787:運航再開許可へ…新バッテリー承認 米連邦航空局
毎日新聞 2013年04月20日 11時40分(最終更新 04月20日 11時58分)
【ワシントン平地修】米連邦航空局(FAA)は19日、バッテリーの出火トラブルの発生で運航停止命令を出しているボーイングの最新鋭航空機787について、バッテリーの改良を認可したと発表した。来週、改良したバッテリーシステムを搭載した787機の運航再開を認める最終指示を出す方針。全日本空輸や日本航空は、6月にも運航を再開できる見通しとなった。
FAAの指示を受け、ボーイングと航空会社は改良バッテリーの取り付け作業に入る。米大手航空会社のユナイテッドは5月末にも再開を見込んでいる。FAAの認可後、日本の国土交通省など米国以外の航空当局も運航再開に向けた承認手続きを始める。
米ボーイング社の最新鋭機787は今年1月7日、米ボストンの空港で日航機のバッテリーから出火したのに続き、16日には全日空機のバッテリーから発煙し高松空港に緊急着陸。FAAは同日、運航停止を命令し、日本の国交省など各国の航空当局も同様の対応をとったため計50機の運航が見合わされている。
ボーイングはバッテリー内部の八つのリチウムイオン電池に仕切り板を設けて熱異常が広がるのを防ぐなどの改良を加え、飛行試験を実施。試験結果などの報告書をFAAに提出し、運航再開の判断を待っていた。
ラフード米運輸長官は今回の承認について、「バッテリーの改良は航空機とその乗客の安全を確保するだろう」との見解を示した。ボーイングは「FAAの承認は運航再開の道を開くもので、引き続き安全に自信を持っている」との声明を発表した。