという。

ナイェネズガニ
Nayenezgani
 北アメリカ大陸の南西地方に住むネイティブアメリカン、ナヴァホ族に伝わる双子の戦神。もう一人はトバディシュティニエスツァナットレーヒが裸身を水と太陽に晒すことで生まれた。ナヴァホ族の始祖たちが出現したとき、大地には怪物だらけだったため、彼らの祖母ナ・アシュ・ジェイ・アスダァアは二人に力を授け、父親である太陽を探し出し助けを求めるようにと頼んだ。父親を見つけた二人は、父親に怪物を退治する方法を教わり、怪物たちを退治することが出来たという。

々娘娘 ないないにゃんにゃん
Nǎi-nǎi niáng-niáng
 奶(ダイ):Unicode5976
乳母娘娘

ナーガ
Nāga
 インドにおける蛇神族。ナーガとはそのまま「蛇(コブラ)」を意味し、蛇の神霊として扱われる。たいていは多くの首(一般的に7か9)を持った大蛇として現れる事が多いが、完全な人間の姿をとることもある。また下半身が蛇、上半身が人間といった半人半獣の姿をとることもある。ナーガというのは男性に対して使われる言葉で、女性形では「ナーギー(Nāgi)」、或いは「ナーギニー(Nāgini)」と呼ばれ、容姿端麗で美しいとされている。彼らナーガの中でも特に有力なものをナーガラージャという。

ナガイチョ
Nagaicho
 ネイティブアメリカン、カート族における創造神。今の世界ができる前、世界は砂岩で出来ていた。しかし、古い空は雷で振動したので、ナガイチョとエーラウメル(雷)の二神は岩をはるか東まで広げ、空を修理した。その後神々は人間を創った。土から人をつくり、内臓を作るために草を詰めた。男を作り終えたあとで、その片足を割いて女を創った。しかし、毎晩雨が降って洪水が起こったため、神々のつくりしものはことごとく流れてしまった。それどころか、風も霧も雨も、太陽すらなくなってしまい、あたりは大変暗くなってしまった。やがて、大きな角の大地の竜が目覚め、北から歩いてきた。ナガイチョは、その頭に乗った。竜の上に粘度や石を乗せて、大地が出来上がった。ここで人間があらわれる。動物の名前を持った人間達だった。彼らはインディアンがこの地に住むようになると、その名前の動物に変えられた。そしてナガイチョは、海に人間の食べ物が育つようにした。全ての仕事を終えたナガイチョは、この地をを去り今は北に住んでいるという。

ナーガ・パドハ
Naga Padoha
 東南アジア神話における巨大な海蛇。創世の物語では、ヒンドゥー教の神シヴァの化身(アヴァターラ)の一つであるバタラ・グルが、最初の固い地面を作ったとされる。そこでナーガ・パドハは、海の中で身をくねらせ、尾をたたきつけてこれを破壊しようとした。しかし、バタラ・グルは英雄の姿となって、この海蛇を抑えるのに成功した。その際大変な重量をかけて押さえ込んだので、ナーガ・パドハは海底深く沈んでいった。

ナーガラージャ
Nāga-rāja
 インドの蛇神族ナーガの長たちの名称。仏典では龍王として登場する(八大竜王など)。多くのナーガラージャは固有名称をもって登場しており、ムチャリンダなどもその一人にあげられる。また、全てのナーガラージャはアナンタを長としているという。

ナコシ
???
 ???

ナス
Nasu
 ゾロアスター教の女悪魔。蝿の姿をとり、屍を好み、伝染病を巻き散らす。ゾロアスター教の悪魔は地下(一説には北の果て)の地獄に住んでおり、地獄の入り口には大きな山がそびえている。山の名前を「アルズーラのしゃれこうべ(直訳ではアルズーラの醜い頭)」といい、しばしばアンラ・マンユとその眷属の集会の場となる。ナスはこの山の洞窟からこの世に飛んでくる。
 この世にやってきたナスは死と腐敗の匂いのする所に居つく。死骸に見張りがいないか、いても一人だけなら、彼女は速やかに目や耳の穴から死骸には入りこみ、伝染病をまき散らす。困ったことに、僧侶や戦士など、生きていた時に人に慕われていた人間の死骸ほど、広範に伝染病をまき散らすらしい。ナスから死骸を守るには、神聖な呪文を唱える、猛禽や犬を飼うといった方法が有効であるとされる。なぞ、ゾロアスター教では犬をかなり尊敬するが、イスラム教ではそうでもない。

ナスル
Nasr
 イスラム教以前のアラビアの神。コーランにも触れられている。カインの子孫によって作り出された5つ偶像の一つ。

ナナウアツィン
Nanahutzin
 この世界がつくられるまでに、四つの太陽と、四つの世界があった。しかし、始めは人々が山猫に食われた。二つ目の人間は愚かだったので、猿に変えられた。三つ目の人々は不信心だったので地震や噴火で滅びた。四つ目は大洪水で滅び、太陽も溺れ死んだ。
 そして、五つ目の世界を作るとき、暗闇の中で神々が会合を開いた。そして五つ目の太陽を灯す名誉をテクシステカトルという神に与えた。その名誉とは、ピラミッドの上に灯した巨大な火の中に、自ら飛び込むことだった。しかし、テクシステカトルは怖くなって飛び込むことが出来なかった。その時、最下級の神であるナナウアツィンが、自分が生贄になることを申し出た。ナナウアツィンは、足で編んだ粗末な服を着て、不恰好で醜く、かさぶただらけの神だったが、神々は彼の勇気を賞賛した。ナナウアツィンが火に飛び込むと、テクシステカトルも自らの意気地の無さを恥じ、火に飛び込んだ。こうして太陽神トナティウ(五つ目の太陽)が生まれた。

ナナ・ニャンコポン
 
ニャンベ

ナナブッシュ
Nanabush
 スペリオル湖周辺に住むネイティブアメリカン、オジプワ族における超自然的存在。重要な文化英雄であり変換者。「マナブッシュ」、「マナボゾー」、「ナナボゾー」、「ウェネボジョ」、「ウィナボジョ」などの名称でも知られる。これはオジプワ文化全体における多様な派生言語に起因する。ウィサケジャック(ないしウィサカ)といった五大湖南部に住むアルゴンキン族の英雄や、北東沿岸部の英雄グラスカップなどと共通する特性をもつ。
 北の景観にその特性を与えて多くの生き物を作り出し、悪のマニトゥと戦い、オジプワ族に彼らの文化を構成する決定的な要素をもたらしたという。ミディウィン(疾病を治すシャーマンの組織。五大湖周辺のアルゴンキン族やオジプワ族間に出来た、いわゆる秘密結社)に語られる創世神話では、ナナブッシュは大地から人を生み出したが、悪のマニトゥにさらわれ姿が見えなくなってしまう。だがやがて彼は怒鳴る者たちを創り、彼らに人々を守らせたとされている。またある伝承では、ナナブッシュ(ないしウェネボジョ)は自らカリブーに変身して死を装い、鳥や動物が自分の体を肛門を残して食べ尽くすことを許している。ところがヒメコンドルが舞い降りてナナブッシュの死体をむさぼっていると、頭が肛門にはまって抜けなくなってしまった。ナナブッシュはそこで腹筋を引き締めヒメコンドルを捕らえた。ヒメコンドルはナナブッシュがラクロスに興じている間に逃げ出すことが出来たが、肛門から頭を抜く際、こすれて赤剥けの、かさぶただらけで悪臭を放つ鳥となってしまった。
 ナナブッシュ(ないし上にあげたその他の名前で呼ばれる者)は文化英雄であり、変換者であり、またトリックスターであるというようにその性格が高度に複雑化している。滑稽でありながら崇高であり、性欲旺盛で嫉妬深く、欲張りで誘惑に対する弱さを持っている。

ナナボゾー
Nanabosho
ナナブッシュ

ナブ
Nab
 バビロニア神話に登場する主神の一柱。

ナーブルウィンブルウィン
Nablwinjbulwinj
 オーストラリアのアボリジニが信じる精霊の一種。扇子を開いたような形の頭をしている。とても危険な精霊で、大きなヤム芋で女性を殴って食べてしまうという。

ナベリウス
Naberius,Nuberus,Cerberus,Cerebus,Kereberus
 ユダヤの魔神で、ソロモン王に封印されたとされる72柱の魔神の一人。「勇猛候」と称される。黒い鶫か雄鶏かカラスの姿をしているが、三つ首でどこか鳥類を思わせる人間になることも出来る。論理学を修辞学を教授し、失った栄光を取り戻してくれるという。別名である「ケルベロス」から、ギリシア神話に登場する冥府の番犬ケルベロスが悪魔学者達によって変貌させられたものだと推察できる。

ナマルゴン
Namarrgon
 オーストラリアのアボリジニの間で信じられている精霊の一種。「ママラガン」と言う部族もいる。ノーランジーの岩絵にかかれている。雷の精霊で、ひじとひざにある石おのをたたきつけて雷を作るという。乾期は池の底で暮らし、雨期になると雷雲の天辺に上る。その声は雷鳴になる。岩絵には長細い体と、足の付け根に生えた尻尾(のようなもの)、そして触角のように頭から伸びる二本の雷が象徴的に描かれる。

ナムタル
Namtar
 メソポタミアにおける疾病をふりまく悪神。「闇の中を歩くペスト」のようだという記述が見える。

なめそ
 
 日本における妖怪の一種。瀬戸内海地方の漁民の間に信じられた。蛇形で扁平なものだといわれるが、鮫の一種で、これに舟を泳ぎ越されると、鉈(なた)で切らないと際限なく現れ舟が沈むという。

ナラシンハ
Narashinha
 ヒンドゥー教において、最高神ヴィシュヌの第四の化身(アヴァターラ)。人獅子と訳される事もある。半人半獅子の姿をしており、ラーヴァナの化身であるヒラニヤカシプ王を退治する。

ナンディ
Nandi
 ヒンドゥー教において、シヴァを象徴する聖獣。字義は「幸せなもの」。乳白色の牡牛で、シヴァのために選ばれた乗り物であり、また従者の一人。シヴァの男らしさと生殖能力を表している。シヴァがナタラージャ(舞踊)の姿をとると、ナンディがその音楽を奏でる。五世紀にさかのぼるヒンドゥー教の聖典「プラーナ」の中で、ナンディは神として呼び出される。乳海攪拌のときに生まれた聖なる牝牛スラビヤと聖仙カシュヤパの子。ナンディはまた全ての四足動物の守り神であり、世界の四隅で見張りをしている。ナンディの像はシヴァ神を祭る寺院の入り口に安置されており、信者達は、ナンディの睾丸に触れてから参拝をする。

納戸婆
なんどばばあ
 妖怪の一種。老婆の姿をしており、西日本の多くの県で納戸に住むとされている。特別悪いことをするわけではなく、家の者が納戸の掃除をしようとして戸を開けると、いかにも慌てた様子でさっと床下に隠れるといわれている。岡山県の納戸婆は納戸の中からほーっという奇妙な声を発し、不意に飛び出して人をびっくりさせることもあるが、庭ぼうきで叩くとさっと縁の下に逃げ込んでしまうという。香川県のものは特別で、生まれたばかりの赤ん坊を誘拐するという。

ナンナ
???
 ???

ナンラ
Nang-lha
 チベットの土着宗教であるボン教の超自然的存在の一つ。やがて仏法の守護神として仏教に同化されていった。家の守り神とされ、ふつう豚の頭と人間の体をもつ姿で描かれる。