この世の果てで恋を唄う少女 YU−NO

潟Gルフ

STORY

「有馬たくや」は、有史以前からの遺物があるという「境町」に住む高校生。
彼の父親は、学会の風雲児と言われた考古学者だったが、三ケ月前の発掘調査の
事故により死亡した。父親の死以来、たくやは同居している義理の母、亜由美と複雑な感情を抱きながら生活していたが、ある日、死んだはずの父親から小包が届く。

その小包には、たくやの実の母親の遺品という不思議な宝玉が付いた機械と、
父親の直筆の手紙が入っていた。その宝玉を持って、海岸沿いにある「三角山」に一人で来るように書かれていた為、たくやは父親が生きている事を確信し、夜中「三角山」に赴く。そしてその「三角山」でたくやは、金髪の少女と運命的な出会いを果たし・・・・。
 



シナリオ(S)

「EVEバーストエラー」の次に衝撃を受けた作品。これもEVEと同じくPC
(しかもPC98版)からの移植作品なんですが、ストーリー、システム共に
今現在でも通用する程、完成度が高い作品です。並列世界をテーマに展開する壮大なSFストーリーですが、コンプリートするのにかなり時間がかかると
思いますので、長期戦を覚悟でプレイして下さい。
ちなみに私は軽く100時間以上かかりました。(^^;)

とにかく内容は凄いの一言です。(笑)ADVでよく展開されるシナリオ分岐を、並列世界に見立てて、色んなルートを進みながら謎解きしていくのはとても
楽しかったです。進み方によっては、かなり時間がかかると思うので、コンプリートを目指すには攻略本は必須かと思われます。特に地下遺跡の謎は
かなり難易度が高いので、素直に攻略に頼った方が無難かと思います。
 
システム(A)

ストーリーは、この作品オリジナルのシステムADMS(アダムス)で
進めていきます。主人公が現在進んでいるルートをオートで画面上に
マッピングし、特殊なアイテムを使う事によって分岐していくシステムです。
セーブ等はゲーム中に登場する宝玉でセーブする事ができます。
一番凄いのは、ADMSや宝玉等のシステムを、本編のストーリー上に
組み込んである事ですね。まさにストーリーとシステムが
見事に融合した作品だと思います。

SS移植版には不満点はいくつかあるんですが、一番気になったのは、
BGMとキャラ音声のバランスが悪い事でしょうか。音声に比べて、
BGMの音量がかなり小さいです。TVのボリュームを上げれば
改善しますが、それではキャラ音声が大きくなりすぎてしまうので、
この辺の調整は何とかして欲しかったですね〜。
 
音楽(A)

音楽も世界観のイメージに合わせた美しい旋律で構成されています。
元々PC98の音源であった事を考えたら、かなりレベルが高いと思います。
SS版はCD音源にアレンジされているみたいですね。クリア後、思わず
エルフの公式ページで、サウンドトラックを通販してしまいました。(笑)

好きな曲は「ユーノ」「剣ノ岬」「愛」「運命」「去りし人」等々・・・。
どれもかなりの名曲揃いですので、サウンドトラックを購入しても損は無いと思いますよ〜。ちなみにゲーム中で音楽モードを開くには、
一回クリアして達成率100%にする事が必要なようです。
 
総合(S)

元々のオリジナルのPC作品を知らないので、SS移植版との違いを
比較する事は出来ないんですが、一番の変更点である18禁要素については、あまり気にならなかったですね。濡れ場なシーンは当然アレンジされて
ますけど、特に違和感とかは感じませんでしたし。不満点は上にも書きましたが、音声バランスが悪い事とアニメーションが荒い事でしょうか。(^^;)
「EVE」のSS移植版のアニメーションが綺麗だっただけに残念です。

今現在では、EVEのようにSS以外のコンシューマー機には移植されて
いないようなので、中古でSSを購入してでもプレイしてもらいたい作品の
一つですね。ADVの作品群の中でも抜きん出た名作だと思います。