四回、1死無塁、大谷が左中間に二塁打を放つ=札幌ドーム(北波智史撮影)
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◇楽天6−2日本ハム
楽天は連勝を今季初の5に伸ばした。1−1の3回に藤田の2点二塁打や聖沢の右前打などで4点を勝ち越した。美馬は5イニング1失点で4勝目。日本ハムは2年ぶりの5連敗で今季ワーストの借金6。
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5連敗という長く暗いトンネルの中、「7番・右翼」で2試合ぶりに先発出場した18歳の黄金ルーキー、大谷だけは輝いていた。43歳の元メジャーリーガー・斎藤から適時二塁打を放つなどプロ3度目のマルチ安打。守備では自慢の強肩を披露し、ファンを魅了した。
4点ビハインドの6回、2死三塁で迎えた第3打席。この回からマウンドに上がった楽天・斎藤の143キロ直球を左中間へはじき返した。同じ東北出身の大先輩との25歳差対決を制し、「変化球で勝負してくると思ったが、甘めに入ってきたので反応できた」と胸を張った。テレビで見ていたあこがれの選手との初対戦。「すごいなと思っていた投手。たまたま打たせてもらった」と声も弾んだ。
守備でも輝いた。6回1死一、三塁のピンチでは、嶋の右飛を捕球すると、中継のホフパワーへノーステップ返球。マギーの本塁生還を阻止して初補殺を記録した。「ライナー性の打球で後ろから(捕球に)入ることができず、ああいう形の送球になりました」と説明したが、7日の登板で痛めた爪の影響を感じさせない返球に、球場も驚きの声に包まれた。
しかしチームは皮肉にも、大谷が右足首捻挫から復帰した4日から5連敗。就任後、最大となる借金6を抱えた栗山監督はそれでも、「18歳とか新人とかでなく、力があるから使っているんだ。それを示してくれた」と評価した。連敗脱出に向け、その力は不可欠なものになっている。 (中村博格)
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