催生娘娘 さいせいにゃんにゃん
Cuī-shēng niáng-niáng
 中国道教で、子供を産む際にあらゆる災厄から護ってくれる娘娘神のうちの一人。催生娘娘は、送子娘娘の後を引き継ぎ、臨月になっても産気づかなかったり、難産になったりといった出産に関する障害から胎児と母体を守る聖なる産婆の役目を担っている。無事生まれたあとの幼児や母体を守る役目は乳母娘娘などに引き継がれる。(参考:乳母娘娘)

ザウィ
Dzahui
 「ツァウィ」ともいう。メソアメリカ中央部とその隣接海岸部、さらにオアハカ高地一帯に居住していた、ミシュテカ人の信仰していた稲妻と雨の神。アステカのトラロックをはじめとしたメソアメリカの各民族に存在する雨、またそれと関係して豊穣を司る神群と関連している。

サーガ
Sága
 北欧神話において、アース神族に属する女神。名前は「巫女」、「聖なる詩」を意味する。アスガルド(アース神族の住む国)の王妃フリッグに次ぐ上位の女神といわれている。主な神話には名前しか登場にないものの、古代北欧の詩にはしばしばその名前が見える。サーガの住む館は「セックヴァベック(「沈む床」の意)」といい、この館は水底にあり屋根の上では波が騒いでいるとされる。主神オーディンはこの館に頻繁に訪れ、サーガとともに黄金の杯で酒を飲むことを楽しみにしていたという。
 サーガはフリッグの一側面が神格化した存在であるとも考えられる。オーディンとフリッグの仲は険悪なものではないが、知恵や権力において二人はほぼ対等であるため、常に軽い緊張と対立が見られる。サーガはフリッグの(オーディンと対立しない)陽性の側面が、「理想の伴侶」として独立した存在なのかもしれない。

逆柱
さかばしら
 日本の妖怪。家を建てるときに柱を上下逆に立てると逆柱になる。逆柱のある家は不幸が訪れたり、家鳴りがおこったりするという。しかし、例外として、あまりにも立派な建物の場合は、建物の柱のうち一本だけ逆柱にしたほうがいいとされている。日光陽明門がその一つ。

下がり
さがり
 岡山県に出現する妖怪の一種。馬の首(一つ目だとされる場合もある)に一本だけ足のついた姿をしており、暗い夜道を歩いていると不意に木の下で頭を思いっきり叩かれたり、驚かされたりする。これは木にぶら下がった下がりの仕業と考えられた。福岡県にいるウマノアシも同種の妖怪である。

サキ・ニマ・チイス
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サキュバス
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サクル
Sakuru
 →シャクラ

ザグレウス
Zagreus
 クレタ島で信仰されていた神で、オルフェウス教ではギリシアの酒の陶酔の神ディオニュソスの原型とされた。

栄螺鬼
さざえおに
 海中のサザエが鬼と化したもの。栄螺が30年も生きると目や手足が出来て鬼になるという。鳥山石燕の「画図百鬼徒然袋」には巻貝の中からにゅうっと姿を出した、両腕のある栄螺鬼が描かれている。また房総半島の言い伝えでは、栄螺鬼は一人旅の女に化けて夜更けに一夜の宿を求めに来るが、この女を家に泊めると亭主は殺されてしまうという。普段は海の中にいるが、月夜の晩には海上で楽しげに踊っているともいわれる。

座敷童子
ざしきわらし
 岩手県を中心に、東北地方に伝承されている屋内に出没する妖怪。赤ら顔でお河童頭の童児の姿であらわれる。座敷童子のいる家は繁盛するが、いなくなると途端に没落する。座敷童子が住んでいると、寝ているときに枕を返されたり、布団を引っ張られたりといった悪戯をされる。

サダク
Sa-Dag
 チベットの土着宗教であるボン教の土の精霊。仏法の守護神として仏教に同化した。建設や農作業の行われる際、これらの霊をしずめるための地鎮祭が行われる。

サタン
Satan
 聖書などに登場する魔神で、すべての悪魔や魔神たちの頭領。神と敵対する最大の存在。第一位の熾天使だったルキフェルが自分の力をおごり、自分の配下をひきつれ神に反逆して堕天した姿。Satanとはヘブライ語で「敵」、「告発する者」、「迫害する者」といった意味。「古き龍」、「闇の貴公子」、「魔王」などと呼ばれる。神や天使との戦いに負けたサタンは地獄に投げ落とされ、以後彼は地獄の業火で永遠に焼かれ続けているとも、決して溶けない氷の中に閉じ込められているともいわれ、地獄に落ちた人間達をその血に濡れた口で喰らっているという。
 しかし彼は霊体だけで活動することが出来るので、地獄を離れて人間を誘惑する為に地上へやってくる。アザゼルベリアルベルゼブブなどは彼の化身であると言われるが、またすべての悪魔が彼の化身だとも言われる。

サトゥルヌス
Saturnus
 ローマ神話における農耕神。英語読みの「サターン」の名で一般的に知られている。ギリシア神話のクロノスに比定されるが、クロノスとは違いラティニウムの最初の王とされており、しかもその治世は「黄金時代(神話中で人間の期限とされる時代)」であったとされる。サトゥルヌスは人々に農耕を教え、文明を与えた。サトゥルヌスの妻は本来ルアだったとされるが、後になってオプスが妻とされるようになった。これはオプスがクロノスの妻であるレアを同一視されたためだと思われる。ローマでは12月にサトゥルナリア(サトゥルヌス祭)があり、これは一年で最もにぎわう祭りである。

さとり
 日本の妖怪の一種。毛むくじゃらの大男だとされる。猟師や樵が山小屋で火を焚いていると現われ、人の心を読んで隙あらば取って食おうとする。しかし人が囲炉裏の薪などをくべたとき、偶然に火の粉が当たったりすると、人間とは思わぬことをするものだとか言いながら逃げていく。また、一説ではまったく人間に危害を加えないが、人間がよからぬことを考えると、それを察してたちまち逃げていくという。

サビトリ
Sabitoŗ
 インド神話、ヒンズー教における神。ヒンズー教の聖典「リグ・ベーダ」に登場する。自然、太陽を司り、自然の構成要素、諸現象あるいはそれらの背後に存すると想定された支配力を神格化して崇拝の対象としたものの内のひとつ。名前には「鼓舞者」、「衝撃者」といった意味があり、万物を刺激鼓舞する太陽の作用を神格化したもの。

サマエル
Samael
 ヘブライ神話における天使のひとり。セラフに属する。名前は「神の毒」という意味を持っており、時として堕天使の一人とされたり、サタンと同一視されたりすることもある。これは彼が「死」を担当する天使だからである。モーセの魂を天に運ぶとき、ガブリエルミカエルザクザケルがその役目を神から命じられたが三人ともこれを断ったためサマエルがこの役目を果たすこととなった。任務を与えられたサマエルは喜んでモーセの魂を迎えに行ったが、モーセの輝く顔に目が眩んで手ぶらで戻ってきてしまい、神の怒りを買ってしまう。サマエルは再びモーセのもとに向かうが、今度は逆に杖で打ち据えられて盲目になってしまったという。また、アダムとイブに子孫の作り方を教えたのもサマエルだとされる。

サマユンク
 
 「サマイゥンク」とも呼ばれる。アイヌの文化英雄的なカムイであるオキクに随伴するカムイであり、名前は「傍らにいる者」の意。オキクミと同じく動植物や物品のような顕現体を持たず、アイヌモシにおいても人間の姿で行動する特殊なカムイ。神謡ではオキクミと対になって行動し、オキクミの兄と解釈されることが多い。オキクミの引き立て役であり、オキクミと異なり適切な判断力を持たないため失敗することが多く、ときに死んでしまったりもする。しかし、サマユンクが汚れ役なのは日高から西の伝承で、静内の東、旭川などでは立場が逆転する。また、オキクミの敵対者だったとする伝説もある。オキクミに同一化されずに残った人間体カムイだと考えられる。

サラキア
Salacia
 ローマの女神でネプトゥヌスの妻

サラスバティー
Sarasvatī
 インド最古の文献「リグ・ベーダ」以来認められる女神。河川や湖の神格で、河川信仰を伝える。また、学問、技芸を司る神。この女神の用具が言語であったと考えられ、後には言語と同一視された。さらに後代には学問、技芸の神、雄弁と知恵の保護神として高い地位を与えられた。仏教では弁財天として帰化され信仰されている。

サラマンダー
Salamander
 ヨーロッパにおいて、火の中に棲むと考えられたトカゲに似た怪物の一種。錬金術師達は火の精霊と考えた。実際にヨーロッパでは石綿(繊維状の鉱物。当たり前だが石なので火に投じても燃えない)の布がサラマンダーの皮として売られていたという。また、サラマンダーの皮で作った服は、例え汚れても火に投じれば綺麗になるとされた。石綿は実際そうなのだが、この鉱物から生じた塵は人体に有害である。

ザリチュ
Zairisha
 ゾロアスター教における悪魔の一人。6人のアメサ・スペンタに対抗する6人の悪魔の一人(ただし諸説あるせいで全員挙げると6人以上いる)。名前は「渇き」を意味し、植物を枯らし毒草のみを育てるという。

サルス
Salus
 ローマの健康と安全の女神。神殿はクゥイリナリスの丘にあった。ギリシアのヒェギエイアに相当する。

サルワ
Sauru
 ゾロアスター教における悪魔の一人。6人のアメサ・スペンタに対抗する6人の悪魔の一人(ただし諸説あるせいで全員挙げると6人以上いる)。無秩序を司る悪魔で、世界終末の日には灼熱の熔鉱によって溶かされるという。

猿田彦神
さるだひこのかみ
 日本記紀神話における国つ神の一人。天孫降臨のときに、その道案内をつとめ、のち、伊勢国(三重県)五十鈴川のほとりに鎮座したといわれる。きわめて長身で、鼻が非常に高く恐ろしい顔つきをしていたという。古くは、衢(ちまた)の神とされていたが、中世、障(さえ)の神と混同されて道祖神となり、一方、仏教の影響を受けて、「猿」と「申(さる)」との混同から、庚申の日にこの神を祀るようになった。

サルパニトゥム
Sarpanitum
 バビロニア神話において、金星の女神でありマルドゥークの妻。

サン・イヴァン・グル
 
マニク

三皇五帝 さんこうごてい
Sān-huáng wŭ-dì
 中国神話において、最古の時代に順番に中国を収めたとされる八人の神々のこと。「史記」の「三皇本紀」、「五帝本紀」による。三皇は天そのものかのように人間離れした存在だと考えられていたが、五帝は実在した歴史的人物として扱われた(ただし、現在では神話上の存在であることが認められている)。三皇については、女祝融と置き換えたり、燧人と置き換えて考える説もある。
            三皇
       ┌──┐┌──┐┌──┐
       │伏羲││││神農│
       └──┘└──┘└──┘

            五帝
   ┌──┐┌──┐┌──┐┌──┐┌──┐
   │黄帝││││││  ││  │
   └──┘└──┘└──┘└──┘└──┘

三界公爺 サンジエゴンイエ
Sān-jiè gōng-yé
 中国の少数民族、毛南(マナナン)族が信奉する最大の善神。もとは宋の人だったが子供の頃八仙と一緒に桃を食べて仙人になった。しかしその後牛肉を食べたせいで半仙半人になってしまったという。

山精
さんせい
 中国や日本の山にいる山の精の一種。中国では山魅(さんみ)ともいわれた。4世紀に中国で編纂された「抱朴子」などに記述があるが、それによると山精は子供ぐらいの大きさで一本足。その足は後ろ向きについているが、駆けるのは速いという。石蟹や山蟹を食べて生活しているが、その生活を邪魔する者がいるとその人を病気にしたり、家を火事にしたりする。古くから千年生きた蝦蟇は山精を食べるといわれているが、実際に山精は蝦蟇に弱いという。

サンタ・カタリナ
St.Catarina
 聖カタリナ。フィリピンのミンドロ島カルカル市の守護聖人。また、ドゥマグエテ市の守護聖人でもある。海賊がカルカル市を襲うという噂が流れたとき、また日本軍がカルカル市を襲おうとしたとき、空から白馬に乗った黒髪の美女が現れこれを退けたという。これがサンタ・カタリナである。また、ドゥマグエテ市がスペイン人キリスト教徒とモロ(イスラム教徒)の戦いの脅威に晒されていた頃も、モロはドゥマグエテを襲えなかった。サンタ・カタリナが蜂の大群を送り島を見えなくしてくれたからだ。このため人々は「ディリ・ナ・ダグイト(女子供が誘拐されない)」といい、これが変化して「ドゥマグエテ」という土地の名前になったという。

サンタス
Santas
 小アジア西部における古代神。地母神のクババと結び付けられることが多く、「王」と称されることもある。バビロニア神話の神マルドゥークと同一視される事もあった。後代にはギリシア神話に取り入れられて「サンドン」と称された。

サンダーバード
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サンダルフォン
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ザントマン
Sandmann
 ドイツに伝えられている、眠りをもたらす妖精の一種。英語に直せば「Sandman」つまり砂男という意味。老人の姿していて、魔法の砂を詰めた袋を背負ってやってくる。この袋から取り出した砂を振りかけられると、どんな人間でも眠くなり、ついうとうととしてしまう。残酷な妖精ではないが、夜更かしをする子供たちがいるとドイツの母親たちは、ザントマンに目をえぐりとられてしまうよと脅かして寝かしつける。取った目玉はザントマンの子供が食べてしまうともいわれる。

サン・ヒャン・ウィディ
Sang Hyang Widi
 インドネシアのバリ島独自のヒンドゥー教における、全知全能の神。インドネシアのパンチャシラ(建国五原則)の一項には「唯一神への信仰」という項目があり、インドネシア国民は多神教を信じてはいけない。そこで、本来多神教であるバリ・ヒンドゥー教も、あらゆる神々は唯一神サン・ヒャン・ウィディが、様々な形で具現化したものであるとの解釈を打ち出した。もっとも、バリ島の人々の実際の信仰は祖霊信仰と多神教の体系にのっとったものである。

山魅 さんみ
Shān-mèi
山精