旧多摩川グラウンドを訪れ、岡崎郁2軍監督(左から3人目)と言葉をかわす巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(中央)。右は張本勲氏。=東京都大田区の多摩川緑地広場硬式野球場
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巨人軍の聖地も永久に不滅です−。国民栄誉賞を受賞した巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(77)が9日、東京都大田区の旧多摩川グラウンドで15年ぶりに行われた巨人の練習を視察した。
聖地に足を踏み入れた瞬間、長嶋さんは懐かしそうな表情を浮かべ、「おはよう」と朗らかに周囲に声を掛けた。午前10時前、旧多摩川グラウンドに、ミスターは立った。2軍選手が作った円陣の中心に立ち、弾んだ声で言った。
「今日は暖かいな。本当にありがとう。聖地、多摩川で(練習を)やることは素晴らしい。さあ行こう。ゴー」
円陣では選手に国民栄誉賞受賞を祝福され「ありがとう」と笑みを浮かべた。そして「聖地は昔も今もきれい」と、若い選手に語りかけた。
その後は岡崎2軍監督とともに、若い選手が躍動する様を見守った。岡崎2軍監督は、旧多摩川グラウンドで練習した意図を「多摩川の聖地に来れば(2軍選手の)みんなも、いろんな思いを感じるだろうし、感じてほしい」と説明した。ミスターに見守られ、聖地で汗を流す。若手にとっては巨人の伝統を感じる一日になったはずだ。
巨人が日本シリーズ9連覇など黄金期の礎を築いた場所が旧多摩川グラウンド。1955年から巨人の専用球場として使用し、85年まで2軍が本拠地を置いた。長嶋茂雄、王貞治ら歴代の名選手が汗を流し、血のにじむような努力をしてきた歴史も伝統もある場所だ。
熱気が充満した。ファン約1000人、報道陣約100人が集まる中で長嶋氏は2軍の選手、練習に熱視線を送った。岡崎2軍監督に「土がずっと前と一緒だな。いい風を感じるな」と話していたという。旧多摩川グラウンドはミスターの自宅から車で約3分、歩いても約10分のいわば、ご近所。近くの林で散歩するのが日課になっている。聖地を訪れたことは、ミスターの活力にもなったはずだ。 (伊藤玄門)
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