文科相が見解　高校無料化の所得制限、新１年生から

　下村博文文部科学相は１０日の記者会見で、高校無償化への所得制限を２０１４年度に導入した場合、対象を新１年生に限り、現時点で無償となっている生徒の負担は増やさない考えを示した。

　文科省内には、授業料無償を前提に進学先を選んだ家庭があり、高校在籍中に負担が増えると家計への影響が大きいとの意見が出ていた。

　文科省は、所得制限の世帯年収の線引きを８００万〜９５０万円の間で検討中で、９００万円を軸に調整する方針。

　下村氏は「財源を確保して低所得層の支援を充実する」とした上で「与党と協議し、地方の理解を得た上でなるべく早く導入したい」と１４年度からの所得制限導入に意欲を示した。一方で「時間的な制約があるので、場合によってはずらさざるを得ない」とも語り、先送りする可能性にも含みを残した。