2013年05月09日

ケン・デイビッド・マズアさん広島でタクト

広島交響楽団のコンサートに出演するため、ドイツ出身の指揮者ケン・デイビッド・マズアさん(36)が26年ぶりに広島市を訪れている。8日には中区の平和記念公園の原爆慰霊碑を訪れた。少年時代に反戦の思いを強くした被爆地での日本デビュー。平和への願いを込め、タクトを振る。
 1987年、10歳だったマズアさんは、世界的指揮者の父クルトさん(85)の公演に同行して広島を訪問。原爆慰霊碑に花を手向けた。「原爆の本当の被害は想像できないが、戦争は嫌だ」と強く思ったという。
 広響コンサート「音楽の花束〜広響名曲コンサート 春」(中国新聞社など主催)は10日に広島国際会議場(中区)である。若手指揮者を探していた広響の出演依頼をマズアさんは快諾した。
 7日に広島入り。翌8日、中区でのリハーサル開始前に当時の思い出を楽団員に語った後、原爆慰霊碑を訪れた。「ここは原爆被爆者の苦しみを感じた場所。自分の気持ちは昔と何も変わっていない」と振り返った。
 コンサートで指揮する3曲の中に、ベートーベンの交響曲第5番「運命」を入れた。「この曲は、最後に希望がみえてくる。原爆の惨禍から復興した広島に重ねたい」と語った。

広島交響楽団
http://hirokyo.or.jp/
posted by newsoku at 17:15 | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする