ドドンパ

dodonpa1.jpg少し間が空いてしまいましたが、富士急ハイランド・レポートの続編です。今回はいよいよ今一番の目玉アトラクション「ドドンパ」の体験レポートです。このたびの富士急・スケート旅行では、スケートする時間をたっぷり確保したため、ドドンパとFUJIYAMAの両方に乗る時間は取れなかったのですが、なんとなく流れでドドンパの方に乗ることになりました。他のお客さんが乗っている様子や、最後に待ち受けているとんでもない急勾配(垂直タワー)については重々承知していたし、並んでいる途中で繰り返し流されていた体験映像で、マシンの動きも十分シュミレートしていたつもりだったのですが、私が実際にドドンパに乗った直後に味わった衝撃は、はるかに想像を凌駕するものでした。

発射直後にトップスピード!?

ドドンパは、一台が8人乗り程度の小さなコースターで、それぞれボディにユニークな顔がペイントされたマシン本体が順番に運ばれてきます。ドドンパの乗車エリアでは、なぜか発車時に案内スタッフとお客さんがパンッと手で手を叩いて、景気付けしてから別れるのが慣例になっているのですが、それがこの後起こる世にも恐ろしい体験の前触れだということを、その時の私は知る由もありませんでした・・。

スタート地点のトンネル部分で一旦停止してから、アントニオ猪木の「1、2、3、ダーッ」という掛け声とともに発射、そのおよそ1.8秒後には時速172kmのトップスピードになっていたのです。体中に伸しかかるとんでもない「G」の圧力・・。私はこの時点で途方もない後悔のただ中にありました。即座に「こんなの肉体(精神)が着いて行けない!」と思ったのです。

思えば、これまでのジェット・コースターは、どんなに速かろうと怖かろうと、あくまで地上から上に登った分の重力エネルギーを使って、下に落下させたり、徐々に加速させたりするものでした。間違ってもドドンパのようにマシンを強制的に射出して、本来なら人間が決して体験し得ないようなスピードに持っていくことはなかったのです。だからこそ、傍目ではどんなに気持ちよく疾走しているように見えても、この怖さの真髄は実際に乗ってみないと分からない・・。同じ172km/hといっても新幹線に乗っているのと、生身でふっ飛ばされるのとではまるで意味が違うのです。
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あっという間の超速体験

そんな訳で、私はほぼ最初の瞬間からほとんど目をつぶってしまっていて、ただただ事が過ぎ去るのを耐え凌ぐのみ、といった状態になってしまったのですが、あの圧倒的なスピード感、心臓の強い、怖いもの好きの人だったら心ゆくまで楽しめたかもしれません。(心臓の弱い人には絶対にお勧めできませんが・・)マシンはその後、猛スピードで直進してから、大きなバンクをグーンとカーブして、あっという間にクライマックスの「垂直タワー」部分に差しかかります。

傍から見ていると、あの見るからに殺人的な角度の「垂直タワー」が、さぞかし怖いポイントなんだろうなぁ、と思われるのですが、実際にはそんなことはありませんでした。ドドンパそれ自体の加速によるGが、ほとんど最初からMAXでかかっているので、後はもう垂直だろうが何だろうが、スピード感はほぼ一緒で怖いもへったくれもないのです。

悲鳴をもかき消される思いで、ようやくゴールに辿りついたときには半ば呆然自失、ただ無事に帰れたことだけを心から感謝している有様でした。本当にこういう時って生きてることの有難さを実感するものですね・・。さて、ドドンパ体験が強烈なトラウマになりながらも、ここまで心に深い傷を刻み込まれた証に、何か形に残るものを買っておきたいと思い、なぜか出口の「おみやげコーナー」に入り浸ってしまいました。

ファンキーなドドンパ・フェイスがプリントされた、ドドンパTシャツも捨て難かったのですが、残念ながら好みの柄とサイズが売り切れだったので、代わりに「ドドンパ・キティ」グッズの中から、↓こちらのボールペンをゲットしてきました。かわいさの中にも、ドドンパの怖さを凝縮したシンプルなデザイン、なかなかいいと思いませんか?ダニエル君も付いているし、結構レアものだと思いますよ。
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ドドンパは未来の乗り物

・・とまあ、そんな感じで、怖がりの私が書いたレビューなので決して万人の方の参考になるとは思いませんが、ドドンパは決してジェット・コースターではなく、「強制射出装置」なのだ、ということだけは理解して楽しむことをお勧めします。そして、自信のない方は「乗らぬも勇気」ということを、くれぐれも肝に命じておいてください。

ともあれ、ドドンパが全く新しい「未来の乗り物」のプロトタイプであることだけは確かですね。かつて「音速で飛ぶ」コンコルドが登場したときに一世を風靡したことを思いだしてください。最初はとんでもない、って思っても後にそれが案外普通になったりするものです。例えば、パリから東京までを結ぶ長い地下トンネルを作って、このドドンパを少人数乗りの「高速移動装置」として運行させたらどうでしょうか?次の時代に登場する乗り物って結構そんな感じになると思いませんか?

そう考えると、ドドンパがにわかに未来っぽい乗り物に思えてくるから不思議です。少なくとも、愛知万博でお目見えするという「リニモ」なんかよりはね・・(?)

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なんでドドンパなのでしょう(笑) ドラゴンボールを思い出すよね。 さて復習は⇒富士急の思い出シリーズ 3月8日のお話です。 さぁ、昼食にピザを食... 続きを読む

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「リニモ」がらみで、早速地球博までの乗車コースを体験してきたというレポートを見つけたので、リンクしておきます。リニモに乗った感じは「ゆりかもめ」とほぼ同じだそうです。

愛・地球博に行ってきました~会場アクセス編(ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0503/18/news034.html

『開幕前から問題視されていた“アクセスの不便さ”は、とうとう解決しないままに開幕を迎えることになった』って、ちょっと怖いですね~

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多摩川のほとりでのんびり暮らす3人家族の日常と果てなき好奇心を綴ったブログです。

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