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原発事故後の人の移動 位置情報で分析
5月9日 19時2分

原発事故のあと、福島第一原発の周辺にいた人たちがどのように移動したか、携帯電話の位置情報のデータを集めて分析したところ、放射性ヨウ素の濃度が最も高かった日に20キロ圏内に残っていたのはおよそ2000人だったとする研究結果を東京大学などのグループがまとめました。
被ばく量の推定に役立つとしています。

東京大学の早野龍五教授などのグループは携帯電話会社の協力を得て原発事故の前後8日間に、福島第一原発周辺で記録された携帯電話の位置情報の変化を1時間ごとに分析しました。
その結果、原発から20キロ圏内にいた人は事故前の推計7万6000人から、避難指示が3キロ圏内に出された直後の3月11日午後10時には6万4000人に、避難指示が20キロ圏内に拡大された直後の12日午後7時には1万3000人に減少したとしています。
大気中の放射性ヨウ素の濃度が最も高かった3月14日深夜からの24時間に20キロ圏内に残っていたのはおよそ2000人で、放射性ヨウ素が広がった地域を多く含む40キロ圏内では6万人がいたとみられるということです。
原発事故当時の人の流れをデータに基づいて明らかにしたのは初めてで、研究グループでは、放射性ヨウ素の試算と組み合わせれば、これまで分かっていない事故直後の被ばく量の推定に役立つとしています。
早野教授は「さまざまな専門家と協力して、初期の被ばく量の推定につなげていきたい」と話しています。

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