ウァウァントリ
Huahuantli
テオヤオミキ

ウァクーナ
Vacuna
 イタリアのサビニ族の女神。ディアナミネルワウェヌスなど、様々な神と同一視される。

ウアジェト
Wadjet
 下エジプトのコブラの女神。今まさに攻撃しようとしているコブラの姿で描かれることが多いが、雌ライオンとして描かれることもある。イシスが秘密のうちに子供のホルスを育てることが語られる物語に、ホルスの乳母として登場する。ネクベトとともにファラオを守護すると考えられていた。

ヴァジュラヴァラーヒー
Vajravarahi
 チベット、ネパール仏教で重要な神格とされている。「金剛の雌豚」を意味する名称から分かるように、豚の頭をしていて、稲妻の矢と頭蓋骨と棍棒を持っている。

ヴァッサゴ
Vassago
  ユダヤの魔神で、「予言の貴公子」とも呼ばれる。三角形に近い白い骸骨のような頭を持った老人の姿をしており、目はこめかみ近くまでつり上がっていますが盲目で、多だ異次元を見通すことだけは出来ます。大きなワニにまたがり、右手にカラスを止まらせ、全ての淫らな事と悪徳、女性が隠している秘密に通じ、その講釈をしたがります。過去・現在・未来の出来事に関してかなりの知識をもっており、なくした物を見つける力があります。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人。

ヴァナ
Vanir
 北欧神話における二つの神族のうちの一つ。「ヴァナ」は複数形で、単数だと「ヴァン」。平和を好む神々だとされ、もう一方の親族であるアサ神族とは区別されている。アサ神族と比べると神話への登場は少なく、ニョルドとその息子のフレイ、そしてフレイの双子の姉妹であるフレイヤの三柱だけで他のヴァナはほとんど姿を見せない。しかし、この三神に共通する性質から、富と生産、そして愛情に関係する豊穣神の一族だと考えられている。彼らは性的に開放的であり、近親婚を常識とした。また魔法に長けた一族であるともいわれている。神話においてヴァナ神族とアサ神族は敵対関係にあり、ヴァナ親族は有利に戦いを進めて一度はアース神族の城壁を破壊したりしたが、最後には互いに人質を交換して和睦したという。ヴァナ神族はヴァナヘイムと呼ばれる彼らの国に住んでいるといわれる。

ヴァピュラ
Vapura
  ユダヤの魔神で、「獅子公」とも呼ばれる。グリフィンの翼をもった獅子の姿で現れ、たてがみは赤く、深い叡智を秘めた緑色の瞳をしています。指先の熟練を要する仕事や、哲学に関する技術を教授してくれます。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人。

ヴァーユ
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ヴァーリ
Vári
 北欧神話におけるアサ神族の一人でオーディンと女神リンドの息子。名は「小さな戦士」を意味するという説がある。ヘズによるバルドルの殺害は悪意の無い過失ではあったが、オーディンは肉親でであるバルドルの復讐のため、ヘズを殺さなければならなくなった。しかし、ヘズ自身もまたオーディンの息子であったため、この復讐はオーディンの手では出来ない。そのため、血族でありながら血族とは見なされない幼い子供が適任であったため、オーディンはリンドとの間にヴァーリをもうけた。
 ヴァーリは生まれて一夜でヘズを殺し火葬にした。薪の上にヘズの亡骸を乗せるまでヴァーリは手を洗わず、髪の毛を櫛でとかなかった。復讐を終えて成長したヴァーリは勇敢で大胆な戦士となった。強運を持っていたために、その手から放たれる矢は外れることはなかった。ヴァーリは神々と巨人族の最後の戦い(ラグナロク)を生き残り、現在の世界が滅んだ後に生まれる新世界の神になると予言されている。

ヴァール
Vár
 北欧神話において誓約が神格化されたと思われる女神。神話には名前しか記載されていない故、父母や所属する神族は不明。ヴァールは強い力を持つ神と考えられ、神々の宿敵である巨人族の者ですら、誓いを交わすときにはこの女神の名前を口にした。ヴァールは人間の誓いの言葉や、男女の間で交わされる特別の約束、取り決めに耳を傾け、誓約を破る者には復讐をする。古代北欧において誓約という言葉は、このヴァーユの名にちなんで「ヴァーラル」と呼ばれたといわれる。

ヴァラク
Valac
  ユダヤの魔神で、「龍総統」と呼ばれる。小さな翼のある少年の姿をしていて、赤い二つ首のドラゴンにまたがっています。あまり賢くありませんが常に真実を話し、全ての爬虫類を支配し、隠された財宝を探り出す能力があります。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人。

ヴァルキューリ
Valkyrja
 北欧神話において、主神オーディンに仕える戦いのディース達。語義は「戦死者を運ぶ者」。多くの場合、兜をかぶって手に槍を携え、そら飛ぶ馬にまたがって天を駆ける乙女の姿で描かれる。ヴァルキューリは戦運が神格化された存在であるため、戦闘に関わる言葉をそれぞれの名前としている。
 巨人族との最後の戦い(ラグナロク)に備えるため、オーディンは勇敢に戦って死んだ王や戦死を神界へと集めている。これを実際に行うのがヴァルキューリで、そういった者たちを選ぶために人間達の戦場へと飛来する。戦死するものはオーディンによってすでに決定されている場合もあるが、ヴァルキューリは人間の運命に介入するディース達から派生した存在であるため彼女らにも戦死者の運命を定める権利がある。倒れた戦士を神界アスガルズのオーディンの神宮の一つであるヴァルハラ(戦死者の館)まで運んだヴァルキューリは、神界で復活した勇者達を天女のようにもてなす。ラグナロクまでの間、戦死者たちはヴァルハラで英気を養うのだ。人間族出身のヴァルキューリもいくつかの神話で見られ、そういった者は人間界の王女であることが多い。ヴァルキューリは羽毛の衣を着て白鳥の姿で人間界に降りてくることもある。

ヴァン神族
Vár(pl.vanir)
 北欧神話における二つの神族のうちの一つ。その全てが豊穣神であり、平和的な性質を持ち、魔法に長けた種族。

ヴァンニク
Vannik
  スラヴにおける浴槽の精霊。サウナの守り神で、家の者が全員風呂を使い終わった後で、他の精霊たちを引き連れて入浴しに来るという。従って、風呂場をヴァンニクに護って欲しい者は、家の者が入浴し終わってもお湯を残しておかなければならない。湯気の中に人の姿をとってぼんやりとその姿が見えることがあるが、戸をあけて中に入ろうとすると、入浴を邪魔されたと思って怒り熱湯をかけるという。

ヴァルナ
Varna
 インド神話における天空の神。水を支配する神。インドラが武勇神、軍神であったのに対し、帝王の威信を持ち、「天則(リタ)」の保護者として宇宙一切の秩序を保持する。リタとは自然界、人間界に秩序を与える理法で、それによって天体は正しく運行し、四季は時を違えず循環するのみならず人間社会に発言して道徳律となる。彼は欺瞞と背信をもっとも憎み探偵を放って人間の行動を監視し、竜索と呼ばれる大縄で悪人を縛り水腫病によって在任を罰するから、その怒りと懲罰の前に人間は畏怖した。普通は五竜冠をいだいて亀の乗り、水中に住む竜王の形で表され、左手に前述の竜索、右手には剣を持つ。

ヴィーヴル
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ウィクトリア
Victoria
 ローマ神話において勝利を司る女神。ギリシアのニケと同一視される。

ヴィジ=アンヤ
Vizi-Anya
 シベリアのマジャール族の神話で、「水の母」と称される水の精。ヴィジ=アンヤやヴィジ=リーニーが人間の前に姿をあらわすことは、不幸な事が起きる前兆とされる。

ヴィジ=エンバー
Vizi-Ember
 シベリアのマジャール族の神話で、湖や川に住む水の精。人間を貪り食うが、誰もやってこなければ、大声を上げて生贄を要求する。従って、そんなヴィジ=エンバーの声を聞きつけた者は、もうすぐ誰かが溺れるという事を知る。

ウィシュトシワトル
Huixtocíhuatl,Uixtoxíhuatl
 アステカ神話において、人々に「塩」をもたらす女神。字義は「発明者」。ウィシュトシワトル、アトラトナンシローネンショチケツァルの4人の女神に扮した女性は、テスカトリポカに扮する若い戦士に仕える4人のうちの一人であった。この戦士は名誉と快楽を1年間傍受したあと、365日暦の6番目の暦月にある「トシュカトル(「渇いたもの」の意)」という祭儀で4人と一緒に生贄にされる運命にあった。また、365日暦の8番目の暦月にはウィシュトシワトルを祀る「テクイルウィントリ(「神々の小さな祝祭」の意)」という祭儀があった。

ヴィジ=リーニー
Vizi-Ember
 シベリアのマジャール族の神話で、「水の乙女」と称される水の精。ヴィジ=リーニーが人間の前に姿をあらわすことは、不幸な事が起きる前兆とされる。

ヴィシュヌ
Visnu
 ヒンズー教ビシュヌ派の宗教的信仰の中心として崇拝される。元来は太陽神で、天界を三歩で歩くといわれ、愛の神として信者に平等に恩恵を与える。次第に神としての地位を高め、三界を支配する諸神の最高神になった。宇宙を維持し世界を救済するため魚、亀、イノシシ、人獅子、小人、パラシュラーマ、ラーマチャンドラ、クリシュナ、ブッダ、カルキの10種の化身(アバターラ)で世界に顕現し、慈悲を持って人々を導くという。ブラフマー(梵天)・シバとともに三神一体をなし、神像では正面にブラフマー、右にビシュヌ、左にシバを配す。

ヴィセソ
 
 インドネシアのジャワ島において、創世神話に登場する至高神。宇宙卵から天地、太陽と月、昼夜を作り、名を与えた。またその中から昼(マニク)に世界の支配権と、万物を作り出す力を与えた神とされる。

ヴィゾニフル
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ウィツィロポチトリ
Huitzilopochtli
 アステカにおける戦いの神。名前は「南のハチドリ」ないし「左の青いハチドリ(メソアメリカ人たちは西を上方、南は左と認識していた)」といった意味。創造神オメシワトルオメテクートリから生まれ、ケツァルコアトルテスカトリポカシペ・トテックを象徴的な兄弟とする。しかし、別の伝承ではコアトリクエの末の息子だともされている。コアトリクエはミシュコアトルの妻であったが、ある日彼女のもとに落ちてきた羽のボールの魔力で「一人で」ウィツィロポチトリを妊娠してしまった。コアトリクエの息子であったセンツォンウィツナワックセンツォンミミスコアは、そんな母親を恥に思い母親殺しを企てた。それに気づいていたウィツィロポチトリは完全武装で母親の胎内から生まれ出でて、母親を救うためにすぐに二人を殺そうとした。その際、母親に陰謀があることを警告しようとしていた姉のコヨルシャウキの首を切り落としてしまった。ウィツィロポチトリがコヨルシャウキの頭を天に投げるとそれは月になった。センツォンウィツナワックとセンツォンミミスコアはウィツィロポチトリによって罰として空に撒き散らされ、それぞれ南と北の星座になったという。
 メキシコ盆地に移住してきたアステカ最後の部族で、帝国をを築いたメシーカ・アステカ人(太陽の民)の部族神であり、その首都テノチティトランの守護神でもある。戦いの神であると同時に太陽の神で、太陽として毎日おもむく天空の旅では、日の出から正午まで戦死した戦士の魂に付き添われた(アステカ人にとって戦死は最も名誉な死に方だった)。こうしてウィツィロポチトリは正午から日没まで、西に降りていくシワテテオに付き添われ、正午以降の太陽落ちていくワシにたとえられた。夜の間、太陽は地下の死者の世界を照らしていた。
 ウィツィロポチトリは生命の授与者トラロックと同様の立場を与えられ、これら2神を祀る双体神殿は、テンチティトランにある大神殿のピラミッド基壇の上に建てられた。トラロック神殿が水を象徴する明るい青と白で塗られていたのに対し、ウィツィロポチトリの神殿は戦いを象徴する赤色に塗られていた。
 またウィツィロポチトリは北西部の砂漠地帯にあるとされている伝説のアストランの洞窟からメソアメリカ中央部までメシーカ人を導いたという。  アステカの18ある365日暦の暦月において、10、13、16番目の月には、それぞれ「ミカイルウィトントリ」、「パチトントリ」、「パンケツァリストリ」と呼ばれる、ウィツィロポチトリとその他の神を祀る祭儀があった。また暦上では「セ・テクパトル(1の火打石)」という名があり、その日はウィツィロポチトリないしカマシュトリの祭日であった。

ウィメメアウア
 
 北米のネイティブアメリカンに信じられている、「偉大なる天上の長」。世界の始めの時、世界には水だけしかなく、そこにウィメメアウアは住んでいた。彼は、世界をつくろうと浅いところで泥を手にとっては投げつけて陸を作った。大地に木々を生やし、球形の泥から男を創った。さらに男が寂しがると、伴侶として女を創った。男には狩りの方法を教え、女にはカゴの作りかたや調理の仕方を教えた。また、女が男を喜ばせる何かを得たいと思いウィメメアウアに祈ると、ウィメメアウアは女に息を吹きかけた。すると女は見たり触ったり出来ない何かを授かった。ところがこの男女は喧嘩を始め、あまりにも口わずらわしかったので、母なる大地は怒り山々を揺さぶり、沢山の動物や人間が死んで山々の下に埋まってしまった。先祖の信仰を守った遺骨だけが山の下に保存され、いつの日かウィメメアウアによって山々がひっくり返され、霊が骨に戻ることができるという。

ウィナボジョ
Winabojo
ナナブッシュ

ヴィラコチャ
Viracocha
 インカ神話における最高神。アンデス山脈のチチカカ湖の中から生まれ出で、万物を創造した原初の神である。大地、太陽、星、空、月を創造し、意志の力で人間を生み出し、クスコ(「世界の臍」の意)という地に人々を導いてそこに住まわせた。頭に太陽をいただき、アゴヒゲは水草で出来ており、手に稲妻を携え、目からは大粒の涙を流している。頭の太陽は太陽神としての属性、アゴヒゲと稲妻と涙は嵐を司る雨神としての属性を表している。ヴィラコチャはいかなる供物も受け取ることは無い。万物の創造主たる彼は何ものも必要としていなかったからである。彼は創造を終えたあとチチカカ湖の中へと去っていったが、たびたび人間界に姿をあらわした。乞食の姿をとり、人々に文化を教えて歩き、最後は太平洋の彼方へと姿を消した。
 ヴィラコチャとは本来、神々への祈祷文に使われる呼びかけであった。祈りの言葉「イリャ・テッセ・ヴィラコチャパカヤカシク」とは、「万物の始祖、主、世界を教え諭すもの」という意味を持つ。

ヴィリ
Vili
 北欧神話においてヴェーとともに主神オーディンの兄弟で世界を創造した神の一柱。原初神プーリの息子であるボルと、巨人族の女であるベストラから生まれた。

ヴィリプラカ
 
 ローマの神で夫婦喧嘩の守護女神。ローマにはごく些細な事まで守護神が存在したが、ヴィリプラカはその一人である。ローマ人は夫婦喧嘩の収拾がつかなくなった場合、二人してヴィリプラカの祀ってある祠に向かう。この祠には祭司などが居るわけでもなく、女神の像が置いてあるだけだが、祠の前では一つの約束事がある。それは一人が喋っている間、決してもう一人は喋ってはいけないというものだ。この約束事により、それぞれ大きな声で自分の意見を主張し、その間もう一人は冷静に相手の意見を聞くことが出来る。

ウィル・オ・ザ・ウィスプ
Will o'the Wisp
 ヨーロッパで幽霊が現れる前に出現するとされている青白い火の玉。イグナス・ファチュアスとも呼ばれる。かつてウィルという酷い悪人が他人に恨まれ殺されたが、死語に聖ペテロを騙し、生まれ変わって第二の人生を生きる事となった。しかし彼は新しい人生でも悪いことを繰り返したため天国へも地獄へも行けず、その魂は現世を永遠とさまようこととなった。これに悪魔が同情し、地獄の業火から少し炎を分け与えた。この炎がウィルオザウィスプだという。

ウィルトゥース
Virtus
 ローマにおける武勇の女神。絵画や彫刻ではアマゾーンのように描かれることが多い。後にホノスと合祀される。

ウィルビウス
Virbius
 ローマ近郊のネミの森の神。ディアナ信仰に関係あると考えられている。ギリシア神話のヒッポリュトスのことだという説もある。

ウゥルカヌス
Vulcanus
 ローマにおける火の神。イタリアのサビニ人に信仰されていたと考えられている。ギリシア神話のヘパイトスに相当する。

ヴェー
 オーディンの兄弟、ヴィリと同じく創造神の一柱。

ウェイランド
Wayland
 アイスランドの叙事詩「エッダ」に出てくる鍛冶の神。

ウエウエコヨトル
Huehuecoyotl
 アステカ神話において、踊りと乱痴気騒ぎをもたらすトリックスター。

ウエウエテオトル
Huehueteotl
 アステカ神話における火の神で、非常に古い神格。シウテクトリと同一視されることもある。

ヴェスタ
Vesta
 ローマにおいて、ギリシアのヘスティアと同一視されたかまどの女神。クロノスレアから生まれた三人の娘達(あとはデメテルヘラ)の長女で、かまどの守り神である。アポロンポセイドンに求婚されたが、処女神である彼女はそれを断っている。これは求愛に応えてしまうと自らの仕事が果たせなくなると思ったからである。これになぞらえてヴェスタに使える巫女は処女であることが求められた。ローマにおいて彼女たちは「ヴェスタの巫女」と呼ばれている。
 神話の中ではあまり登場しないヴェスタだが、ローマの守護神とも考えられていたためにローマ市内には大規模なヴェスタの神殿が存在し、有力者はこぞって寄進をした。特に多くの女性たちがヴェスタを守り神として崇拝した。コンセンス・ディの一柱だと考えられている。

ウェヌス
Venus
 ローマにおいて、ギリシアのアフロディテと同一視された庭園と耕作地の女神。英語読みの「ビーナス」で知られている。ローマ帝国にとってとても重要な神で、ローマ皇帝はウェヌスの末裔だとされている(途中で何回も養子を取っている為血が繋がっているわけではないし、神話上のことだが)。ウェヌスはコンセンス・デイの一柱と見なされている。

ウェネボジョ
Wenebojo
 ウィンコンシン州に住むネイティブアメリカン、チッペワ族を始めとする南部オジプワ族ではナナブッシュのことをこう呼ぶ。
 チッペワ族では、ウェネボジョは凍えて死にそうだった一人の老婆がヘラジカ(ムース)の死骸からつかみあげ手袋にしまっておいた血の塊からこの世に出現したとされている。彼は出現するやいなや、小さなウサギに変身して巨大な海を渡り、老婆のためにそこに住んでいた人々から火を盗んできたという。また南部オジプワ族に伝わる話では、自分の娘を騙して結婚した彼は、後になってそのことを恥じ、共食いするというカワマスの口の中にコソコソと入ってしまい今でもそこにとどまっているという。

ウェプワウェト
Wepwawet
 エジプト神話において、オシリスイシスの子で、オシリスの補佐役の神。

ヴェルダンディ
Verdandi
 運命の女神ノルンの一人。「紡ぐ者」という意味で、現在を司る。

ウェルトゥムヌス
Vertumnus
 エトルリア起源の植物の神。ローマでは果樹と果物の神とされる。

ウェレ
Wele
 ケニアのアバルイヤ人に信仰されている至高神。「高い者」という意味があり、天を含め全宇宙を六日で創造した。

ウェレ
Were
 ケニアのルオ人に信仰されている至高神。「恵みの父」という意味で、自然を司り、雷で悪しき者を罰するという。

ヴェーレス
Veles
 東スラブにおける家畜神であり軍神。「ヴォーロス」ともいう。キエフやロシアで信仰された。元は動物を守り家畜を増やしてくれる神だったが、スカンジナビアの軍神崇拝に影響を受けたものか、いつのまにか軍神でもあることになった。このため古代のキエフ・ロシアでは、戦士たちは「雷神ペルーンと獣の神ヴォーロスの加護を祈って」敵と戦うのだった。だが、やがてキエフ大公ウラジーミルはキリスト教に帰依し、キエフの丘に立っていた雷神ペルーン以下六柱の神像をことごとく河中に投じてしまった。しかしこの中にヴェーレスの像はなかった。ペルーンが戦士階級の神であったのに対し、ヴェーレスはもともと庶民の神であったためその神像は丘のふもとにあったらしい。ロシアのキリスト教化以後もヴェーレス信仰はかなり残っていて、19世紀になっても農婦たちは収穫の際「ヴェーレスの髪を縮らす」といって一束の麦を畑に残す風習があった。

ウェンディゴ
Windigo
 イヌイット達がもっとも恐れる寒気の精霊。ウェンディゴが訪れるということは、誰かが病にかかり、寒気で震え、高熱を出して死んでしまうかもしれないということだからだ。反対にウェンディゴを倒しさえすれば、病が治るということである。獣の熱い油で満たした穴にウエンディゴを落とせば、心臓を溶かして殺すことが出来るという。

ウォイシュン
 
 北ミャンマーのカチン族(中国で言う景頗(チンポー)族)の世界創世神話に見える精霊。シクソープクリプクロープから、チャヌムとともに生まれた。チャヌムと一緒に天地の万物、また大地や空気や水の精霊、家庭や作物の精霊、病気の精霊を生み出した。またさらにゴーンワマガムを産みだした。

ヴォジャノーイ
Vodianoï
 スラブ地方の水の精霊。人間よりひとまわり程大きい魚やカエルなどの似姿に、緑のヒゲや苔をつけた姿が一般的ですが、巨人や長いヒゲの老人、美しい女性、沼に浮かぶ丸太などの姿もとります。川の流れを狂わす水車や堰が嫌いで、壊したり、日照りにして水車を回らなくしたりします。この場合、人間を生贄としてささげなければならないとされます。好物は人間ですが、大型動物で我慢することもあるようです。主に夕方頃から活動を始めるので、その時間帯に水辺に寄り付かないようにすれば、他の場所に移ると言われています。あまり長い時間は水場の外に出られないので、民家は襲いません。

ウォーターリーパー
Wator Leaper
 イギリスのウェールズ地方にある沼沢地に棲むという妖精。「Leaper」とは「飛び跳ねるもの」といった意味。「サムヒギン・ア・ドゥール(The Llamhigyn Y Dwr)」とも呼ばれる。手足の無い巨大なヒキガエルに長く先細りとんがった尻尾と2枚の発達した羽状のヒレを持った姿をしており、そのヒレを使って沼地をバチャバチャと跳ね回る。アルビノのように白い姿をしているようです。網を破いたり、釣り糸を切ったりします。身の危険を感じると鼓膜もやぶれんばかりの甲高い叫び声を発し、この音を聞くと死んだり、金縛りになったり、あわてて沼に落ちたりとします。そこをこの妖精に食べられてしまうようです。

ウォナンビ
 
ウングッド

ウォヌングル
 
ウングッド

ウォノミ
Wonomi
 カリフォルニア北東部の内地に住む北米インディアン、ミドゥ族の天空の父神。大地を造った者コヨーテに地位を追われた。

ヴォフ・マノ
Vohu Mano
 古代ペルシア神話におけるアメサ・スペンタ(聖なる不死者) の一人。語義は「良き思い」、「善の霊」。ゾロアスターの宗教改革以前の時代に崇拝されていた神だと考えられている。他のアメサ・スペンタとともに唯一神霊アフラ・マズダの持つ様々な顔の一つだとされ、絶対悪アンラ・マンユに対立する。ヴォフ・マノは自分の霊をアフラ・マズダに移すことにより、自らの霊的な進化を果たしたといわれる。ヴォフ・マノは有益な動物を治める役割を担っており、雌牛の姿で表されることが多い。

ヴォール
Vǫr
 北欧神話における詮索の女神。

ウォルトゥルヌス
Voltumnus
 ローマにおける河の神。ニンフのユートゥルナの父である。祭日は8月27日。

ウォルンクア
 
ウングッド

ヴォーロス
Volos
ヴェーレス

ウォロンビ
 
ウングッド

ウォンジーナ
Wondina
オーストラリア北西部の北部、キンバリー地区に住むアボリジニの神話に登場する、ウングット(=ドリームタイム)に存在した精霊。虹蛇とは別の、雨と雲の精霊であるとされる。ウォンジーナは今オーストラリアに存在する何かの前身であり、例えば、「ワシタカのワラナ」はウォンジーナの一匹であったし、ワラガンダという名のウォンジーナは天に昇って天の河になった。岩絵に描かれたウォンジーナは全て頭部に赤や黄色の太い帯で輪郭が描かれており、まるで後光のように見える。両目と鼻は連結し、口は無い。口が無いのは、ウォンジーナに口があると絶え間なく雨が降り続けるからだとされる。

宇迦之御魂神
うかのみたまのかみ
 ???

鵜葺草葺不合神
うがやふきあえずのかみ
 記紀神話で、彦火火出見尊の子。母は豊玉姫。神武天皇、五瀬命の父。

ヴクブ・カキシュ
Vucub Caquix
 マヤの一部族キチェー族に伝わる聖書「ポポル・ヴフ(Popol Vuh)」に見える巨魔にして神々の敵対者。「Vucub Caquix」とは「七匹のオウム」という意味だが、これが何を意味するのかはわかっていない(この事から巨大な怪鳥として描かれることもある)。地平線にまで届くほどの巨体で、エメラルドで出来た歯と金と銀で出来た輝く身体を持っており、ナンセという木になる白いさくらんぼを食べて生きていた。チマルマト(Chimalmat)という名の妻とシパクナカブラカンという名の子供がいる。かなりの乱暴者で怒りっぽく、傲慢な性格で自分が世界の中心だと考えていて、神々が人間を作ろうとしているのを知ると、これから誕生する人間たちの支配者になろうと企んだ。このため、子供ともどもフンアフプーとイシュバランケという人間の双子によって倒される事になる。

ヴクブ・カメ
???
 ???

保食神
うけもちのかみ
 穀物の神。食物の神。田の神。うかのみたま。

ウコバチ
Ukobach
 ユダヤの魔神。地獄の釜の火を絶やさないように油を注ぎ込む。全身炎に包まれている。また、別の説によれば、地獄に落ちた人間を責めるために、石炭をくべるという。

烏什 ウシカ
Wū-shí-qiǎ 卡(ソウ):Unicode5361
 ???

ウシャス
Usas
 インドの聖典「リグ・ベーダ」に見える神。暁の象徴で、ヒンドゥー教の大地の女神プリティヴィーの娘。ラートリーの妹。また、スーリヤの母または恋人とされ、常にうら若い美女として「リグ・ベーダ」における女神中最も顕著な存在であり、豊かな生命をもたらし、天則を誤らず、時を違えず、太陽の先駆として暗黒を退ける。 闇を退けるが、老いの源でもあるという。ウシャス自身は毎日生まれるが、永遠に存在するが故に年老いているとみなされる。ウシャスの出す光によって、人間は真理の道を見つけ出すことが出来るという。毎朝、立派な主婦のようにウシャスは全ての生き物を起こし、それぞれの仕事へと向かわせる。そんなウシャスに神々は邪悪な者はそのまま寝かせておき、善人のみを起こすように懇願するという。「リグ・ヴェーダ」の中で、ウシャスは薔薇色の衣装と金色のヴェールをまとった花嫁として描かれている。さらに、踊り子として宝石を身にまとっていたり、水浴びを終えようとしている美しく若い女性として描かれていることもある。ウシャスは薔薇色の牝牛や馬に引かれた馬車を御すが、これらの動物は暁に輝く雲を表している。

ウジャト
Vaget
 古代エジプトのコブラの姿をした女神。ギリシャ語名はブト。王朝成立以前からナイル川流域のデルタ地帯で崇拝されていた古い神で、彼女の姿は最高神レーの頭にあるウラエウス蛇だと考えられ、その強烈な毒によって敵を打ち倒すとされた。彼女を崇拝していた下エジプトが上エジプトと争っていた時、上エジプトではハゲワシの女神ネクベトが崇拝されていた。このため上下エジプトが統一された時、コブラとハゲワシの並んだ姿が国王のしるしとなったといわれる。

烏芻沙摩明王
うずさまみょうおう
 金剛界曼荼羅(まんだら)の一尊。不浄を転じて清浄とする明王。形相には異同があるが、目は赤く、身は黒く、四臂で、火炎に包まれ忿怒の相を示す。主として安産または出産の不浄を払う効験を持つとされるが、密教、禅宗などでは便所の守護神とする。うずさま。うすしゃま。不浄金剛。火頭金剛。穢跡金剛。

ウッコ
Ukko
 フィンランドの叙事詩「カレワラ」に登場する天の神。雷神でもある。空に散らばるあらゆる雲を統率し、晴れた日の白雲も、雨を降らす黒雲も思いのままに動かす。天そのものであるからしてその性格は天のように気まぐれであり、祈りを聞き届ける時も聞き届けない時もある。勇者に力を貸すときもあれば悪者に力を貸すときもある。だがいったん祈りを聞き届けるとその力は凄まじく、天に裂け目を作り氷、雹、あげくに鉄塊までも降らせることがある。
 ウッコはまた、「ユマラ(Jumala)」とも呼ばれる。「カレワラ」に登場する英雄たちは、苦境に陥って神に願い事(特に物騒な願い事)をする時は紙をウッコと呼び、苦境を脱し幸せを得たことを神に感謝する時は、神をユマラと呼ぶことが多い。

ウティホ
Utixo
 南アフリカのコイコイ人の信仰する天空神。天候を支配し、その慈悲によって人々は作物を育てられるという、アフリカの主神の典型をとっている。

ウトゥ
Utu
 シュメール、バビロニア神話における太陽神の一柱。シャマシュネルガルなどに吸収される。

ウトゥック
Utukku
 バビロニアにおける邪悪な精霊。死者の魂であるエディンムのうち、死ぬときに葬式をしてもらえなかった者が恨みからウトゥックになり、生きるものに苦痛を与え復讐をする。彼等のようなウトゥックは改めて葬儀をやり直す(キスプ)と、鎮めることが出来る。しかし、より下層の世界アラルからやってきたウトゥックや、エア神の噛み付きから発生したウトゥックは彼等より更に邪悪で、世界に病気を広げたり、人々の心に邪悪な考えを吹き込んだり、家族間に不和をもたらしたりする。彼等は「明るい日を暗闇に変える風」などに例えられ、容易には鎮められないが、退魔師(アシプ)がエアの名の元に呪文を唱えると追い払うことが出来るという。

ウハイタリ
Whaitari
 ポリネシアの神話に登場する天界の女神。名には「雷」という意味がある。ウハイタリは人肉を食べ物としていた。あるとき、地上にカイ・タンガタ(人を食うもの)という名で呼ばれる男がいることを知り、気にいって結婚しようと考えたウハイタリは、人間界へ行き一人の奴隷を殺して新鮮な心臓をカイ・タンガタに贈った。すると男は烈火の如く怒った。なぜなら彼が「人食い」と呼ばれるのはその勇敢さを称えられたからであって、人肉を食うからではなかったからだ。ウハイタリはがっかりしたが、それでもその男と結婚し、数人の子供を産んだ。しかしその後もウハイタリは人間を食べること止めず、ついにはカイ・タンガタの親類まで食ってしまった。彼はそれを知らずに親類の骨で作った釣り針で魚を釣り、ウハイタリに食べさせた。すると天罰で彼女は盲目になってしまった。さすがにウハイタリは人間界にいるのが嫌になって天界に帰ってしまった。後にウハイタリの盲目は孫のタウハキによって癒されたという。

シチロンヌ
 
 アイヌ民族においてオコジョを顕現体とするカムイ。名前は「雪ギツネ」の意。アイヌモシ(人間界)ではオコジョの衣装を身に着ける。小さいが非常に強力なカムイと考えられていた。ウシチロンヌは、神話においては必ずアイヌ人やカムイ達に名前を知られていない不遇なカムイとして描かれ、その強い力でアイヌやカムイを危機から救う小さな英雄として謡われる。

乳母娘娘 うばにゃんにゃん
Rǔ-mǔ niáng-niáng
 中国道教において、産後の母体を守ってくれるという女神。「々娘娘(ないないにゃんにゃん)」とも呼ばれる。産後の母体の健康や母乳の出を保証してくれる。願いが聞き届けられて母乳が出るようになったときは、乳房に似た白い円錐形の饅頭を礼として供える習慣がある。道教では子を産む際に色々な娘娘神が幼児や母体の健康を護ってくれるが、乳母娘娘もこういった娘娘神の一人である。
名前護る災厄
乳母娘娘 母体の健康を護る
眼光娘娘 幼児を眼病から護る
催生娘娘 出産に関する障害を取り除く(難産など)
子孫娘娘 子宝を授ける
送子娘娘 胎児の安全を護る
痘疹娘娘 幼児を天然痘(疱瘡)から護る
瘢疹娘娘 幼児を腫れ物や吹き出物などの皮膚病から護る

ウプルワン
Upulvan
 シンハラ人(スリランカの多数民族)の神殿に祀られる四大神の中の最高神。呼称は「睡蓮の花の色をした者」を意味する。ゴータマ・ブッダが悪魔マーラと戦ったときに最後までブッダに忠実であった唯一の神といわれる。

ウプレボ
Upulevo
 ティモールにおける姿無き太陽神。代わりにココナツの葉で作ったランプで象徴される。

ウヘル・ア・ヤングヅ
 
 パラオの創世神話において、最初に登場する神。ウヘル(=オヘル)は「根源」、「元祖」、「主祖」、ヤングヅは「天」といった意。つまり天の根源の神(天祖神)。ウヘル・ア・ヤングヅは天からア・ヤブツ(さっと吹く風)にのせて一つのプツー(星)を降らせた。これにより島や浅瀬を創ったという。ウヘル・ア・ヤングヅ自身は子供を作らず、天から下ろしたア・キム(シャコガイ)が二代目の神ラッツムギカイを産んだ。

可美葦牙彦舅神
うましあしひこじのかみ
 日本記紀神話で、国土がまだ脂のように漂っていたとき、葦が萌え出るようにして生まれた神。国土の成長力の神格化されたもの。別天つ神の最後の一人。

海座頭
うみざとう
 三陸沖の海に出る海坊主の一種。鳥山石燕の「画図百鬼夜行」では手に杖を持ち琵琶を背負った盲目の琵琶法師の姿で描かれている。伝承では巨人だとされており、月の終わり頃にしばしば海の上を歩き回り、海坊主と同じように漁師を驚かしたり、船を転覆させたりすることがあるという。どう言うわけか海坊主とは出現する時期が異なり、海坊主が現われなくなった頃に出現する。ただし、海座頭が言ったことに素直に答えれば姿を消すといわれている。

海坊主
うみぼうず
 日本の海に現れる妖怪。欧州でも似たような「シービショップ(海の教皇)Sea Bishop」と呼ばれる 魔物が存在する。巨人の姿で頭がはげており船をひっくり返したり飲み込んだりする。かなり巨大でその一部分しか見えない場合でも数メートルから数十メートルあるといわれる。日本各地の海に出現し、船の積荷の中で一番大事なものを海に投げ込めば助かるという。

ウーヤラウヤミトック
Ooyarrauyamitok
 イヌイットのさまよう神。加護を祈ると、肉を与えてくれるか、その在り処を教えてくれる。

ウラ
Ura
 バビロニアにおける病気を司る神であり悪魔。人々に熱心に信仰されていたにもかかわらず、この世にある全ての生命を断ってしまおうと考えた。驚いた人々はますます熱心にウラに祈ったので、ウラは「自分の名を称え、自分がいかに勇敢で偉大な存在であるかを賞賛した者だけは許してやろう」と答えた。

ウラー・ナンブ
 
 インドネシアのスマトラ島に住むミナンカバウ族において、大地を支えているとされる蛇牛。地震は蚊がウラー・ナンブを刺すときに起こるという。

ウランジ
 
 北部オーストラリアに住むアボリジニ、ビンビンガ人の祖先とされている蛇の一人(他にはボッビ・ボッビなどがいる)。イニシエーションの割礼はウランジがペニスの皮を要求しているのだとされる。

ウリエル
Uriel
 ヘブライにおける大天使(アルカンジェリ)。意味は「神の光」。作家や教師といった職分に対するインスピレーションの源泉といわれる。

ヴリトラ
Vritra
 古代インドの悪神。「リグ・ベーダ」によれば、水をせきとめて旱魃をもたらす大蛇あるいは竜だったという。雷神インドラのヴァジュラ(金剛杵)によって退治された。後世の叙事詩「マハーバーラタ」には人型の神としてかかれたが、ここでもインドラによって倒されることになる。闇や災害、自然の非生産的な力などを象徴し、人間から知性の光を奪うという。

ウル
Ullr
 北欧神話における狩猟の神で、弓の技とスキーを得意とする。雷神トールの養子。

ウルスラグナ
???
 ???

ウルド
Urdr
 運命の女神ノルンの一人。「編む者」という意味で過去を司る。

ウルパイ・ワチャック
Urpay Huachac
 インカ神話において、パチャカマックの妻で、夫との間に二人の娘をもうけた。彼女は魚の創造者でもあり、パチャカマックの地にある池で魚を育てていた。ウルパイ・ワチャックはこの魚達を大事に飼っており、決して人々に分け与えたりしようとしなかった。「ワロチリ文書」によれば、コラニヤ・ヴィラコチャ(最高神ヴィラコチャの化身、トリックスター)が娘のうち一人を誘惑し、もう一人をも誘惑しようとした時、その娘がハトに変身し飛び去って彼から逃れたので、憤慨して池を叩いた。そのお陰で池の魚が海へと飛び散っていったのだという。また別の神話によれば、ウルパイ・ワチャックがあまりにも魚を大事にしている様子をみたコニラヤ・ヴィラコチャが、悪戯心を刺激されて池と海の間にひと筋の溝を掘ってしまったために、魚たちが海に逃げ出したのだと説明されている。

ウルリクムミ
Ullikummi
 もともとは古代アナトリアの神だが、後にヒッタイト神話に加えられた。クマルビの息子。長男でありながら自分を転覆させたテシュブへの復讐心を胸に抱いたクマルビが巨大な岩と寝たとき、この岩から誕生したのがウルリクムミである。ウルリクムミは閃緑岩で出来ており、神々は彼が無事に成長するようにと海の真中にいる巨人ウペルリの肩に乗せた。結局ウルリクムミはテシュブ

ウロボロス
Ouroboros
 古代ギリシャなどにおいて、自分の尾を口に咥えた格好で宇宙を取り巻いているとされた蛇。そのモデルはミズガルズオルムであるとされている。無限を表す一種の象徴的存在で、地図の世界を取り巻く大海の周りや、星図の十二宮星座の周り、護符などに描かれた。

うわん
 
 日本の妖怪で、墓場に棲んでおり、「うわん」と呼びかけられたらすぐに「うわん」と答えないと棺おけに引きずり込まれるという。

雲外鏡
うんがいきょう
 日本の妖怪で付喪神の一種。百年経た古鏡が妖怪となったもので、身体である鏡の表面に妖怪となった自分自身の姿を映し出す。鳥山石燕の「画図百鬼徒然袋」にも紹介されており、大きな丸い鏡の中に獣じみた顔が浮かび上がり、舌を出している図が描かれている。中国には古くから照魔鏡という鏡があって、悪霊や妖怪達の正体を映し出すといわれているが、照魔鏡だと思っていた鏡が実は雲外鏡だったということもあるのではないかと石燕はいっている。

ウングッド
Ungud
 オーストラリアのアボリジニに信じられている、世界を創ったとされる虹蛇。アボリジニの各部族でその呼称が違うため、「イェロ」、「ウォナンビ」、「ウォヌングル」、「ウォルンクア」、「ウォロンビ」、 「ウングル」、「カリア」、「ガレル」、「ジュルングル」、「チェル」、「ミンディ」、「ランガル」、などの数多くの別名がある。各部族によって微妙な差はあるが、偉大な母であるとともにその配偶神であり、両性具有のイメージが強い。(参考:"虹蛇")

ウングル
 
ウングッド

ウンクルンクル
Unkulunkulu
 ??

ウンコトゥカムイ
 
 アイヌ民族において松脂を顕現体とする美しい女性のカムイ。シュクカムイと対で歌にうたわれることもある。

ウンディーネ
Undine
 ヨーロッパの川や泉に住む水の精霊。もともとは16世紀のスイスの化学者パラケルススによって、四大元素の中の「水」を司る精霊と考えられた。美しい乙女の姿をしており、しばしば人間と恋をする事で知られる。ウンディーネは人間と結婚して子供をうめば魂を与えられるとされているが、結婚した人間が川や泉の近くで彼女をののしると、彼女は永遠に水の中に戻らなければならなくなるという。