庖犠 ほうぎ
Páo-xí
伏羲

箒神
ほうきがみ
 日本における民俗神、産神。箒に神性を与える民間信仰の一種。「掃く」という動詞の名詞系が「ははき」であり、これが「母木」に通じるところから産神となった。また一説には箒の形が依代に類似しているために神として信仰されるようになったともされる。箒のものを払ったり、かき集めたりするという機能が、悪霊や障りを祓ったり、幸運や魂を集めたりすることも出来ると考えられるようになった。産婦の腹を箒でなでたり、枕もとに箒をおくのは箒の魂を「集める」機能を出産に役立てるためであり、また箒をまたぐと難産するといわれたり、産気づくと箒を逆さに立てたりするのは逆に「はらう」機能を役立てるためである。箒神は出産以外その「はらい」「あつめる」力があると考えられた。長時間居座る客を追い返すのに箒を逆さに立てるのはこの表れである。

方伯神 ほうはくしん
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 陰陽道で、方位をつかさどる神。この神のいる方位を不吉として避ける。

都大帝 ほうとたいてい
Fēng-dū dà-di
 鄷(ホウ):Unicode9137
 中国道教で仏教の地獄に対応するように作られた道教の地獄の長官。道教では泰山にも地獄があり、東岳大帝がこれを統治しているとされるが、これはもともと霊山であった泰山に地獄の機能を持たせたものなので純粋な地獄という感じがしない。そこで仏教のような純粋な地獄があると考えられるようになり、その首都が都だとされた。都には都山(羅山ともいわれる)という巨大な山が存在しており、そこに裁判所の機能を持つ六つの宮がある。ここで裁判を受けた死者は山のあちこちにある24の地獄に堕とされる。この都を仕切っているのが都大帝で、純粋に死者を裁く閻魔のような存在であり、その点で東岳大帝とは趣を異にしている。都は5世紀頃には中国のはるか北方にあるとされたが、後世になって四川省都県にその入り口があると考えられるようになった。

ボガート
Boggart
 ホブゴブリンの中でも性悪な妖精のことを指し、ポルターガイストはこの妖精のしわざだとも言われている。破けた服を着た色黒で毛むくじゃらな姿をしており、人間の手助けはしてくれない。ミルクの入ったコップを割ったり、物を飛ばしたり、空き部屋で物音を出したりと、たちの悪いイタズラをするので、家族は引越しを余儀なくされる。ただし、強力な呪文などで追い払えるとされる。

ボギー
Bogy
 「ボーグル」とも呼ばれる、性悪だがそれほど害のない妖精の総称。決まった姿はなく、強いて言えば「舞い上がった塵」の姿をしているとされる。暗いところを好み、大事なものをしまっているあまり開ける機会のない戸棚や宝箱を住みかにするとされる。人間の生活にとても興味をもっており、誰のいないはずなのに気配がしたり、寒い夜に毛布が落ちたりするのはボギーのしわざだとされる。臆病なので、主に夜中にしか動きまわらないが、節穴のあるドアをいきなり閉めて、すぐそこから覗いてみれば、ボギーの姿を見ることが出来る。

北斗聖君 ほくとせいくん
Bĕi-dòu shèng-jūn
 道教における北斗七星の神。「北斗真君」とも呼ばれる。「生」を司る南斗星君に対して「死」を司る。また人の運勢を暗運に導くとも言われる。母親は斗母元君三官大帝とともに生死に関わらずすべての人間の功績を調べ、人間が堕ちるべき地獄の種類や拘留期間を決定する、閻魔のような神だとされる。北斗七星の七つの星はそれぞれ「貪狼星」・「巨門星」・「禄存星」・「文曲星」・「廉貞星」・「武曲星」・「破軍星」という名があり、中でも七番目の柄杓の柄の先端に位置する破軍星は凶星とされ、剣先になぞらえられ、この星のさす方角は「万事に凶」として忌まれた。しかし、死を司る神である以上、人間を長生きさせるという力も持っており、長生の神としても信仰されている。また富貴貧賎も司るといわれる。また第一星である貪狼星は特に大魁夫子と呼ばれ単独で神格化されている。

ボーグル
Bogle
ボギー

ボッビ・ボッビ
Bobbi-bobbi
 北部オーストラリアに住むビンビンガ人は、自分たちの祖先は蛇であると考えており、その蛇の一人がボッビ・ボッビである(他にウランジなど)。ボッビ・ボッビは子孫達が食べられるようにと、大きなコウモリを沢山地上に送った。だが、コウモリたちはすぐに竈から逃げ出してしまったので、ボッビ・ボッビは自分の肋骨を一本抜き取って上に投げた。骨はブーメランとなってコウモリを落とし、お陰で人間達はコウモリを料理して食べられるようになった。だが人間達が調子に乗って骨のブーメランで天空に穴をあけてしまう。怒ったボッビ・ボッビ肋骨を持ち去ろうとした。この時二人の若者がこの神聖なブーメランを救おうとして、蛇の口に飲み込まれてしまったという。

ホズル
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ボナ・デア
Bona Dea
 ローマにおける女神の一人。名前は「良き女神」の意。ファウナと同一視される。ボナ・デアはもっぱら女性に崇拝されるが、詳しいことは不明の女神である。ボナ・デアの父であるファウヌスは娘であるボネ・デアを犯そうとたくらみ、ぶどう酒を飲ませて酔わしたり、天人花の枝で鞭打ったりした。そして蛇に変身してついにボナ・デアを犯したとされる。また別伝では彼女はファウヌスの妻で家事に長け貞操も固かったが、あるときよったところを夫に咎められ、天人花の枝で打たれて死んだという。このためボナ・デアの祭祀ではぶどう酒と天人花を供物にしたり、アウェンチヌス丘にあったその神殿にそれを持ち込んだりすることは禁じられているが、別名を使って供物にすることは可能であったという。

ボヌス・エウェントス
Bonus Eventus
 ローマにおける良い収穫の神。また成功を司る女神ともされる。

ホノス
Honos
 ローマにおいて徳を司る女神。後にウィルトゥースと合祀される。

ホブゴブリン
Hobgoblin
 ヨーロッパの民間伝承において登場する妖精。またの名を「パック」、或いは「ロビン・グッドフェロー」という。下半身が山羊、上半身が人間の格好で、角が生えているが、大きくとも体長は1m程である。家の守護霊とされており、ミルク一杯の報酬で馬を洗ったり、粉を引いたりと家事の手伝いをしてくれるが、その報酬を忘れると、その家を出て行ったり、アザが出来るほどつねられるといわれる。イタズラ好きで、三本足の椅子に化けて人を転がしたり、夜道で人を迷わせたりもする。

ホムンクルス
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ポモナ
Pomona
 ローマにおける果物の女神。ローマの近郊にポモナルと呼ばれる聖域を持っていた。ピクスの妻であり、彼女を熱愛したピクスが魔女キルケの求愛をはねつけたことからピクスはキツツキに姿を変えられたとされる。また一説には同じく果物の神であるウェルトゥムヌスの妻であるともされる。

ボルキス
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ホルス
Horus
 エジプト神話における天空神。オシリスイシスの子でオシリスのあとを継いでエジプト王位についた神。ハヤブサの姿、或いはハヤブサの頭を持った人身獣頭の神とされ、ときに手に杖を持ち額に王権の象徴である神聖な蛇をつけた姿で表現される。ホルスは死亡したオシリスとイシスの魔術的な性交により生まれ、沼地で産み落とされた彼は秘密裏に育てられていたが、やがてオシリスを殺した張本人である悪神セトに見つかってしまう。セトの眷属である毒蛇に噛まれ、ホルスは生死の境をさまよったが、主神レーによってその毒を抜かれて、順調に成長した。その後ホルスは父オシリスの復讐を果たしエジプトの王権を握るが、この時授かった王権を象徴する「目」はオシリスに渡し、自分は神聖な蛇をつけた。これ以降、蛇がエジプト王権の記章となったとされる。

ポルトゥヌス
Portunus
 ローマにおいて港と門を司る神。8月17日が祭礼。ギリシアのパライモンと同一視される。

ポレヴィーク
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ケウカムイ
 
 アイヌにおいて狼の姿で顕現する男性のカムイ。北海道には明治まで狼が生息しており、アイヌ人は熊とも対等に戦うその勇猛さに感銘を受け、それがホケウ(狼の)カムイとなった。ホケウカムイは格の高いカムイであり、ホケウカムイのカムイモシリ(カムイの世界=カムイ達が本来の姿で暮らす国)は他の動物のカムイと違って(ほとんどの動物のカムイは山奥にあるカムイモシリに住んでいる)天にあると考えられていた。また、ホケウカムイはアイヌモシリ(人間の世界)に住むことを強く望んだカムイであるとも言われる。熊のカムイ(ヌプリコカムイキムンカムイ)と関連付けられることが多く、同時期に天から降りたと伝えられている。また、悪い熊を退治するカムイとも考えられていた。獲物の一部を人間に譲るとされ、その点でも崇拝されていた。

ホロン
 
 フェニキア神話における冥界神で、フェニキア神話に見られる蛇の姿をした、あるいは蛇の力を象徴化した神格の一つ。毒蛇と砂嵐をを退ける呪文にその名が見える。太陽の女神であるシャパシュの娘に求婚するが、ホロンは不能であったため、それを取り除く儀式「ナムブルベ」をとりおこない、その後彼女に再び求婚したという。

ポンカンナカムイ
 
カンナカムイ

梵天 ぼんてん
Brahman
 ヒンズー教のブラフマーが仏教に入って色界の初禅天に住する仏教護持の神となったもの。「大梵天」、「梵天王」とも言う。十二天、八方天の一で、帝釈天と対をなすことが多い。