グーグル検索予測:差し止め命令 名誉毀損を認定

毎日新聞 2013年04月15日 21時25分(最終更新 04月15日 23時46分)

サジェスト機能のイメージ
サジェスト機能のイメージ

 大手検索サイト「グーグル」の検索で自分の名前を入力すると、無関係の犯罪を連想させる語句が自動的に表示され、名誉を傷つけられたとして、東京都内の男性が米グーグル本社に表示差し止めと慰謝料を求めた訴訟で、東京地裁は15日、差し止め請求を認め慰謝料30万円の支払いを命じた。小林久起(ひさき)裁判長は「違法な投稿が容易に閲覧できる状況を作った」と指摘した。

 男性側代理人の富田寛之(ひろゆき)弁護士らが記者会見して明らかにした。問題となったのは、単語を入力すると関連語句を自動的に予測表示する「サジェスト機能」。同機能による名誉毀損(きそん)を認めた判決は国内初という。

 富田弁護士によると、同機能で表示された検索候補の単語の一つを選択すると、男性が犯罪に加担したかのような中傷記事が並ぶという。男性は表示差し止めを求めて仮処分申請し、東京地裁が昨年3月に認める決定を出したが、グーグル側が従わなかったために提訴し、慰謝料など1300万円も請求した。

 訴訟でグーグル側は「単語は機械的に抽出されており、恣意(しい)的に並べたわけではない」などと反論。これに対し判決は「サジェスト機能により、名誉毀損やプライバシー侵害に当たる投稿を見る人が出る」とした上で、「機械的な自動表示でも、放置すれば将来にわたって権利侵害が拡大する」と指摘。仮処分決定後も放置した分の賠償責任を認めた。【川名壮志】

 グーグル日本法人広報部の話 判決内容を精査し今後の対応を検討する。

 ◇不利益の大きさ重視

 検索サイトの「サジェスト機能」による名誉毀損を認めた東京地裁判決は、インターネットの特性を踏まえて「放置すれば将来にわたって権利侵害が拡大する」と述べ、原告の男性が受ける不利益の大きさを重視した。同地裁では別の男性もグーグル側に表示差し止めを求めて提訴しており、今回の判決はこれらの訴訟の司法判断に影響を与えるとともに、検索サイトに真摯(しんし)な対応を迫るものといえる。

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