クァホロム
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クイックシルバー
Quicksilver
 ポルターガイストを起こす原因といわれている精霊の一種。男女の区別があり、男のクイックシルバーはよりいっそう騒々しいポルターガイストを引き起こし、洋服ダンスの中の物を全部ぶちまけたり、鈴がなるような高音の笑い声を立てるので寝てるものでも絶対目を覚ますという。口紅などで「Q」と書いた落書きを残していく。普通のポルターガイストと違ってひとつのところにあまりとどまらず、短期間でその場所から居なくなるとされる。

グィディオン
Gwydion
 島のケルト神話において女神ダヌの息子で知恵と魔法の神。妹でもあるアリアンロッドを妻に持つ。「ダヌの一族」の精神的主導者であり、また魔法の達人でもあった。太陽神とされることもあるが、これは「無知を啓蒙する」知恵の光という意味での神格である。ウェールズの伝説「マピノギ」に語られている「樹木の戦い」を起こした張本人でもある。彼の兄が自分達の甥のマスが可愛がっている少女ゴーウィンに恋をしたので、彼女を手に入れるためにグィディオンはある策を練った。マスは戦争の為に出陣する時を除き、常に兄の上に少女を乗せていなければならなかった。グィディオンは魔術を使ってマスと隣国のプリデスとを戦わせ、その隙に兄にゴーウィンを襲わせたのだ。だが、彼自身は怒ったマスに魔法をかけられ、一年の間は鹿に、次の一年は豚、更にその次の一年は狼へと姿を変えられてしまった。グィディオンとアリアンロッドの間には波の子ディランと弓の名手セライという二人の息子がいる。

クイリヌス
Quirinus
 古代ローマの神。ローマを創建し初代の王のなったロムルスが、生きながら昇天してなった神と言われる。古く、ユピテルおよびマルスとともに三大主神格のグループを構成し、ユピテルが王権と宗教を司り、マルスが戦いを司るのに対し、もっぱら庶民と、その生業である農業を保護する機能を果たしたと思われる

禺彊 ぐうきょう
Yu-chiang
 中国における神で、海神で風神。また疫病を流行させる神でもある。「愚強」、「愚京」とも書く。帝王神黄帝の孫にあたる。北海に住む海神としての禺彊は、魚のような身体や手足をして、二頭の竜に乗っているという。風神としての愚彊は、字(あざな)を玄冥といい、古代の帝王神センギョクの臣下であるという。人面鳥身で、青蛇二匹を耳に飾り、さらに二匹を踏みつけている。海神としての愚彊と同じく、北方を支配しているという。また風神としての愚彊は、疫病を風に乗せて運び流行らせる疫神でもあり、至る所で人を傷つけると言われ、古来大いに忌み嫌われたので、やはり疫神である「伯強」と同様の存在だとする文献もある。北西の風は特に歯(れいふう=病の風)と呼ばれ人々に恐れられたという。

クェラウァペリ
Cuerauáperi
 メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人の信じた創造神であり、また創造の女性原理。語義は「生まれる原因となる女性」、「クェラヴァペン」とも呼ばれる。誕生と農耕の女神であり、また興味深いことに針仕事の守護神でもある。配偶神であるクリカウェリとの間に月の女神シャラタンガを、もうけている。シャラタンガは新月を象徴するが、クェラウァペリは下弦の月を象徴する。クェラウァペリとクリカウェリの祀る儀礼であるシクインディロでは、生贄の心臓は最後にアラロの温泉に投げ込まれたが、ここからクェラウアペリが水を引いて雲を作り、穀物に水をやると信じられていた。

クェラヴァペン
Cueravapen
クェラウァペリ

グウレイグ
Gwraig
 イギリスのウェールズ地方の湖に棲む水の精霊の一種。とても美しい金髪の女性で、沢山の牛を所有しており、しばしば小船に乗って湖の上で遊び戯れているという。それだけ人間に出会う機会も多いので、この精霊が人間の男性と結婚したという話はウェールズに数多く残されている。パンとチーズが好物であり、このために人間の男を結婚することもある。しかし彼女達を殴るのは禁物で、三度殴られたら湖に帰ってしまう。

句句廼馳
くくのち
 日本において、天地が誕生した頃に棲んでいたとされる巨人。当時は天がまだ低すぎて、動物や植物が生息することが出来なかった。息苦しさを感じた句句廼馳は両手両足を踏ん張って、現在の高さまで天を持ち上げたという。日本書紀では、伊邪那美神が日本の島々を生み、さらに海、川、山を生んだのち、木の精霊である句句廼馳を産んだとしている。句句廼馳が天を持ち上げる姿は、植物の逞しい成長力を象徴しているとも考えられる。

グクマツ
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ククルカン
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クー・シー
Cu Sith
 イギリスのスコットランド地方の妖精たちが番犬として飼っている妖精犬の種族。牛ほどの巨大さで、体中に暗緑色の毛が生え、足は人間の足と同じぐらい大きく、丸まった長い尾がある。イギリスの妖精たちは丘の上に棲んでいたが、クー・シーはその丘を守るのが仕事で、侵入者があると放された。吠えることは少ないが、唸り声は遠い海上まで届くという。普段は妖精たちに連れられているが、自分だけで出歩くこともあり、そんな場合だけ人間にとって危険な存在だった。

クシティガルバ
Kshitigarbha
 ボーディサットヴァ(菩薩)の一。日本では「地蔵菩薩」、中国では「地蔵王」として知られている。これらの名前はクシティガルバの語義「大地を取り囲むもの」から来ている。審判のあとに魂がたどる六道を見守っているのだといわれる。六道とは人間、阿修羅(アスラ) 、悪魔、神々、動物、そして亡者たちがたどる宿命を指す。クシティガルバは忍耐強く地獄にいる人々を慰め、生前の悪行によって背負い込んだ重荷を少しでも軽くする方法を模索している。
 やがてクシティガルバは、全ての旅人の守護神だと考えられるようになった。インドより中国と日本で信仰を集めた。

奇稲田姫神
くしなだひめのかみ
 日本の記紀神話における豊穣の女神。

孔雀明王 くじゃくみょうおう
Mahāmāyūrī-vidyā-rānjī
 仏教において明王の一。クジャクが毒草や毒虫を食するが如く人間の三悪を呑食し、衆生の業障罪悪、諸病痛を除くことを本願とする。像容は普通一面六臂が多くが多く、蓮華、具縁果など4種のものを持ち、孔雀の上に坐し、明王では唯一忿怒相ではなく慈悲相を示す。

倶生神
くしょうじん
 インド神話に基づく仏教の神。「くじょうじん」とも読む。人が生まれた時から、その左右の肩の上にあって、その人の善悪の所行を記録するという同名、同生の二神。また、これを男女の二神とし、男神は同名といい、左肩にあって善行を記し、女神は同生といい、右肩にあって悪行を記し、死後、閻魔(えんま)王による断罪の資料とするという。また、俗に、閻魔王の側で罪人を訊問し罪状を記録する神とする。

管狐
くだぎつね
 新潟や中部地方にいるとされた、人間につく狐。単に「くだ」という時もある。イタチぐらいの大きさで白色か茶色をし、尾はリスのように太い。二つの目が縦に並んでいるとされることもある。「管(くだ)」とは竹筒のことで、竹筒の中に入れて飼ったり、持ち歩いたりできたという。味噌が好物なので憑かれた人は味噌ばかり食べたがり、病人の場合は食欲旺盛になるとされる。また、管狐の意思を喋るようになるという。家についた場合、上手く飼い慣らせば金持ちになるが、失敗して貧乏になる場合が多いという。飯綱と同じものともされる。

くだん
 日本の妖怪。牛の体に人間の頭がついた姿をしていて、生まれた直後にすぐ死んでしまうという。また件の出現はよくないことが起こる事の前兆とされる。「件」と言う漢字が人に牛と書く事からこの妖怪を「くだん」と呼ぶようななったのか、或いはこの妖怪のせいで「くだん」に「件」という漢字を当てるようになったのか、どっちかはわからない。

クナピピ
kunapipi
 オーストラリア北部のアーネムランド半島に住むアボリジニ、アラワ族の人々が信じる「大いなる母」。かつてクナピピは、男女の英雄達とともに大地を巡り、自然を創り、さらに人間の男女をも創り出した。この旅では一匹の虹蛇がクナピピの歩く道を整えるためにその前を進んだという。しかし、現在のクナピピは曖昧で怠惰な霊であり、「年老いた女」であるとされる。その秘密の名前は儀式が最高潮に達したときにわめかれる無意味な叫びの中に聞こえるという。クナピピは若者達を殺し、ワシが彼女を殺すまでその若者達を食べていた。少年達はこうして彼女の胎内に再び入ることで新たな再生をし、成人男性として認められる。

国之常立神
くにのとこたちのかみ
 記紀神話において、万物にさきがけて出現した原初の神、別天つ神の一柱。国土の永遠の安定を意味する神。

クヌム
Khnum
 古代エジプトにおける宇宙神。カタラクト(瀑布地帯)の神でナイル川を象徴し、多産と創造の神とされる。南エジプトで信仰され、主聖所は象牙の島にあり、妻サティとアヌーキスとともに祀られた。角を生やした雄羊の頭を持つ男として表現される。太陽神レーが信仰されるより古くからの神で、クヌム信仰においてはこの神こそが創造神であり、他の神々やナイル河を含め全てのものを創ったとされた。土をこね、ろくろを使って人間や動物を作ったといわれる。普段は温和だが、怒ると恐ろしい神であり、アスワン付近にあるナイル河の急流地帯に棲んでおり、ナイル川の水量を調節し、洪水や旱魃さえ意のままに起こすことが出来たという。また、ヌビアの神ドゥーンドゥーンはクヌムと一体化するに至っている。

クババ
Kubaba
 小アジアのカルケミシュ(古代オリエント、ユーフラテス河畔にあった古代都市)の女神。カルケミシュの神話上はたいした役割を与えられていなかったが、やがてヒッタイトの新王国で第一の女神となり、地母神としての性格を持つようになった。銀、ザクロなどに象徴される。クババの名前とその象徴の幾つかはフリュギアの地母神キュベレに引き継がれた。つまりキュベレを象徴するものにも銀、ザクロが含まれている。北メソポタミアでは「グババ」と呼ばれていた。

グババ
Gubaba
 →クババ

クピド
Cupid
 ローマにおける恋を司る翼を持つ少年の神。英語読みである「キューピッド」で知られる。名前はラテン語で「Cupere(あこがれる)+īdō(名詞語尾)」が語源。ウェヌスの子。

宮毘羅 くびら
Kumbhīra
 仏教において、薬師如来十二神将の一。「倶毘羅」とも書く。また「金毘羅(こんぴら)」とも呼ばれ、大物主神はこの垂迹の姿だといい海神として信仰され、香川県の象頭山(ぞうずさん)の金刀比羅宮(ことひらぐう)にまつられている。子の神で本地は弥勒菩薩だとされる。また、仏法守護の夜叉神王の上首をいう。武装し、忿怒(ふんぬ)の姿をとるが、持物は一定しない。宮毘羅大将。こんぴら。

クベーラ
Kumbhīra
 インド神話における北方の守護神、地中に埋めた財宝を護る富の神でローカパーラ(四天王)の一柱であり、同時にダルマパーラの一柱。ヴェーダ神話では単に魔族の王に過ぎなかったが、叙事詩では非常に重要な神となった。ヴァイシュラヴァナとも称され、太鼓腹と短い足の矮人として表現される。ヒマラヤ山中のカイラーサ山頂に棲み、アラカー城に都してガンダルヴァヤクシャラークシャサなどの半神半魔の諸族にかしずかれている。仏教神話にも取り入られ、ヴァイシュラヴァナを音写して毘沙門天といい、また多聞天と漢訳される。

クマルビ
Kumarbi
 フリ人(カスピ海南沿岸の山岳地帯に住んでいた民族)の神話に登場する、神々の王たる神。フリ人の信仰はヒッタイト人の信仰に大きな影響を与えた。クマルビは王になるためにアヌを退けなければいけなかった。クマルビはアヌに仕えていたが、九年間が過ぎたとき、クマルビはアヌに襲いかかった。アヌはすぐさま鳥のように空に舞い上がり、天まで行ってしまった。しかしクマルビはアヌの足をつかんで引きずり下ろし、ペニスを噛みきってしまった。アヌはクマルビに向かって、喜んではいけない、お前は私の精液によって子供を孕み、やがて3人の恐ろしい神々を産むであろう、と予言した。これら3人の神々はテシュブの三つの異なった顔であると信じられていた。
 クマルビは最後に自分の息子テシュブによって王位を奪われた。クマルビは復讐を決意し、海の助けを得ることでもう一人息子をもうけた。ウルリクムミと呼ばれるこの子供は体が閃緑岩で出来ており、海の真ん中に住んでいるウベルリという巨人の肩の上に乗っていた。テシュブはウルリクムミを攻めるが成功せず、退位を余儀なくされた。この物語の結末は散逸したが、最後はテシュブがクマルビを破り、再び王位に付いたと考えられている。

クマン
Kumang
 インドネシアのボルネオ島の海洋民イバン人が信じる母神。昔クマンはアラビア半島のメッカに住んでいたという、イバン人の祖先であるブジャンもメッカに住んでいたが、メッカからスマトラ島、さらにボルネオ島と、神々とともに移動してきたとされる。クマンは首狩りを象徴する、いわば戦神であり、イバン人は首を所有することは偉大な戦士となる魔法を授かったことだと考える。そのためイバン人には首を狩る風習があった。

クムッシュ
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グーラ
Gula
 メソポタミア神話における癒しの女神。一説にはニヌルタの妻であるとされる。

グラシャラボラス
Glasyalabolas
 ユダヤの魔神で、ソロモン王に封印されたとされる72柱の魔神の一人。「偽エノク文書」の目録にもその名前が見られる。「カシモラル」、「グラシャ」、「グラキヤ・ラボラス」など、数多くの別名を持つが、これらの別名の中で、特に「カールクリノーラス」が有名。召還した者の前には、大きな翼を持つ犬の姿であらわれるとされている。人間を殺害するという直接的な仕事をこなす他に、広範な学問、特に科学の知識を召還した者に授けるという。また、人間の姿を見えなくする能力を持つ。

グラティア
Gratia
 ローマにおける美と優雅の神。ギリシア神話のカリスに相当する。

グランガチ
Grangach
 オーストラリアの先住民族アボリジニの伝説に登場する川や海の精霊の一種。ワニのような姿で、体には魚の鱗があり、頑丈そうな前脚と未発達で小さな後脚を持っている。グンダンガーラ族の人々が祖先の霊として敬う神的な存在で、夜は静かに水の底に横たわっており、昼は岸に這い上がって日光浴をしたという。遠い昔、自分を捕まえにきたフクロネコの精霊と争ったことがあり、そのときに肉をちぎられたため、背中にギザギザの傷跡が残っている。

クリカウェリ
Curicaueri
 メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人の信じる創造神であり、また創造の男性原理。「クリカベリ」とも呼ばれる。配偶神であるクェラウァペリとの間にシャラタンガという月の女神をもうけている。また化身ケレンダ=アンガペティとしては太陽神、火の神、トウモロコシ(メイズ)の神となる。
 崇拝の中心地はツインツンツァンにあるヤカタ(神殿群)であり、ヤカタで絶え間なく火を焚き続けることが、クリカウェリ信仰では重要とされた。このために「クリトシット=アチャ(Curihtsir-acha)=火の番をする者」と呼ばれる5人の特別な神官が任務についていた。煙は特に重要とされ、人間と神々との特別な交信方法であると信じられていた。この聖なる火には香りを与えるためにタバコが投げ込まれた(また、タバコを吸えるのは神官だけだった)。また、高価な毛布を織り、聖なる火で焼くトウモロコシのパンを作ることでクリカウェリに仕えていた女性の集団も存在した。戦争捕虜はクリカウェリの生贄となり、クリカウェリとクェラウァペリを祀る儀礼である「シクインディロ」ではその血が聖なる火に捧げられた。神官は生贄の皮を着て踊りを踊り、心臓はアラロの温泉に投げ込まれた。

クリカベリ
Curicaveri
クリカウェリ

クリシュナ
Kŗşņa
 インド神話において最も民衆に人気のあった神の一つ。すでに「リグ・ヴェーダ」にその名が現われるが、叙事詩において著しく神格化され、またヴィシュヌと同一視、或いはヴィシュヌのアヴァターラ(化身)とされた。

クリプクロープ
 
 北ミャンマーのカチン族(中国で言う景頗(チンポー)族)の世界創世神話に見える男性の地の精霊。女で天の精霊であるシクソープとともに、チャヌムウォイシュンという精霊を生んだ。

グリーンマン
Green Man
 イギリス各地の森にいる樹木の精霊の一種。木の幹が胴体で、血を這う根のような足を持ち、無数の葉を茂らせた木の枝が腕になっているので、見たところは森の中に他の木々と区別できない。そうして誰にも気付かれぬよう動き回っては無数の葉に隠れた顔で辺りをうかがっている。森を荒らそうとする人間が入り込んでくるや、大木の倒れる音、葉擦れの音、枝の折れる音などを立てて森から追い出そうとする。

グルアガッハ
Gruagach
 イギリスのスコットランド高地地方に棲む、性別のはっきりしない小人の妖精の一種。ブラウニーのように腕も足も毛深い。農家などを訪れては家事や農作業を手伝ってくれる。親切心が強すぎるのか、ある農家を訪ねては毎夜決まった量の麦の脱穀を手伝っていたグルアガッハが、約束の麦束が用意されていなかった夜に、倉庫の中の全ての麦を脱穀しようとして働きすぎて死んでしまったという話がある。服をプレゼントするとそれが別れの挨拶だと勘違いし、泣きながら出て行く。

クルカディ
 
 オーストラリアのアボリジニに広く信じられている、人々の祖先とされる存在であるワティ・クチャラの二人のうちの一人(もう一人はムンバ)。イグアナを祖霊(トーテム)とする。

グルス神群
Guls(pl.Gulses)
 一般的に「Gulses(グルスたち)」と呼ばれる。ヒッタイトの女神で、グルスとは「書記」、「運命を決める女性」を意味する。グルスたちは個々の人間にそれぞれの運命を振り当て、生と死ばかりか、善と悪を司る。フリ人は「フテルナ」と呼んでいた。

グルスキャップ
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クルラホーン
Cluricaune
 アイルランドの人家にある酒蔵に棲む妖精の一種。背丈は人間の大人の半分ほどで、老人の姿をしている。一人暮らしの妖精であることを示す赤い帽子をかぶり、革のエプロンをし、靴に銀のバックルがついている。とても酒好きなので、しばしば家の召使達と一緒になって酔っ払っているが、主人の酒なのに家の者が酒蔵に来ると追い払ったりする者もいる。しかし、酒が漏れている酒樽があれば自分の体を詰め込んででもこぼれないようにする。

クルンタ
Kurunta
 ヒッタイトの神で普通田舎に関係が深いと考えられていた。「豁然たる田園の子」と称される。消える神ハヒマスの伝承に登場する。この伝承にはあらゆる生物が衰え死にゆくさまが描かれている。気象の神タルはクルンタがハヒマスによって騙されるのを防ごうとしたが、ハヒマスは人々を行動できないように麻痺させてしまい、クルンタも結局ハヒマスに言いくるめられることになる。牡鹿の背に立って野兎とハヤブサを持った姿で描かれる。牡鹿はクルンタの聖獣。

グレムリン
Gremlin
 イギリスで機械にとりつくと考えられた妖精の一種。飛行機、車などの機械や道具などに突発的、不可解な故障、不具合を起こさせるという。第二次世界大戦中に英国空軍の少尉に発見された妖精。戦争中、飛行機の緊急発進を行おうとする度に故障が発見されるという事があり、調査の結果、真夜中に格納庫の飛行機の上で遊んでいる妖精が発見され、この妖精が機械の調子を狂わせる物だと分かった。だが役に立つ働きもしており、フランクリンが稲妻から電機を得たとき、実はグレムリンが手伝っていたという。一般的に蝙蝠のような翼の生えた薄黒い小悪魔の姿をしていると考えられた。

クンネチュカムイ
 
 アイヌにおいて月を顕現体とするカムイ。名前は「夜に輝くカムイ」の意。女性のカムイだとされる。

クンボロム
 
 ラオスの建国神。インドラの孫と伝えられている神で、メコン川の竜は、隠者の説得で彼を迎えたという。