東電:5月から家庭向け新料金 時間帯割引4種類に
毎日新聞 2013年04月23日 20時47分(最終更新 04月24日 01時04分)
東京電力は23日、家庭向けの新たな電気料金プランを発表した。世帯の生活サイクルに合わせ、電力需要が少ない夜間や早朝、土日の料金を低くする一方、昼間などの料金を高くし、全体として値下げにつなげる。昨年7月に電気料金値上げが認可された際、経済産業省から料金プランの充実を求められていたほか、利用者から「料金を少しでも安くしたい」などの要望を受けていたのに対応。新プランは4種あり、5月15日から導入する。
(1)深夜1時から翌朝9時までが割安な「朝得プラン」、(2)夜9時から翌朝5時までが割安な「夜得プラン」、(3)夜9時から翌朝9時までが割安な「半日お得プラン」、(4)土日が割安な「土日お得プラン」を設定。夜得プランの場合、割安時間帯の1キロワット時当たりの料金は、現行の通常料金に比べ最大約17円安くなり、それ以外の時間帯では最大約12円高くなる。
現行の通常料金は、昼間も夜間も使用量に応じて一律となっている。新プランは、管内の電力需要が少ない時間帯を割安、需要が多い時間帯を割高に設定。割安な時間帯に家事を済ませたり、割高な時間帯には消費を控えたりすれば、料金を安くできるようにした。東電の試算では、現行料金と最も差が出る「夜得プラン」の場合、年間で約7300円の節約になるという。
東電は23日、自社のホームページに過去の電気料金などを入力すれば、どのプランが合っているかを確認できる「でんき家計簿」サービスを開始。フリーダイヤルの電話相談(0120・993052)を設けたほか、家庭に測定器を設置して消費動向を分析し、適したプランをアドバイスするサービスも実施する。
同社は昨年6月、昼間のピーク時間帯(午後1〜4時)の料金を割高にし、それ以外の時間を安くする料金制度を導入したが、昼間の需要を抑えるために高額の料金設定にしたため、利用者は全体の1%以下の約7000件にとどまる。当時はPR不足や、値下げ効果が限定的なことを批判されたため、利用者目線の新プランで料金値上げに理解を得る考えだ。【浜中慎哉】