ギラード豪政権の中国に対する配慮は外交上の芝居?
オーストラリアのギラード政権が3日、新しい国防白書を発表したそうです。同白書では、米中両大国との関係が依然として国防戦略決定上の最大の要素と指摘し、「どちらか一方との関係を選択すべきではない」と強調。
同盟関係にある米国と、経済関係を深める中国双方との関係を重視する姿勢を打ち出したと毎日新聞が報じています。
記事を読む限りでは、ギラード政権が中国に対してオープンな政策を取っているように思えますが、一方で読売新聞は次のように伝えています。
「(豪政府は)太平洋海域で米中の角逐が深まる中、中国の挑発行為などに対する抑止力を高めるため、新型または改良型の潜水艦12隻の建造を目指す方針を示した」と。
要するに、2つとも同じ国防白書をめぐる記事なのに、180度違う視点で書かれているのです。オーストラリアは一見、中国に配慮した姿勢を示していますが、実は本音ではないのかもしれません。もし、中国に芝居を打つくらいに手慣れた外交ができるとしたら、それは見事だと思います。
確かに中国は、ビジネスにおいて手を結ぶべき相手なのは確かです。しかし政治は共産党一党独裁、経済は市場主義という一国二制度の国家体制であることを忘れてはなりません。
かつて、米国クライスラーが中国に進出した際にこんなトラブルに遭ったそうです。同社は生産調整によって対中輸出を拡大していましたが、ある時、突然車が売れなくなってしまいました。
担当者が現地へ確認に行くと、なんと数多くの新車がコンテナヤードに雨ざらしで放置されていた。詳細を調べたところ、中国政府が自動車ローンの審査基準を引き上げて消費者が車を買いにくいようにしていたことが分かったそうです。
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