G20:日銀緩和策に理解…声明採択し閉幕
毎日新聞 2013年04月20日 11時20分(最終更新 04月20日 12時21分)
【ワシントン平地修】主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は19日午後(日本時間20日未明)、共同声明を採択し閉幕した。声明は日銀が導入した「異次元」の金融緩和策について「デフレを止め、内需を支えることを意図したもの」と明記し、円安誘導ではないとの日本の主張に理解を示した。会議終了後の記者会見で黒田東彦(はるひこ)日銀総裁は「一層自信をもって、金融政策を運営できる」と語った。
1ドル=100円近くまで円安が進む中、日銀の金融緩和策をどう評価するかが日本にとって大きな焦点だった。声明は「通貨の切り下げ競争を回避する」「金融政策は国内の物価安定と経済回復を目的にすべきだ」とするモスクワでの前回(2月)のG20の合意内容を改めて確認。日本の金融緩和を「経済活動を刺激するための措置」と位置付け、デフレ脱却や、内需拡大を目的にしているとの認識で一致した。会議後の会見で麻生太郎財務相は「国際社会の理解を得られた」と強調した。
一方、日本や米国などの大規模な金融緩和に対し新興国は、お金の急激な流入で資産価格がバブル的に高騰することへの懸念を強めている。そのため、声明は「長期間の金融緩和から生じる意図せざる負の副作用に留意する」と、新興国経済の安定化に配慮する表現も盛り込んだ。
世界経済の現状については「大きなリスクを回避し、金融市場は改善を続けている」とした上で「成長は弱すぎ、多くの国で失業率が高止まりしている」と指摘。「強固で持続的、均衡ある成長には、更なる措置が必要」として、ユーロ圏には銀行部門の強化などを、日本と米国には財政健全化を促した。
麻生氏は会議で、夏までに中期財政計画を策定するとともに経済環境の整備を進め、14年4月に予定通り消費税を増税する決意を表明した。