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消える星飛雄馬 炎天下の“スポ根”ランニングは禁止

 文部科学省の有識者会議は10日、学校の運動部活動の指導者がやってはいけない体罰などの行為と、指導として認められる行為の具体例を盛り込んだガイドライン案を示した。炎天下で水を飲ませず長時間ランニングさせることなどを禁じる内容。昭和の人気アニメ「巨人の星」の星飛雄馬のような理論を無視した“スポ根ヒーロー”の出現はもはや難しいようだ。

 ガイドライン案は「殴る、蹴る」といった暴力やパワハラ、炎天下ランニングのほか、特定の子供に過度な肉体的・精神的負荷を与えることを禁じる内容。「身体や容姿、人格を否定する発言」を許されない指導として例示している。

 ただ「練習中に危険な行為をした生徒を別の場所で指導するために腕を引っ張る」ことは正当な行為とした。「バレーボールで、技能向上のために反復してレシーブさせる」ことや「柔道で、初心者の生徒に受け身が必須であることを理解させて反復させる」のも認められる行為の例とした。

 バスケットボール部で体罰を受けていた大阪市立桜宮高校の男子生徒が自殺した問題などを受け、部活の顧問らに体罰防止を徹底するのが狙い。文科省が4月に公表した緊急調査では、中高の教員で体罰をした636人のうち、部活動中は231人で最多。部活動が体罰の中心である構図が浮かび上がっていた。

 背景にあるのは、一部の部活動が陥っている、勝つために厳しい指導が必要という「勝利至上主義」。案ではこの勝利至上主義を否定。部活動の運営や指導が顧問に任せきりにならないよう校長のリーダーシップを強調した。また外部指導者の活用が効果的とする一方、顧問が適切な指示をするなど一定の関与も求めた。

 桜宮高の体罰問題を受け、政府の教育再生実行会議は2月にガイドライン策定を安倍晋三首相に提言。下村博文文科相は3月、学識者や弁護士ら計9人の有識者会議を設置した。文科省が同月に全国の教育委員会に出した学校活動全般に関する通知では、反抗的な生徒の頬を平手打ちする行為は体罰に該当。清掃活動をさせることは懲戒として容認している。

[ 2013年5月11日 06:00 ]

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