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医師と両立、7大陸挑む 奥穂高で滑落死の篠崎さん

(2013年5月9日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

登山家仲間 「若手のホープだった」

 岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳に続く白出沢(しらだしさわ)を8日に登山中、滑落死した産婦人科医の篠崎純一さん(49)=高山市松本町=は、市内の病院で院長を務めながら、世界の高峰に挑戦する登山家として知られていた。

画像2009年、インドネシア・ニューギニア島で登山する篠崎純一さん(右)=篠崎さんのホームページから

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 日本山岳会東海支部に所属。2009年にエベレスト登頂に成功し、国内で19人目の7大陸最高峰登頂者になった。山岳会の尾上昇会長(70)=名古屋市瑞穂区=は「若手のホープだった」と惜しむ。

 篠崎さんが隊長を務め、1995〜97年に17カ国29峰を巡った東海支部の環太平洋一周環境調査登山隊では、行く先々からメールや電話で連絡をくれた。尾上さんは「人懐っこい。高山に行くと呼び出して飲んだり。忙しくても、すぐに飛んできてくれた」と振り返る。

 東海支部長の小川務さん(68)=愛知県春日井市=は「用心深い男だから、こういう事故には遭わないだろうと思っていた。信じられない」と話した。篠崎さんが名古屋大医学部の学生で、大学の山岳部に所属していたころからの付き合いで、中国の天山山脈にも一緒に登ったという。「仕事と山登りを両立させている見本のような人だった。限られた時間の中で、高度な山登りをしていた」

 篠崎さんは8日午前8時ごろ、仲間と穂高岳山荘から西方の標高2700メートルの地点を登山中、直径20センチほどの落石に当たり、200メートルほど滑落。脳挫傷で死亡した。扇沢で日帰りの山岳スキーをする予定だった。

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