ボストン爆破テロ:逃走の容疑者を逮捕…重傷で搬送
毎日新聞 2013年04月20日 10時30分(最終更新 04月20日 12時34分)
【ウォータータウン(米東部マサチューセッツ州)小坂大、ニューヨーク草野和彦、ワシントン白戸圭一】ボストン・マラソン連続爆破テロ事件で、米捜査当局は19日夜(日本時間20日午前)、ボストン西郊のウォータータウンで、逃走中のジョハル・ツァルナエフ容疑者(19)を発見、逮捕した。地元警察によると警官隊との銃撃戦で重傷を負っており、病院に搬送された。
ロイター通信によると、警察は事件に関連して米東部マサチューセッツ州で3人を拘束し事情を聴いている。
もう1人の容疑者で一緒に逃走していた兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者(26)は19日未明、警察官との銃撃戦で死亡している。15日の発生から5日目で、事件は大きな節目を迎えた。
オバマ米大統領は19日夜、ジョハル容疑者の逮捕を受け声明を発表し、「今回の悲劇の重要な一章が終わった」と発言。その上で「必要なあらゆる資源を投入し、何が起きたのかを解明する」と動機や背後関係について捜査を徹底する考えを示した。
これに先立ち、ロシアのプーチン大統領と電話協議を行い、テロ対策で緊密に連携することを確認した。
米メディアの情報を総合すると、住民の通報を受けた警察が民家の裏庭にあったボートの中に隠れていたジョハル容疑者を発見。容疑者が自爆用爆発物を身につけている可能性があり、捜査当局は大勢の捜査員で包囲し慎重に拘束の準備をした。
テロ事件は15日、ボストン中心部のマラソンのゴール地点付近の2カ所でほぼ同時に発生。8歳の少年ら3人の観客が死亡し、170人以上が負傷。圧力鍋を使った爆弾が使用された。
捜査当局は18日、両容疑者の写真とビデオ映像の公開に踏み切った。2人は同日夜、ケンブリッジ市のマサチューセッツ工科大構内で警察官を射殺。乗用車を奪って逃走し追跡の警官隊と銃撃戦になり、爆発物も投げつけた。兄のタメルラン容疑者はこの際の負傷で死亡。弟のジョハル容疑者は逃走していた。
米CBSテレビは19日、米連邦捜査局(FBI)が2年前、タメルラン容疑者の聴取をしていたと報じた。外国政府の依頼で過激派との関連を調べたが、当時は無関係と判断したという。今後、海外のテロ組織の関与なども捜査する。
兄弟のおじは米CBSテレビの取材に対し、タメルラン容疑者が18日に電話をかけ「許してほしい」と語ったことを明らかにした。