ユウェンタス
Juventas
 ローマにおける青春の女神。ギリシアのへべとな異なり成年男子の保護神であり、少年の成人式には賽銭を奉る。テルミヌスとともに、ユピテルユノミネルワの3主神とならび、カピトリヌス丘上の「ユピテル・オプテムス・マクシムス(至善至高のユピテル)」の神殿中に社を与えられていたことから、その最高神との密接な関係が察せられる。元来は社会の組織者として最高神を補佐する神格であったと思われ、この機能の名残として、ローマで成年に達した男子が、それまでの子供の服をトガ・ウィリリスと呼ばれた成人の衣服と替える、「元服」の儀式が、この女神の管掌下に置かれていたことにも認められる。

ユガ
Juga
 ローマにおいてユノの別称。結婚の女神としてのユノ。ユガリスとも呼ばれる。

ユカッテ
 
カムイ

ユガリス
Jugalis
ユガ

雪女
ゆきおんな
 日本の雪の多い地方に出現する妖怪。雪の精だとも言われる。とても美しい人間の女の姿をしているが、身体は冷たく、近づいたり一夜を共にしたりしたものは精気を奪われ凍死してしまう。夜に山小屋を訪れ、眠っている者に白い息を吹きかけて殺すともされる。冷たい場所でしか生きられないので、人にすすめられて風呂に入った雪女は湯の中で溶けてしまう。

雪ん子
ゆきんこ
 日本の雪の多い地方に出現する妖怪。雪女の子供とか、或いは雪の精だとか言われる。雪女の子供の場合は、雪女は子供を抱いてくれと頼み、言われた通りに抱くと、雪ん子はどんどん重くなり、それに耐えられなかった者は殺されるという。単体で出る場合は身体に不釣合いな大きな蓑笠をつけていて、人間の子供たちと遊んだりする。

カムイ
 
 アイヌにおいて鹿を顕現体とするカムイ。名前は文字通り「鹿のカムイ」の意。ただ、あまりにも鹿という動物はアイヌにおいてはあまりにもポピュラーな存在であったため、アイヌ人が鹿に神秘性を感じることは少なく、ユカムイという鹿のカムイを想定したのは、鹿の少ない宗谷地方に住んでいたアイヌ人のみだった。その代わりに他の地方では鹿の主のカムイであるカムイが想定された。

カムイ
 
 アイヌにおいて鹿の主とされたカムイ。名前は文字通り「魚の主のカムイ」の意。「ユカッテカムイ」とも呼ばれる。北海道において代表的な動物であり、またあまりにも多く生息していた鹿(ユ)は、カムイの顕現体として考えられることは無かったが(鹿の少ない宗谷地方の人々だけカムイを想定した)。しかし、鮭の主のカムイ(チェプコカムイ)と同じく、鹿の数そのものにはアイヌ人も感銘を受けたらしく、人間に鹿を贈る鹿の主のカムイが想定された。それがユカムイないしユカッテカムイである。神謡では、やはりチェプコカムイと同じようにユカムイの口よりこぼれた毛を撒くと鹿の群れとなるという。

ユトゥルナ
Juturna
 古代ローマにおける泉の女神。元はラティウムに近いヌキミウス河のほとりに祀られていたが、ローマに移されてフォルムにあるヴェスタ神殿の近くにあった泉と結び付けられ、また沼地の多い湿地帯であったマルスの野にも神殿を与えられて、治病の効験あらかたな神として尊崇された。ユピテルに熱心に求愛された末、ついにその愛人となったとも、ヤヌスと結婚し泉の神フォントゥスを生んだとも言われる。

ユノ
Juno
 ローマにおける女神で、ユピテルミネルワとともに三大守護神の一柱とみなされる。ギリシア神話のヘラに相当し、ユピテルの妻でもある。出産の女神であるギリシアのエイレイテュイアのことを「ユノ・ルキア」と別称するのは、ユノに出産や結婚と結びつきがあるからだと考えられる。ユピテルが妻であるユノの助けを借りずにミネルワを生んだのに怒り、ユノがフローラに相談するしたところ、奇跡の薬草を与えられた。この薬草に触れるとユノは妊娠して軍神マルスを生んだという。このことからユノの大祭マトロナリアは、マルスの月である3月の1日に行われる。またディアナと同じく月を関連視される。

ユピテル
Jupiter
 ローマ神話における最高神で、ユノミネルワとともに合祀される三大守護神格の一柱。天空を司り、ギリシア神話のゼウスに相当する。語源的にもこの両親の名はインドのディアウスなどとも一致し、インド=ヨーロッパッ語族に共通する天空神の名を継承したものである。ゼウス同様、雷を武器にし、高天から無量の魔術を行使しつつ世界を支配し、秩序と正義を維持する主権神。ラティニウムの王の娘ユトゥルナの恋してしまったユピテルはニンフ達にユトゥルナを捕まえてきてくれと頼んだ。しかしララだけこれを拒み、ユトゥルナに知らせ、ユノにまで訴えた。これを怒ったユピテルはララの舌を抜いてしまい、息子のメルクリウスにララを冥界へと連れ去るように命じた。しかしメルクリウスはララに恋してしまい、二人は森の中で結ばれた。
 マルス及びクイリヌスとともに、大フラメンと呼ばれる特別な神官を有し、元来はこの3神がローマにおいての三大主神格の地位を占めていたと考えられる。とくにユピテルの司祭はフラメン・ディアリスと呼ばれ大フラメンの中でも最も地位が高く、大きな神殿がローマのカピトリウムの丘に建てられた。この神殿は共和制ローマの初期に「ユピテル・オプテムス・マクシムス(至善至高のユピテル)」に捧げられたものである。

ユマラ
Jumala
 →ウッコ

ユム・カアシュ
Yum kaax
 マヤにおいて農耕を司り、人々に実りの恵みをもたらす神。名前は「森の主神」の意。雨とそれによる豊穣をもたらすチャクの保護下にあり、トウモロコシに代表される重要な食物を人々に提供する役割を持つ。本来はトウモロコシとは関係のない神であったが、時代が下るにつれトウモロコシの神と同一視されるようになっていった(本来のトウモロコシの神については不明な点が多く名前もわかっていない)。美しい青年として描写されることが多く、平べったい額(マヤにおける美の象徴)に豪華なトウモロコシの冠を載せた姿が代表的。巨大な蛇やトウモロコシにしがみついたり、種を蒔いている姿で描かれることもある。死の神アフ・プチとは非常に不仲であり、しばしば戦いを起こすという。