UPDATE2: 米ディッシュ、スプリント買収でソフトバンクに負ければ会社売却も=会長
◎スプリント買収に失敗すれば、ディッシュ売却も=アーゲン会長
◎スプリントの買収コストがかさんだ場合、パートナーと組む可能性=会長
◎第1・四半期の加入者数純増数は3万6000人で、予想の6万8000人を下回る
[9日 ロイター] 米衛星放送サービスのディッシュ・ネットワーク(DISH.O: 株価, 企業情報, レポート)のアーゲン会長は9日、米携帯電話会社スプリント・ネクステル(S.N: 株価, 企業情報, レポート)の買収でソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)に負ければ、ディッシュ全体を売却せざるを得なくなる可能性もあると述べた。
ただ、買収合戦が激化してコストが一段とかさんだ場合、共に買収を行うパートナーを探すか、ディッシュの非中核事業を売却して資金を捻出する可能性もあるとも述べた。
スプリントは前年10月、ソフトバンクに70%株式を201億ドルで売却することで合意していたが、ディッシュは今年4月、スプリントに対し255億ドルでの買収を提案。買収合戦の様相を呈している。
アーゲン会長はアナリストとの電話会議で、「スプリント買収が失敗した場合、数多くの選択肢がある」とし、「周波数を売却する可能性がある。ディッシュ全体を売却することも考えられる。また、ワイヤレス事業で他の企業と提携することもあり得る」と述べた。
ただその上で、スプリントが最も望ましい買収ターゲットだと強調。「われわれの標的はスプリントだ」と語った。
同会長は、スプリントの買収コストがかさんだ場合に提携する可能性のあるパートナーについては言及しなかった。
ディッシュはスプリント買収に失敗した場合、Tモバイル(TMUS.N: 株価, 企業情報, レポート)など他の携帯電話会社とワイヤレス事業で提携する可能性がある。
しかし、アーゲン会長はスプリントがTモバイルに勝る選択肢だと指摘。規模の面や、スプリントが過半数株を保有するクリアワイヤ(CLWR.O: 株価, 企業情報, レポート)を通じて保有する周波数の量を理由に挙げた。
ソフトバンクの孫正義社長は、スプリントの株主に対し、ディッシュが同社を買収すれば、スプリントは多額の債務を抱え込むことになると警告。
これについてアーゲン会長は、デッシュは向こう数年間に債務レバレッジを低下させることができるとし、これよりも早い段階で債務を返済する必要が出てきた場合は、資産を売却して対処すると述べた。
ディッシュがこの日に発表した第1・四半期決算は減収減益。1株利益はアナリスト予想平均に届かなかった。
加入者数の純増数は3万6000人で、前年同期の10万4000人から減少。ストリートアカウントがまとめたアナリスト予想の6万8000人を下回った。
同社はケーブルテレビやインターネットビデオ事業者などとの競争にさらされており、アーゲン会長は事業の多角化に向けスプリントに買収を提案した。
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