イエラ
 
 フェニキア神話における月の神。妻は同じく月を司るの女神であるニッカル

イェロ
 
ウングッド

イオ
Io
 ニュージーランドのマオリ族に伝わる創造神。ただしポリネシアの他地域には伝わっていない、マオリ独自の神。ギ・ヌイパパ・ツ・ア・ヌクなどの開闢神話とは意を殊にする。「自ら生まれ出たイオ」、「永遠なるイオ」、「愛の神イオ」など、様々な呼び名を持っている。また「顔の隠れたイオ」と呼ばれ、具体的な姿を持たず、「言葉」によって万物を創造したといわれる。イオについて知っているのは神官だけで、一般の人々には知らされない秘儀の神であった。

縊鬼 いき
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イクチ
 
 茨城県の海に棲んでいたとされる長さ数kmの巨大な海蛇の一種。津村淙庵の「譚海」に記述がある。それによるとイクチはあやかしと同種のものらしく、船を見つけると近づいてきて、船を乗り越えていくのだという。しかもイクチの身体からは大量の油が染み出して船の中に溜まるので、くみ出さなければ船が沈んでしまうという。あやかしより小さいもののその身体は巨大で、数時間かけて船を越えるという。

活津日子根命
いくつひこねのかみ
 天の安河で誓約(うけい)をしたときに、素戔嗚神の方に出現した神の名。

伊邪那岐神
いざなぎのかみ
 日本神話において、国産みを行った2対の神のうちの男神で高天原の神。「伊弉諾神」とも書く。神代七代の最後の神であり、また神話上で一番最初に出てくる夫婦神である。伊邪那美神と結婚して数々の国(大八洲の国)を誕生させたり(=国産み)、万物を司る多くの神々を誕生させたり(=神産み)したことから、国固めの神、生命の祖神とされている。蛭子神天照大神月読神素戔嗚神石土毘古神大山祗神保食神迦具土神、などは全てのこの夫婦神の子神である。迦具土神を産んだために死んでしまった伊邪那美神を追って死後の世界である根国(ねのくに)に赴いたが、結局伊邪那美神は生き返ることが出来ず、伊邪那岐神はこの世に逃げ帰り、禊祓を行い、この世の代表者となる。

伊邪那美神
いざなみのかみ
 日本神話において、伊邪那岐神と共に国産みを行った女神。神代七代の最後の神。迦具土神を産んだとき陰部を火傷して死に、根の国(=死の国)の住人となる。伊邪那岐神が追ってきたものの、黄泉戸契(よもつへぐり=死者の食べ物)を食べてしまった為この世に戻れなくなり、根の国の女王となる。伊邪那岐神とともに創造神、万物を生み出す力の象徴であり、また人間の寿命を司る。根の国まで伊邪那美神を追ってきた伊邪那岐神は、ただれ様変わりした妻の様子に仰天して根の国を逃げ出し、根の国と現世との境である黄泉津平坂(よもつひらさか)で相対し、伊邪那岐神に向かって「地上の人間を一日に千人殺す」と言い放つ。それに答えて伊邪那岐神は「一日に千五百人の産屋を立てる」を言い放ち二人は縁を切り、それぞれ、あの世とこの世の支配者となったという。

イシス
Isis
 古代エジプトの豊饒の大母神。字義は諸説あるがそのままであれば「腰掛け」という意味がある。ヌトの娘で、オシリスの妻であり妹。またホルスの母親でもある。エジプト王位の簒奪をもくろんだセトにより殺され、14に分割されて投げ捨てられたオシリスを復活させる。イシスは通常トビや牝牛の頭、あるいは牝牛の角をつけ、腕にはホルスを抱いた姿であらわされる。

イシナゲンジョ
 
 長崎県江ノ島沖で起こると言われる怪音現象。一説には磯女が起こす音だとも言う。古杣や天狗倒し(深夜の山中で木を切り倒す音がする現象)に類した現象で、漁師達が霧深い夜などに漁をしていると、どこからともなく岩が崩れるような大音響が聞こえてくるという。しかし翌日音のした場所に行っても何も起こった様子はない。これがイシナゲンジョである。

イシュタム
Ixtab
 マヤにおける自殺の守護女神。首に縄を巻きつけてぶら下がった姿で、両目は閉じられ、顔面の腐敗した姿であらわされる。マヤでは、首吊り自殺をした者、戦士した者、出産時に死んだ女性、神官は楽園に直行できると考えられていた。イシュタムはこのような魂を宇宙樹ヤシュチェの木陰の楽園に連れて行く。彼等は現世の悩みを忘れて、あらゆる苦しみや欠乏から自由になり、憩いの時を過ごせるという。

イシュタル
Ishtar
 バビロニア神話における愛欲、大地、戦を司る女神。シュメール神話のイナンナに由来する神で、またカナアン神話のasutaruteの語源になったとされている。愛と豊穣の女神であり、豊穣神タンムズの妹であると同時に妻。アッシリアでは弓と矢筒を構えた姿から、戦争の女神として崇拝された。またギリシア神話のアフロディテに相当することからバビロニアの女性は生涯のうち一度、アフロディテの神殿にこもり見知らぬ男性との性交渉に臨まなければならないとされた。この時男性は女性のひざの間にコインを投げいれて、「私は汝をミリッタ(アフロディテのアッシリア名、イシュタルの異名の一つ)の名において要求する」といわねばならなかったという。イナンナと同じく、俗に「冥界下り」といわれる説話がある(イナンナの項目参照)。「ギルガメシュ叙事詩」では英雄王ギルガメシュを誘惑する官能的な女神として登場している。

イシュチェル
Ixchel
 マヤにおける洪水と豪雨の女神。「怒れる老婆」と称される。天界の支配者イツァムナの配偶神。イツァムナが善意の神で、文化英雄で太陽の神であるのに対し、イシュチェルは洪水や豪雨を引き起こす、人間に悪意を持つ神である。その頭には蛇が巻き付いており、スカートには十字に組んだ骨が刺繍され、周囲には死と破壊の象徴を描いてあらわされる。彼女は怒りが度を越えると天の水瓶をひっくり返して豪雨をもたらし、また「空の蛇」が洪水を起こすのを助ける。マヤ人はイシュチェルに対して常に生贄をささげ、気持ちをなだめようとした。生贄をささげることを怠ればイシュチェルは暴風雨を引き起こし、人々を殺し、町を破壊すると考えられていた。

イシュピヤコック
Ixpiyacoc
 マヤ神話における占い師の老神。イシュムカネの夫。

イシュトリルトン
Ixtlilton
 メキシコ中央部アステカの健康と治癒の神。マクウィルショチトルショチピリの兄弟であり、3人はそれぞれ健康・快楽・幸福といった側面を象徴していた。イシュトリルトンはダンスとも関係しており、これはおそらく治癒のひとつとしてダンスが行われていたことによると思われる。

イシュムカネ
Ixmucune
 マヤ神話における老女神で占いの技を持つ。イシュピヤコックの伴侶。

イスクル
Iskur
 ヒッタイトにおける気象の神。雨や雷嵐を司る。「天界の王」と称され、地上の王の戦を助ける存在であった。二人の山の神の上に座っている姿、聖獣である雄牛ののひく戦車に乗っている姿で描かれることが多い。イスクルは棍棒、稲妻、聖なる数10で象徴される。

飯綱
いずな
 「いいずな」とも言う。飯綱使いが用いるという動物で、言わば使い魔のような存在。小さな鼠ほどのの姿をしているとも、管狐と同じとも、また、山鼠( やまね=実在するヤマネ科の哺乳類)ともいわれる。

イスプステケ
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 ???

イスラーフィール
Israfil
 イスラム教における四代天使の一人。最後に審判の日に復活のラッパを吹く。四枚の翼を持ち頭は七層の天の第七層に、足は七層の大地の第七層に達する。つまり天地と等しい大きさをもつ。贅沢を極め同性愛に耽る悪徳の街ソドムに一団の天使を率いて現れ、地震で街をくつがえし、焼けた粘土のつぶてを打ち付けソドムを滅ぼしたという。

イズン
Iðunn
 北欧神話における不死の女神。詩神ブラギの妻。古代北欧において崇拝されていた女神ではなかったらしく、神話を伝承した詩人たちによって、比較的新しい時代に付け加えられた存在だと思われる。父母の名前も、所属する親族も、神話において語られてはいない。若さと活力を与える女神であり、巨人族の欲望の対象でもある。フレイヤと似た豊穣神としての性格を数多くもつ為に、豊穣神のグループであるヴァン神族出身の女神と考えられることもある。不死の林檎の所持者で、神々はこの林檎を味わうことによって永遠の若さを保っているといわれている。不死の林檎についての描写は明確ではなく、イズンがトネリコの箱の中に入れて保管しているというこの林檎が、どのようなものであったかは定かではない。

磯女
いそおんな
 九州の沿岸地方によく出現し、奇妙な声で男を呼び止めるといわれる女の妖怪。長い髪をした女の半身をしており、下半身ははっきりしないが全身が濡れている。絶世の美女である場合が多いが、呼び止められて近づくと地面に届くような長い髪がまとわりついてきて、血を吸われてしまうといわれる。鹿児島県の磯女の場合は、一目見ただけで病気になって死んでしまうという。盆の期間と大晦日はとくに磯女が出現しやすい時期だとされる。

韋駄天 いだてん
Skanda
 バラモン教の神であるスカンダが仏教に取り入れられたもの。「塞建陀」、「垓陀」、「韋駄」などと音訳する。また「韋駄将軍」とも言う。南方の増長天に属する八将軍の一。四天王の八将軍を合わせた三十二将軍全体の長。僧あるいは寺院の守護神とされる。形像は、身に甲冑を着け、合掌した両腕に宝剣を持つ。釈迦が涅槃の後、捷疾鬼が仏舎利から歯を盗み去ったとき、この神が追いかけて取り戻したという俗説がある。非常な速さで駆け、魔鬼を排除するとされるところから足の速い人のことを「韋駄天」と言ったりする。

イチタ
Itchita
 シベリアのヤクート族(シベリア北東部に住む種族)の伝承で、大地の女神。人間から病を遠ざけてくれる大母神の別の姿。草木の霊にかしずかれており、白いブナの木に住んでいる。家畜を守る女神であるイナクシトや子供を世話する。女性の出産を助ける女神アユストなどもイチタの化身である。なお、イチタには地圏の支配者であるドイドゥ・イチタや、土の支配者であるシル・イチタなどが含まれる。

イツァム・カブ・アイン
Itzam Cab Ain
 マヤ神話における、巨大な一匹のワニの名。世界の区切りの時に顕れる、大洪水の象徴であるという。

イツァムナ
Itzamna
 マヤ神話において世界を照らし出す太陽を神格化した高位の神。至高の神フナブ・クーの息子であるとされ、時にアステカのケツァルコアトルと同一視される。人間に直接干渉しないフナブ・クーよりも広く信仰され、事実上の最高神とされていた。天界及び昼と夜の支配者であり、その光はあまねく世界中を満たし、全ての生物に命を与えるという。歯が抜け落ち、頬がこけ、長い鼻を持ち、威厳と優しさを備えた老人の姿であらわされる。「アハウリル(ahaulil)=王」という称号を与えられ、玉座に座り下位の神々に君臨する王として描かれる。また、後古典期では最初の神官、「記述の発明者」とされる。書物、治療、医術などを司る。

イッシャ
 
 日本の奄美諸島徳之島に住むという精霊の一種。キジムナーに似た行動をする。子供のような姿で笠と蓑を身につけ、トウモロコシに似た尻尾がついている。人間がトウモロコシを尻につけて振ってやると、仲間と勘違いしてついてくる。こうしてイッシャと仲良くなり、一緒に漁に行くと再現なく魚が捕れるという。しかし、捕れた魚の片目はイッシャが全部食べてしまうので、片目になるといわれている。

五瀬神
いつせのかみ
 日本神話において、鵜葺草葺不合神の子であり、神武天皇の兄。天皇とともに九州から東征した。

一反木綿
いったんもめん
 日本の妖怪で、一反(約11m)程の長さの白い木綿の布のような姿をしている。夜中に道を歩いている人がいると何処からともなくヒラヒラと飛んできて身体や首に巻きついてくる。鹿児島県高山地方では人を殺す事もあるという。どう見ても布にしか見えないが、刀で切りつけると、刀に血がついたという。

イツパパロトル
Itzpapálotl
 メソアメリカホップに位置する砂漠に住んでいたチチメカ人の主神で大地の神。アステカの神体系に取り込まれた。名前は「黒曜石の蝶」を意味する。アステカの20ある暦日(センポワリ)の16番目「コスカクアウートリ(ハゲ鷹)」を司る。ミシュコアトルの母親とされる。ジャガーのかぎ爪をもってかかれる時は、「暗黒の精霊」ツィツィミメの一人としての姿である。

以津真天
いつまで
 日本における怪鳥の一種。飢饉や戦争などで、多くの屍が野ざらしにされ、埋葬されないままになっていると現われ、上空を飛び回りながら、いつまで放っておくのだと言わんばかりに「いつまで、いつまで」と鳴く。野ざらしにされた死体の持ち主達の恨みが集まって以津真天という妖怪を生み出すという。

イツラコリウキ
Itzlacoliuque
 アステカにおいて石と冷気の神。名は「黒曜石のナイフ」を意味する。氷と盲目、冷酷さと頑迷さ、死の静寂を司る。つまり全く静的な状態(無気力、無感覚)にある物質を表し、人間の社会に災いを振りまくものと考えられていた。彼はかつては「曙の王」トラウィスカルパンテクートリと呼ばれていたが、太陽神トナティウに挑み、敗れた為に、この姿へと変化させられた。以来彼は、太陽が昇るまでのわずかな時間だけ輝くことのできる「明けの明星」(金星)として存在することになった。

イナンナ
Inanna
 シュメール神話における最も重要な女神で、愛、豊穣、戦いの神。天と地の女王。束ねた葦に象徴される。明るい太陽の光線が体から四方八方に発散しているように描かれることが多い。バビロニア神話ではイシュタルに相当する。イシュタルも同じだが、イナンナも地下の冥界エレキシュガルの国へと下りていく。門で何故来たのかと問われたイナンナは、「姉のエレシュキガルのために来た」と答える。またそのあとでグラガナ(天の雄牛)の葬式を見たいのだとも述べる。冥界の七重の門を抜けるごとに、イナンナは着ているものを一つ脱ぐ。これはすなわち彼女の地上での属性を徐々に捨てることを意味し、このようにして、神官としての役割、性的な力、女王としての力などをイナンナは次々と失っていく。最後にイナンナは死を宣告され、殺されてしまう。こうしてイナンナは完全に冥界の存在となる。
 イナンナの侍女ニンシュブールは、こんな女王の運命を悲しみ神々に助けを求めたが、エンリルナンナも関わろうとしなかった。しかしエアだけがイナンナのために一肌脱いでくれることになった。エアは自分の指の爪の垢から二人の人間を創った。この二人は性が無かったので不毛の国にも入っていくことが出来た。エレシュキガルは絶えず拒絶にあっているせいで苦しみから解放される時が無かったが、この二人によって慰められた。その見返りとしてイナンナは生き返り、再び地上に生まれることが出来た。しかし冥界を去る際にイナンナは自分の代わりとなる者を探し出すという条件に同意した。
 こうしてイナンナが生者の国に帰ってみると、ニンシュブールは冥界のもんの前で待っていたし、彼女の二人の息子は彼女のために喪に服していたというのに、夫であるドゥムジは妻の死を悼むどころか、すっかり楽しい気分になっているのだった。イナンナは怒り、即刻ドゥムジを自分の代わりに冥界に遣わすと決めた 。ドゥムジは身を隠そうとしたが、冥界からイナンナに付き添ってきた悪霊たちに引きずり出され、冥界へと連れて行かれるのだった。

イヌウス
Inuus
ファウヌス

犬神
いぬがみ
 日本の中国、四国、九州地方でよく見られる、人にとり憑いて害をなすという犬の霊。ネズミやイタチのような小動物の姿をしているが目に見えないといわれる。犬神は人間によって意図的に作られた邪悪な霊で、自分を祀る人間の意のままに動き、命令によって人に憑く。憑かれた人間は意味不明の言葉を口走り、四つん這いで歩いたりするという。犬神につかれた家筋は「犬神筋」といい、犬神筋は女系を伝わるので縁組を嫌うが、その家系の者が犬神を祀りさえすればその家は富み栄えるという。

イピリア
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 ???

イピウプ・イニュア
Ipiup Inua
 北アメリカ大陸の北極圏やカナダの島嶼部に住むイヌイットのイグルリック族の伝承にある人食いの精霊。部族の人々が、突然いなくなり始めた。そんなある日三人の姉妹が一緒に遊んでいた。一人がセイウチの骨で作った小鳥を見つけ、他にもないか探しているうちに、突然、一軒の家の中にいることに気付いた。入り口には女の精霊がいた。長女は、自分達が人食い精霊の家にいることを悟って「私が抱えている柔らかい動物の肉を食べる前に、ちょっと後ろを向いて、入り口の土を食べていてください」といって、その隙に地面に穴を掘り、逃げ出し、家に帰り母親に顛末を告げた。男たちはいなかったので、女だけで復讐に出かけた。姉妹の真似をすると家の中にいた。女たちは「鯨捕りは捕まえた鯨を殺せない。だから、アンタの鍵爪を切りに来たよ」といい、精霊の手足を縛った。女たちが精霊を殺そうとしたとき、精霊は「私の内臓はビーズでできている」と言った。殺して腹を裂くと、その通りだったので、女たちはそのビーズで身体を飾った。しかし一晩立つとビーズは内蔵に戻っていた。

イブリース
Ifrit?
 イスラム教における悪魔王で堕天使。キリスト教のルシフェル にあたる。「アル・シャイターン」(かの唯一なる悪魔)とも呼ばれる。名はギリシア語のディアボロス(悪魔)に由来するとも、アラビア語のウブリサ(何も期待しない)であるとも言われている。コーラン(イスラム教の聖典)によると、神がアダムを創造し、居並ぶ天使たちに、「ひざまずいてこれを拝め」といったとき、ただ一人イブリースだけがそれを拒んだ。彼はこのために天国を追われ、悪魔の大王となった。

イフリート
Ifrit?
 アラビアの精霊ジンの一種。五階級に分類されるジンのうち、上から二番目の階級に属する精霊の総称。また、階級に関わらず、悪賢いジンのことをイフリートと称する時もある。

イポス
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イマラテクートリ
イマラテクートリ
 メソアメリカ中央部における古代の大地と天空の女神。大地とトウモロコシ(メイズ)に関連していた。年老いて乾燥したトウモロコシの穂の女神でもあったイマラテクートリは、アステカの365日暦の暦月の最後、18番目の月の「ティティトル(「縮んだ、しおれた、しわのある」の意)」という祭儀で祀られた。また「昼の神々」トナルテウクティンの最後の13番目を担う。

イミル
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イモシュカムイ
 
 アイヌ民族において、オオヨモギを顕現体とする男性のカムイ。名は「目覚めたカムイ」の意。アイヌではオオヨモギは魔を祓う力があるとされた。

イラ
Ira
 バビロニア神話における戦争、疫病、死、砂漠の神。後に死の神ネルガルと同一視される。

イラ=イライ ランギト
Ila-Ilai Langit
 ボルネオ島ダヤク族の創世神話に登場する巨大魚。世界の時間が動き出す以前、万物は巨大な蛇の口の中に閉じ込められていた。世界が創造されて時間が始まると、地が盛り上がって黄金の山となり、そこに天界を治める至福神が住むようになった。一方で宝石の山が誕生し、下界を治める神はここに住み始めた。やがて二つの山が幾度となく衝突し、その度に宇宙の断片が少しずつ作られていった。この期間は創世の第一期と称されるが雲や空、山、崖、太陽、月などはこうして創り出された。その後、「天の鷹」とイラ=イライ ランギトが生み出され、続いて目が宝石で出来ているディディス・マヘンデラ、黄金の唾液を持つロワン・リウォという二つの神話的な存在が誕生した。そして最後に天界神マハタラの黄金の首飾りが現われた。

イリク
Irik
 ボルネオ島ダヤク族の支族である、イバン族の創世神話に登場する霊。時が始まった頃、イリクはもう一人の精霊であるアラとともに、鳥となって果てしない大洋の上を漂っていた。二羽の鳥は二つの巨大な卵を海から拾い上げた。その一つからアラは空を作り、イリクは大地を作った。ところが空に対して大地が余りにも大きくなりすぎた為、二人の精霊はそれを正しい大きさになるまでぎゅっと押し縮めなければならなかった。この作業によって山や谷、川や池などが出来上がった。やがて植物も現われ、二人は人間を作ることに決めた。最初はこれを樹液から作ろうとしたが上手くいかず、土を用いることにした。こうして最初の人間達をこしらえると、二人は鳥の歌をさえずって、彼らに命を授けた。

イルマタル
Ilmatar
 フィンランドの叙事詩「カレワラ」に登場する、神とも精霊ともつかぬ女性。

イルルヤンカシュ
Illuyankas
 ヒッタイト神話に登場する竜神。あるいは蛇の悪魔だという。「イルヤンカス」とも。凶暴な神でプルリヤシュは目玉や心臓までイルルヤンカシュに奪われたという。最後には宴会の最中酒を飲んで酔っ払ってしまい、捕らえられた殺されたという。

インガルナ
 
 オーストラリアのアボリジニ達において、ンガルヨッドの母であり、創世神話における最初の母とされる存在。

インキュバス
Incubus
 古代ローマにおける悪魔の精。もともとは「インクブス」と発音する。ラテン語で「上に乗るもの」という意味。名前どおり、夜になると眠っている女性の胸の上に乗って悪夢を見せる。時には眠っている女性と交わったりする。円錐形の帽子をかぶっているが、ふざけすぎてこれを落とすことがあり、この帽子を手に入れたものは、隠された財宝のありかを発見できるという。中世以降になると眠っている女性を犯す男性の悪魔だとされるようになった。女性の姿をしたサキュバス(サクブス)は、中世になってからインクブス(インキュバス)の女性版と考えられた。

インクブス
Incubus
インキュバス

インゴイ
Ingoi
 インドネシアのボルネオ島における邪神。多くの神々が力を合わせて人間を作った。これがよく出来ていたので、神々は天界から不滅の魂を持ってきて出来た人間に入れようと考えた。ところが、神々が天上から不滅の魂を持って戻ってくると、インゴイがすでに自分の息を人間に吹き込んで生きて動くようにしてしまった。このため人間は不滅の魂を手に入れ損ねた。
 その後インゴイは他の神々の怒りを買い殺され身体をばらばらに切り刻まれたが、それらインゴイの破片は全て人間にとって有害な動物に変わったという。

インジッヒ
Indich
 ケルト神話においてフォモール(巨人)族の王で、邪眼バロールブレシュと共に、女神ダヌの一族と戦った魔神。子供にオクトリアラッハがいる。母はフォモール族の産みの親で名前に「海底」と言う意味をもつドムニュであり、そのため彼等は「海の巨人」と呼ばれることもある。フォモールの王として神話に登場するが、戦場で活躍することはなくブレシュやバロールと作戦会議をするシーンに出てくる。戦いの終焉で神々の戦士オグマに殺される。

因陀羅 いんだら
Indra
帝釈天

インテルキドナ
Interchidona
 ローマにおいて産褥にある婦人と赤ん坊をファウヌスの禍から守るとされる神。名前は「斧で切ること」という意味。

インティ
Inti
 インカ人の祖先として敬われる太陽神であり、インカ帝国の正統性を示す国家神。性格は寛大であり、常に人間達を見守るやさしい存在であるという(ただし日食はインティの怒りとみなされた)。農耕、衣服、家屋を知らず、父なる太陽を崇めることさえ知らなかった人間達を憂い、息子であるマンコ・カパックと娘ママ・オクリョを地上に遣わしてインカ帝国の基礎を築き上げさせたといわれる。つまりインカ帝国は、「太陽の子」によって興された「太陽の国」であるという神話によって自身の正当性を示していた。
 創造神ヴィラコチャに匹敵するほど重要視され、インカ帝国の勢力・領土が限界値に達した15世紀後半までには、インティは天候神イリャパやその他の神々とともにビラコチャの使者とみなされるようになった。通常、人間の顔に似せて鋳造された───目を大きく見開き、歯を出してにやっと笑っているような───金箔の仮面で表された。その顔の周りを金箔の光線が囲んでいるが、それらの光線は鋸歯状で、先端にミニチュアの人間の顔ないし像がついていた。

インドラ
Indra
 ヒンドゥー教聖典「リグ・ベータ」賛歌の全体の4分の1を占め、ベーダ神話の主役ともいえる 雷霆、戦争を司る神。妻はシャチー、子はジャヤンタである。戦車で空中を疾駆、猛威をふるう軍神。全身茶褐色で巨大な体によって宇宙を圧し、名馬ハリのひく戦車で天空を駆けめぐる。彼は神酒ソーマによって勇気をやしない、力の象徴であるバジュラ(金剛杵)で敵を粉砕する。信者に対しては非常な恩恵を与える反面、神酒ソーマを痛飲し、ウシャスの車を破壊したり、スーリヤの車輪を奪ったりして、神界の平和を破る。彼は無数の人間や悪鬼を征服し、太陽にうちかち、蛇形の悪魔ブリトラを退治して、それがせき止めていた水を放出し(そのためブリトラハン(ブリトラの殺戮者の意)という異名を持っている)、捕らえられていた牛の群れを解放した(夜明けの象徴とされる)。また後世に至っては戦争において勇敢な死を遂げた戦士たちにアプサラスを遣わし、天界へ賓客とし迎え、その行為をたたえるという。この逸話は北欧神話におけるオーディンとワルキュルヤに類似しているため、よく比較される。仏教に入って仏法を守護する帝釈天に帰化する。他にパーカサーシャナという異称もある。 

インドラ
Indra
 インドではインドラは善神の一人だが、ゾロアスター教では悪魔だとされる。一説には6人のアメサ・スペンタに対抗する6人の悪魔の一人(ただし諸説あるせいで全員挙げると6人以上いる)とされる。

英叭 インパ
Yīng-bā
 中国の少数民族、幾(タイ)族に伝わる創造神話の最高神。まだ天地も存在しない原初の時代に、気体、霧、大風から誕生し、天地を分離し、自分の身体の垢から作った天神に、泥から人類を作らせたという。

インプ
Imp
 イギリスの森に棲む妖精の一種。インペットともいう。人間の子供ぐらいの大きさがあり、全身は黒く、目は赤く、尖った耳と先端が鉤型になった長い尻尾がある。「インプ」には挿し木のいみがあり、悪魔から別れた小悪魔だと言われる。性格は意地悪で、人助けをする場合でも裏では何か良からぬ事を企んでいる。ある物語ではトム・ティット・トットという名のインプが、糸を紡ぐ仕事を引き受ける代わりに若い娘に結婚を迫って困らせている。

インベロンベラ
 
ワラムルングンジュ

インホテップ
???
 ???

インルゲン・ブド
???
 マレーシアのチェウォン族に伝わる、古代の木の幹の精霊。英雄ブジャエン・イエドに赤子の取り上げ方など、出産にまつわる様々な儀式を教えた。、あた、食事をする時、食べ物を他の人々に分けないで独り占めするのが罪であると教えた。