「押し買い」業者 全国初摘発

5月9日 12時0分

山形県大石田町で高齢者の自宅を訪れて貴金属を買い取った際、解約できることなどを示した書類を渡さなかったとして、秋田市の業者の男が逮捕されました。
警察によりますと、貴金属などを強引に買い取るいわゆる「押し買い」を規制する法律がことし２月に施行されてから業者が摘発されるのは全国で初めてです。

逮捕されたのは秋田市の古物買取業、志賀直樹容疑者（２６）です。警察によりますと、志賀容疑者は８日、山形県大石田町に住む８２歳の女性の自宅を訪れて貴金属３点を買い取った際、「クーリング・オフ」と呼ばれる８日以内なら解約できることなどを示した書類を渡さなかったとして特定商取引法違反の疑いが持たれています。志賀容疑者は「古い物はありませんか」と言って家を訪れ、ネックレスなど３点を合わせて１万円で買い取ったということで、その後、女性の家族が「相場より安いのではないか」と思って警察に相談したということです。
調べに対して容疑を認めたうえで、「以前から東北地方を回って買い取りをしていた」と話しているということです。
業者が高齢者などの自宅を訪れて貴金属などを相場よりも安く強引に買い取るいわゆる「押し買い」を巡っては全国でトラブルが急増していて、ことし２月、売り手からの依頼がないと、業者は買い取り交渉をできないなどとした改正特定商取引法が施行されました。警察によりますと、法律が施行されてから業者が摘発されるのは全国でも初めてだということです。