児童ポルノ動画を1本ダウンロードしたとして、20代の男が警察に逮捕された。複数の児童ポルノ動画をダウンロードしたり、流通させたりしたというのではなく、1本ダウンロードしたというだけで立件されたのは初めてだ。警察が昨年10月に定められた「児童ポルノに関する取り締まり基準」を厳格に適用するようになったためだ。
ソウル江南警察署によると、会社員の男(25)は先月16日、ソウル市城東区の自宅で、インターネットのファイル共有サイトを利用し、児童ポルノ動画をダウンロードした疑いが持たれている。男は警察の調べに対し「動画を見た後、すぐに削除した」と供述したが、警察は「動画のタイトルを見た男が、児童ポルノであることを知りながらダウンロードしたとみられるため、処罰の対象となる」と説明した。
「児童ポルノに関する取り締まり基準」によると、児童ポルノであることを知りながらダウンロードした者は、保存せずすぐに削除した場合でも処罰の対象になるという。また、児童ポルノであることを知らずにダウンロードした場合は、すぐに削除せず保存すれば処罰の対象になる。動画だけでなく、児童や未成年者が登場する写真も同様だ。
警察の関係者は「『児童・青少年の性の保護に関する法律』では、児童ポルノを所持していた場合、2000万ウォン(約180万円)以下の罰金刑に処すると定めているが、より具体的な基準が必要なため、昨年10月に取り締まりの基準を設け、最近厳格に適用するようにした」と説明した。
警察は、カカオトーク(スマートフォン向け無料チャット・通話アプリ)や携帯電話のメールなどを通じ、児童ポルノが送られてきた場合、実際にダウンロードし保存すれば処罰の対象になるとしている。知人が送ってきたメールなどを開くだけでは処罰の対象にならないが、児童ポルノに関する内容が含まれている場合はすぐに削除すべきだというわけだ。
警察庁は先月1カ月間、児童ポルノを制作したり流通させたりした者に対し集中的な取り締まりを行い、1938人を検挙、うち6人を逮捕した、と8日発表した。