@PeacePhilosophy より
ずっと多忙でひと月近くブログ更新ができませんでした。これからも頻度は少なくとも高質な記事を掲載していきたく思いますのでよろしくお願いします。
今回は立命館大学経済学部教授の藤岡惇氏による重要寄稿です(リンク歓迎、転載希望の場合はinfo@peacephilosophy.com へ連絡を)。昨今の日本には核兵器保持も辞さないといった好戦的政治家が台頭してきていますが、皮肉なことに日本はテロ攻撃にもろい原子炉と使用済み燃料プールで列島を取り囲んでしまっています。沖縄・伊江島の土地闘争における非暴力抵抗でガンジーにもたとえられる故・阿波根昌鴻(あはごん・しょうこう)氏は「武器を持つものは武器にて滅ぶ 核を持つ者は核にて滅ぶ」と言いました。日本はまず国中の原子炉と使用済み燃料という核テロの大被害を被る危険性を除去する方法を考えなければいけないのではないでしょうか。核武装などと言ってマッチョに息巻いている人たちには、核保有国であろうがなかろうが誰にでも日本に核攻撃ができてしまう状況をどうするのですかと聞きたいですね。
軍事攻撃されると原発はどうなるか
藤岡 惇
ゆっくりと爆発する原爆=原発
1945年8月に広島に投下された一発の原爆のばあい、積んでいたウラン235の10-15%にあたる800グラムが核分裂しただけであったが、それだけで広島市を壊滅させ、年末までに14万人の命を奪うなど、すさまじい破壊力を発揮した。
標準的な原子炉のばあい、毎日3キログラムのウランを「ゆっくりと核爆発」させ、その熱で大量の水を沸騰させ、蒸気圧の力で巨大なタービンを回し、毎時100万キロワットの電力を生み出す。標準的原子炉は、一日につき4発の広島型原爆に相当する核物質を燃やして、電気エネルギーに変えてきたのだ。
1基の標準的な原子炉は、どれだけの核分裂生成物(死の灰)を生み出すのか。補修や点検があるため、年間9か月しか動かさないと仮定すると、このタイプの原子炉を1年間動かせば、広島型原爆を1千発、10年間動かせば1万発、20年間動かせば2万発を爆発させたに等しい「死の灰」が出てくるだろう。
2010年1月現在、世界で稼働中の原子炉は437基だったが、そのうち54基が日本国内で動いていた。日本の原子炉の平均発電容量は89.3万キロワット、平均の稼働期間は20年を超えているのだから、広島型原爆100万発以上を爆発させたに等しい量の「死の灰」(放射能の減衰までに数百年かかるものも多い)が、日本で生み出されてきたことになる。
原子力発電(原発)とは、「ゆっくりと爆発する原爆」にほかならないのだが、原子力という暴龍を飼いならすことは可能だという言説が大量にふりまかれた。その結果、「魔法のランプ」内に暴龍を閉じ込め、闇を照らすランプの電源として、安全かつ安価に利用できると、国民の多くは信じ込まされてきたわけだ。
「福一」で何が起こったのか
「福一」で何が起こったのか
2011年3月11日から15日の間に、168発の広島型原爆が爆発したのと同量のセシウム137が福島第一原発(福一)の1-4号炉の格納容器の外にまき散らされた。いくつかの幸運に恵まれたおかげで、福一の敷地外の大気や海に放出された放射性物質は、まだ貯蔵量の1%以下に留まっているようだ。
原子炉には2つの「アキレス腱」があることを福一の核惨事が明白にした。第一の「アキレス腱」とは、原子炉の冷却水を循環させてきた「外部電源装置」であり、ここが破壊され、全電源が断たれると、数時間後には核燃料の溶解が始まり、炉心溶融にいたることが明らかになった。
いま一つの「アキレス腱」は、原子炉格納容器の外側に置かれている各原子炉付属の6つの使用済み核燃料プールと1つの共用プールだ。原子炉の本体は、圧力容器と格納容器という強固なコンクリート壁で2重に守られているので、自然災害であれ、軍事攻撃であれ、相当に強い力が働かないかぎり原子炉本体を破壊するのは容易ではないだろう。しかし外部電源装置も7つの核燃料プールも、ともに圧力容器・格納容器の外側にあるため、軍事攻撃は難しくない。
米国の専門家たちが深刻に危惧したように、使用ずみ核燃料プールがとくに弱い部分だろう。共用プールを除くと、他のプールは建屋の上部に位置しているため、燃料プールの底に穴が開くと、核燃料棒を冷やす水が抜け落ち、核燃料棒の溶融が始まり、水素爆発などを誘発するだろう。
福一には2012年10月現在、12,729本の核燃料棒(うち使用済燃料10,921本、新燃料496本、5-6号炉に装填中が1312本)が貯蔵されている。4号炉の核燃料プールには、福一で貯蔵している核燃料棒総数の12.0%にあたる1533本の燃料棒が冷却貯蔵され、そこにはチェルノブイリの原発事故で放出された量の10倍に達するセシウム137が含まれている。セシウム137というのは半減期30年、福島の汚染レベルを左右する重要な放射性物質だ。その他の放射性物質も加えると、広島型原爆5000発分に相当する莫大な量の放射性物質が4号機の核燃料プールに蓄えられている。
加えて、4号炉の西50メートルの建物内には、縦29メートル、横12メートル、深さ11メートルの「使用済み核燃料の共用プール」(1997年10月に竣工)がある。収容上限は6840本であるが、すでに6377本が貯蔵されているなど、満杯に近い。4号炉の燃料プールに保管されている核燃料の4.2倍、1-3号炉と5-6号炉の燃料プールに保管されている核燃料棒4819本の1.3倍の燃料棒がここに貯蔵されている。福一に保管されている核燃料棒総数の半分(50.1%)がここに集まっているのだ。1)
「魔法のランプ」のガラスは宣伝されたほどには強靭ではなく、誤動作や天変地異があれば壊れてしまうということを、チェルノブイリに続いてフクシマの核惨事が証明した。
加えて「魔法のランプ」には、「アキレスの踵」があること、この踵を攻撃すれば、ランプは簡単に壊れてしまうことをフクシマははじめて明らかにした。「ランプの簡単な壊し方」がついに発見され、世界中の軍事集団が知ることになったわけだ。
原発が軍事反撃の絶好の標的となるのはなぜか
9月11日事件を口実にして、ブッシュ2代目政権は、反テロ地球戦争を戦うための「米軍再編」を実施した。冷戦期の遺産である宇宙利用技術、情報のネットワーク技術、精密誘導技術を活用して、新型の戦争システムを編み出そうとした。そのシステムは、「宇宙ベースのネットワーク中心型戦争」と呼ばれた。
その結果、米国の保有する軍用機の3割余は無人機となり、米本土の安全な空軍基地内から操縦され、軍事衛星編隊によって精密誘導された無人飛翔体がアフガン・パキスタンの地上の標的にたいして、ミサイルを放ってきた。オバマ政権発足以来、非戦闘地域での無人機攻撃は240件以上発生し、「テロ組織関係者」とされる2千人以上が、裁判もなしに突然、命を奪われてきた。多数の無実の市民や子どもたちが巻き添えになったこともあり、攻撃された地域や国の民衆と政府の怒りを買ってきた。2)
米国にかんする限り、宇宙の軍事利用は「宇宙の殺人利用」という新段階に入った。このような「宇宙ベースのネットワーク中心型戦争」のシステムを円滑に動かすためには、「盾」と「矛」、防衛兵器と攻撃兵器の双方が必要だ。「盾」の中軸が「ミサイル防衛」システム。「ミサイル防衛」と称してはいるが、実体は敵ミサイルを攻撃・撃墜する「ミサイル攻撃」兵器にほかならない。
「矛」の役割を担う攻撃兵器のグレードアップ戦略の中軸になりそうなのが、「無人宇宙戦闘機」の開発(たとえばX-37B)だ。「無人の宇宙戦闘機」とは耳慣れぬ用語だが、撃墜されないように進路や速度を自由に操れ、地上20キロ(航空機の航行上限)から100キロ(人工衛星の軌道の下限)までの空間(成層圏・中間圏)、さらには宇宙圏まで航行でき、世界のどの地点へも30分以内で到達できるという次世代ミサイルのこと。3)「矛盾」という熟語の語源になった古代中国の武器商人と同様に、新型の「矛」と「盾」とを同時に開発し、不安を煽って、同盟諸国に売り込もうとする「矛盾の商戦」が後に控えている。
ところで新型戦争システムを構築する上で、「弱い環」があることも浮かび上がってきた。宇宙衛星編隊、サイバー空間、それに核施設の3つがそれだ。4)なかでも新型戦争システムの現下の最大の弱点は、核施設、とくに原発だというのが、衆目の一致する認識となっている。米軍に抵抗する側にすれば、核施設の狙い撃ちこそが、もっとも容易で有効な反撃策だと考えるだろう。新型戦争に米国が注力すればするほど、米国とその同盟国の核施設を狙うことで、反撃しようとする動きが強まることは避けられない。
軍事攻撃を受けると原子炉は破壊される――中東の経験
イラクのサダム・フセイン政権は、バクダット郊外のアル・ツワイサ核施設に、フランスから輸入したオシラク原子炉を設置し、プルトニウムの濃縮を行おうとしていたのであるが、1981年6月7日にイスラエル空軍機によって破壊される事件がおこった。米国製のF14戦闘機8機が2つの編隊を組み、アラブ諸国のレーダーに捕捉されないように、地上30メートルの低空を時速670キロの速度で1100キロを飛行し、オタシク原子炉を破壊した。「オシラク原子炉のドームは火の玉を吹き上げて、轟音とともに最後の大爆発を起こした」という。核燃料を入れる前であったために、放射性物質の噴出は避けられたが、強固に作られたとされる原子炉の圧力容器であっても、爆撃されると簡単に壊れてしまうことが分かった瞬間であった。5)
その後、1987年11月にイラクがイランで建設中の原発を攻撃したし、1991年1月の湾岸戦争の際には、米軍が「イラクの原子炉に決定的損傷を与えた」と発表している。
2007年9月になると、シリア政府が東部のデルソールに建設中であった「施設」をイスラエル空軍機が爆撃・破壊する事件がおこった。翌年の08年4月に米国政府は、この施設は、シリアが北朝鮮の支援のもとで建設していた原子炉であり、核兵器開発が目的だったと述べ、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長も、11年5月24日に「この施設は原子炉だった可能性が濃厚」と指摘している。6)
2010年9月6日にはイスラエル空軍機が、再びシリアの首都ダマスカスの北東郊外に建設中の原子炉を核兵器材料(プルトニウム)の生産炉だとみなして、爆撃し破壊したし、最近では、核兵器の製造の最終段階に来たとされるイランの核施設を破壊するために、イスラエル軍が電撃攻撃を仕掛けるという情報がたびたび流れている。
これらの事例をみると、高性能爆弾(あるいはこれを搭載したミサイル)を使えば、原子炉本体を破壊できることは明らかだ。
なぜイスラエルやヨルダンでは原発の建設に積極的ではないのか
中東諸国のなかでイスラエルとヨルダンには油田が乏しいために、両国ともエネルギーの確保に苦労してきた。とくにイスラエルは、百発以上の核兵器、地上発射の核ミサイル、核ミサイル搭載の潜水艦と爆撃機という3本柱の核運搬手段をもつ「核大国」であり、高度な核能力をもちながら、発電用原子炉を1基も建設・稼働させずにきた。それはなぜか。地上に原子炉を建設すれば、軍事攻撃の絶好のターゲットとなることをイスラエル支配層が自覚していること、地下深くに原発を作ったとしても、軍事攻撃される悪夢を払えないし、コストアップとなると考えているからであろう。
これにたいして中東の親米国のヨルダンのばあい、首都アンマン近郊に原発を建設するとし、2014年初めに加圧水型原子炉の建設契約を結び、2020年に稼働開始という計画であった。原子炉の受注をめぐっては三菱重工とフランスのアレバ社の合弁企業と、ロシアの企業が競っていた。しかし2011年の「アラブの春」運動が軍事的騒乱に発展するにいたると、2012年5月13日にヨルダンの原子力委員長が「原発発注を3-4年延期することもありうる」と言明した。隣国シリアの内戦が激化すると、爆弾テロが波及し、原発が標的となることを懸念したからだと解説されている。7)
9・11事件の衝撃
2001年9月11日の同時多発テロ事件は、多くの謎を残す奇怪な事件であったが、少なくとも、つぎのことを明らかにした。すなわち民間飛行機をハイジャックして、軍事目標につっこむならば、民間機は「ミサイル」に変えることができるということだ。ハイジャック犯の乗っ取った「即席ミサイル」がニューヨーク市北郊のインディアンポイント原子力発電所に突っ込んでいたとしたら、世界貿易センタービル崩壊時の何百倍、何千倍もの被害が生まれたことだろう。
2001年9月11日の同時多発テロ事件以来、原子力発電施設はゲリラ勢力の格好の攻撃目標となると、国際原子力機構(IAEA)は警戒を呼びかけてきた。8)米国の原子力規制委員会(NRC)も、2002年2月に、原発に航空機が激突しても事故を拡大させない態勢づくりを国内の原発に義務づけた。この指令は、住民にパニックを起こさせないために非公開とされたが、対策を義務付けた行政指令の条項から、「B5b」と呼ばれている。『朝日新聞』の砂押博雄記者たちは、こう説明している。「B5bに基づいて06年にまとめられた指導文書によると、米国内の原発(104基)を対象に全電源喪失事故に対応するため、持ち運びできるバッテリーや圧縮空気のボトルなどの配備・・・を義務づけている。・・・日本の保安院は06年と08年に米国に職員を派遣し、NRC側からB5bに関する詳細な説明を受けた。・・・だが原発での全電源喪失やテロは『想定外』として緊急性の高い課題とは考えず、伝えていなかった」。9)
その結果、米国の各原発には150名の武装警備員が配置されているが、日本のばあいはゼロのままだ。10)オバマ大統領のよびかけで、2010年4月12-13日に米国の首都で、47カ国の代表を集めて、核テロ攻撃の防止策を話し合う初の「核保安サミット」が開かれた。国家だけでなく、いまや非国家の武装組織も、核物質や核爆弾の入手に全力をあげており、この事態を放置していては、彼らが小型核爆弾を使って、あるいは核物質を原材料にした粗製核兵器を用いて、要求を貫こうとする前夜にあること、この核テロこそが、現下の核危機のなかでも最大の緊急課題であるとオバマ政権が考えていることが浮き彫りとなった。11
原発ストレステストをめぐる欧州連合の攻防
2011年5月17日にドイツのレットゲン環境大臣が、「脱原発」のスケジュールを決めるにあたって、飛行機の墜落にたいする備えが不十分な原発を優先的に廃炉にしていくという方針を明らかにした。彼はこう述べた。ドイツには17基の原子炉があるが、そのうち「4基は小型機墜落への防護基準を満たしていない。残る13基すべても、大型機墜落への備えが十分ではない」と。12) 脱原発派の議員やオーストリア・ドイツなどは、原発のストレステストの実施にあたっては、人為的ミスや自然災害だけでなく、航空機の墜落への耐性やテロリストの軍事攻撃に見舞われた際の耐性という観点も含むように主張している。これにたいしてフランスや英国といった原発維持派は、このような軍事攻撃の可能性は少ないし、住民の不安を煽り、コストアップを招くとして、反対している。13)
日本のばあいはどうか
東芝の原発技術者であった小倉志郎さんといえば、福一の建設に際して、原子炉系の機器のエンジニアリングに携わった人。小倉さんは、『季刊リプレーザ』という雑誌(第3号、リプレーザ社、2007年夏号)に山田太郎の筆名で「原発を並べて自衛戦争はできない」という卓抜なタイトルの論文を書き、次のように述べた。「まず、一番先に知っておいてほしいことは、原発の設計条件に、武力攻撃を受けても安全でなければならない、などということは入っていないということである。・・・現在ある商業用原発55基は、いかに発電コストを小さくできるのかという経済性を最優先で設計されているから、武力攻撃を受けた場合、どうなるかは少なくとも設計上はわかっていない・・・。肝心の原子炉が停止の後に行わねばならない冷却は、武力攻撃を受けた場合にできるのだろうか。・・・(冷却系システムの)多くは、原子炉建屋の外の補機建屋、あるいは屋外にむき出しで置かれているものも多い。屋外にあるこれらの機器は、小さな通常爆弾でほとんどが破壊されるか、機能停止に至るであろうし、補機建屋などは、危機を風雨から護る目的で、武力攻撃に対する強度などはもっていない。・・・原子炉建屋内の使用済み核燃料の貯蔵プールはどうなるであろうか。燃料プールは、原子炉建屋の最上階にある。つまり燃料プールの上には、建屋の天井があるのみである。この天井は、その上に機械を設置しないので、天井自体の重さを支える強度しかない。つまりごく小さな通常爆弾に対しても無防備と言ってよいであろう。・・・
別のほとんど防御不可能な攻撃は、巡航ミサイルによる原発への攻撃である。これはレーダーに検知されない低空で飛んでくるもので、防ぎようがない。・・・自爆を覚悟すれば、ジェット戦闘機によっても巡航ミサイル的効果を得ることは可能である。仮想敵国の兵士が「自爆」を覚悟するほどの憎しみを日本に対して持つとすれば、こういう攻撃も可能性を否定できない。・・・最後に、次のことをおぼえておいてください。原発にたいする武力攻撃には、軍事力などでは護れないこと。したがって日本の海岸に並ぶ原発は、仮想敵(国)が引き金を握った核兵器であること。ひとたび原発が武力攻撃を受けたら、日本の土地は永久に人が住めない土地になり、再び人が住めるように戻る可能性はない」と。
地下深くに移設する可能性とコスト
「戦争や原発をターゲットにするテロ事件は起こりうる」ことを想定し、敵軍やテロリスト集団が原子炉を攻撃してきても、安全を保てるという条件がないかぎりは、原発は認めてはならぬという慎重論が、欧米では少なくない。敵のミサイル攻撃を受けても、それなりの耐性があるのは地下式原発であろう。冷戦下では「軍事司令部と同様に、原子炉は地下深くに設置すべきだ」という意見が強まり、1960年代には、地下埋蔵型の原子炉がスウェーデンでは2基、ノルウェイ・スイス・フランス・米国では各1基ずつ建設された。
日本でも、1975年に「原子力地下立地検討会」が通産官僚主導で作られ、その研究成果が82年1月11日付けの『読売新聞』で報道されたことがある。このような背景のもとで1991年に自民党内に「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」(地下原発議連)が結成され、会長に平沼赳夫議員、事務局長に山本 拓議員が就任した。14)ただし当時は、原発の安全性を信じる人が多く、地下式にすれば原発建設コストが、普通の原発に比べて1・5倍から2倍かかるというレポートもあり、地下式原発促進論は盛り上りに欠けた。東京電力自身、「地上でうまくいっているのに地下はやめてくれ」という態度を打ち出したこともあり、「地下原発議連」はスポンサーを失い、休眠状態に入る結果となった。
それが、福島第一原発の事故を受けて、息を吹き返した。11年5月31日に4人の首相経験者や与野党党首が顧問に名をつらねるかたちで、「地下式原発政策推進議員連盟」が再発足した。同議連の山本 拓事務局長は、メディアの取材に答えて、つぎのように述べた。「地下式原発は、事故が起きた時、放射能を容易に封じ込めることができる。ただ、当時は原発にたいする安全神話が非常に強く、議論が進まなかった。が、今回の事故で放射能漏れが起きた。では今後どうするかと考えた場合、地下につくるしかないのではないか。そこで・・・もう一度検討することになりました」と。原子力工学の専門家の宮沢慶次・大阪大学名誉教授も「確かに、地下原発は放射能の封じ込めが容易です。また耐震性に関しても地上よりも地下のほうが、揺れの影響が少ない。津波の心配もなく、テロへの対策もしやすい」と口をそろえた。
しかし軍事司令部とは異なり、原発のばあいは、大量の冷却水が必要であり、沿岸部に建設することが不可欠となる。このような海沿いの地下深くに、最新型のミサイル攻撃や核攻撃を受けても安全なレベルの原発を建設しようとすれば、どれほどの巨費が必要となるかは想像を絶する。とても地上型原発の建設コストの1・5倍から2倍では収まらないであろう。15)
福一の作業員として軍事要員が入り込む可能性
5年間で100ミリシーベルト、または1年間で20ミリシーベルトの被曝線量を浴びた作業員は、原発の仕事を続けてはならないという規制があるために、福一の事故収束作業から離れることになった作業員が2012年3月の段階で167名となった。ベテランの原発労働者から離職する状況のなかで、毎日3千人の現場作業員が必要とされる状況が福一では続いている。
もともと原発で危険な仕事に従事する作業員の確保は容易ではなく、暴力団関係企業から人材派遣をうけて必要人員を確保することが多かった。じっさい2012年秋に東電が調べたところ、福一で働く一般作業員2423名のうち47.9%にあたる1160名が、人材派遣業に雇われ、偽装請負の状況で働いていたことが判明した。16)
事故収束作業員のリクルートが困難となるにしたがい、軍事攻撃を意図した要員が作業員を装い、福一原子炉に接近することが容易となるだろう。関連して、福一をはじめ日本の原発は、不法侵入者の予知や摘発の仕事を2001年に設立されたイスラエルのテロ摘発を業務とする軍事企業のマグナ(Magna
B.S.P)社に委託しているという情報が流れているが、この点の真偽の調査も求められる。17)
福一4号炉の核燃料プールのゆくえ
軍事攻撃(テロ行為も含む)が行われた場合、もっとも攻撃されやすく、戦略的に大きなインパクトを及ぼすと予想されるターゲットは、やはり4号機の核燃料プールと次項で触れる使用済み核燃料貯蔵の共用プールであろう。4号機の核燃料プールは一定の応急措置はとられていはいるが、なお青天井に近いし、原子炉の格納容器の外にあるから攻撃されやすい。周辺海域を航行する漁船から短距離ミサイルを撃ちこまれたり、航空機が自爆攻撃をしかけたら、あるいは福一の作業員に扮した軍事要員が核燃料プールを攻撃したとしたら、4号機プールの冷却装置は簡単に破壊されるだろう。あるいはプールの底に穴が開くと、冷却水は落下し、冷却不能に陥るだろう。
2012年6月11日から15日にかけて、4号炉の燃料プールを守る応急措置として、縦11メートル、横13.7メートル、厚さ4センチで重さ60トンの鉄板をかぶせる工事が行われ、18) 同年10月12日からは、原子炉建屋南側最上部の壁を切断する作業が始まった。同年12月3日に開かれた政府・東電中長期対策会議の場で、プール内に貯蔵された1533本の使用済み核燃料の移送作業の開始時期を当初の2013年12月から同年11月中旬に早めるとともに、燃料移送のための容器を1台から2台に増やすことで、取り出し完了期間を当初予定の2015年末から2014年末に早めるようにしたいと東電は述べたという。4号炉燃料プールの将来に政府・東電がいかに深刻な懸念を寄せているかの現れであるが、1年前倒しが可能かどうかは未知数であり、注目していきたい。19)
使用済み核燃料の共用プールは安全か
4号機の核燃料プールには広島型原爆5000発分に相当する放射性物質が貯蔵されていることはすでに触れたが、4号炉の西50メートルのところにある使用済み核燃料の共用プールには、福一に貯蔵・装填されている12,729本の核燃料のうち、50.1%にあたる6377本が保管されている。共用プールのほうには、4号炉の核燃料プールの4.2倍にあたる放射性物質、広島型原爆に換算すると2万1千発分に相当する放射性物質が貯蔵されており、30度程度の水温で冷却されている。
もし共用プールの冷却機能が止まり、6377本の核燃料が溶融したとすると、あるいは爆撃されて、2万1千発分の放射性物質が吹き上げられたとすると、チェルノブイリの事例の比でないほどの深刻な核惨事が現出することになろう。
共用プールは、そのような重要な役割を果たすにもかかわらず、この施設の任務も所在地も、政府・東電は積極的に明らかにしない方針をとってきた。試みに、「福一の核燃料共用プール」でインターネット検索をしていただきたい。共用プールの真実の姿を政府・東電は一貫して隠そうとしてきたことに気付かれるであろう。
それはなぜか。味方の弱点――アキレス腱は、可能なかぎり、隠し通すことが戦争に勝つ秘訣だからだ。共用プールの重要性をテロリストや対立国に知られ、この施設が福一のアキレス腱にほかならず、軍事攻撃されると、一たまりもなく破壊され、日本国土がすさまじい放射能汚染に見舞われることを、敵側に感づかれることを政府・東電は懸念していたからであろう。
2012年6月25日に政府・東電中長期対策会議が開かれ、同年12月から共用プールから核燃料を取り出す作業を始め、2013年11月には半数の核燃料を取り出すという方針を決めた。20)これが実現するならば、福一のアキレス腱を人知れずに消していく作業の第一歩となることだろう。、
重度の心臓疾患を抱えた患者はマラソンを走る体力を失ってしまう。人の心臓を原子炉ないし核燃料プールにたとえてみると、冷却水は血液、冷却水を送るパイプは冠動脈だ。パイプが詰まると、心臓の発作や麻痺は避けられない。
それと同様に、日本という国はフクシマをかかえることで、もはや戦争ができない体になってしまった。このような体で戦争に立ち向おうとすると、原子炉や核燃料プールのなかの核物質の爆発と放出は避けられない。フクシマの核惨事を契機に、すでに客観的には、このような状況に入ったことを自覚する必要があろう。
軍事攻撃を想定して原子炉のストレステストをやりなおせ
イスラエルがイラクの研究用原子炉施設を爆撃した1981年の事件をうけ、日本の外務省が日本国際問題研究所(当時の理事長は中川融元国連大使)に原発への攻撃がなされたばあいの被害予測の研究を委託していたが、1984年2月に同研究所は、「原発攻撃のシナリオ」報告書をまとめ、外務省に提出していた。最近になってこの報告書を入手した朝日新聞の鈴木拓也記者は、つぎのような記事を書いた。報告書は①送電線や原発内の電気系統を破壊され、全電源を喪失したケース、②格納容器が大型爆弾で爆撃され、全電源や冷却機能を喪失したケース、③命中精度の高い誘導型爆弾で格納容器だけでなく原子炉自体が破壊されたケース、に分けて被害を予想した。それによると②のケースが起こっても、緊急避難を怠ったばあいは、平均3600人、最大1.8万人が急性死亡し、住めなくなる地域は平均で周囲30キロ圏内、最大で87キロ圏内となると予測した。仮に③のケースが起こったならば、「さらに過酷な事態になる恐れが大きい」と記した。ところが「反原発運動への影響を勘案」して、「この報告書は部外秘とされ、50部限定で外務省内のみに配布し、首相官邸や原子力委員会にも提出せず、原発施設の改善や警備の強化に活用されることはなかった」。21)
原子炉への爆撃対策は、その後もほとんど手つかずのままだ。鈴木記者はこう続けている。「警察庁は2001年の米同時多発テロを受け、国内の全原発に訓練を受けた警備隊員を配置。2年に1回程度、テログループの侵入を想定した警察と自衛隊の共同訓練を実施している。青森県六ヶ所村の再処理工場は近くに米軍三沢基地があるため、設計段階で米国の研究所に施設の鉄筋コンクリートと航空機の衝突実験を依頼し、衝撃に耐えられる強度を設定した。だが原子力安全・保安院は『原発と航空機衝突の可能性は極めて低い』として対策を講じていない。再処理工場の衝突実験もエンジンがかかった状態での墜落までは想定していない。まして爆撃やミサイル攻撃などの対策は手つかずだ」と。22)
医師で広島県医師会長を務める碓井静照さんも、こう説いている。「原発の場合、コンクリート製の建屋外部遮蔽壁の厚さは1-2メートルとされるが、DC10など百トンを超える大型旅客機の衝突で、少なくとも1・3メートル程度までのコンクリート壁は破壊される」、他方「日本の原子力施設で唯一航空機の墜落を想定しているのが、青森の日本原燃六ヶ所再処理工場だ。航空自衛隊の訓練地域から10キロメートルしか離れていないから、約20トンの戦闘機衝突にも耐えられるように設計されている」。23)
自衛隊陸将補であった池田整治さんがプロの目から警告しているように、朝鮮戦争が再開されると、丸裸状況にある福島第一、とりわけ格納容器外に置かれている6つの核燃料貯蔵プールと共用プールとは絶好の標的となるだろう。24)このような軍事攻撃が発生したばあいに、日本の原子炉は、どの程度の耐性をもち、どの程度安全なのかという問いをたてて、ストレス検査は行われる必要がある。
「宇宙の火」降下の本質の直視を
「宇宙の火」(核反応エネルギーの火)を司ってきた「核の天龍」は、地球生命圏に降下することで、親(原爆)と子(原発)という双頭の顔をもつ「核の暴龍」となって、地表でとぐろを巻く時代が始まった。この出生の物語をハワイ在住の画家の小田まゆみさんが、的確に描いている(付図を参照)。原発推進勢力は、頭部の双頭のところだけに視野を限定し、「平和のためのアトム」と「戦争のためのアトム」とは区別でき、分離できると宣伝してきた。
この点に触れて、フランスの海洋学者で冒険家でもあるジャック=イブ・クストーは、1976年5月の国連の会議で次のように警告した。「平和的な原子と好戦的な原子とを長期間分離しておくには、私たちは、あまりにも国家感情が強すぎますし、強烈な攻撃性を克服できていません。平和目的の原子だけを抱きしめながら、戦争目的の原子を憎むことなど、できないのです。私たちが生き延びようとするならば、両方とも棄てさることを学ばねばなりません」と。
資本主義の苛烈な競争の現実、および私たちの人間的発達の状況をリアルに直視するならば、やはりクストーが説いたように、双頭の龍を2つの龍に切り裂き、分離することは、現状では不可能ではないか。私たち人間は、「宇宙の火」を制御できるだけの高みに達していないという現状を謙虚に、かつ正確に見据えよう。
「宇宙の火」というのは核反応にもとづいているため、いったん燃え出すと、数万年も消えないのであって、、ニュートン力学の次元を超えた現象だ。にもかかわらず、ニュートン力学次元の技術を用いて制御すれば、安全に利活用できると人々は思わされてきた。いったん破綻すると、「カタストロフィ」(影響が時間的にも空間的にも無限定に広がり、制御不能となるタイプの破局)となるにもかかわらず、「リスク」(管理が可能なタイプの危機)であるかのように「錯覚」させ、「リスク管理」という従来型手法を用いて対処できると思わされてきたと言ってもよい。25)
「核の時代」とは、人が戦争を絶滅しないかぎり、戦争のほうが人を絶滅させる時代のことだが、このような核爆発(放射性物質の爆発的な放出を含む)を引き起こす能力を一群の核大国の独占から開放し、すべての政治・軍事勢力に平等に与えたことが、フクシマの最大の意味であった。
第一次世界大戦の惨禍が国際連盟とパリ不戦条約を生みだし、第2次世界大戦の1945年1月までの惨禍が国際連合憲章を生みだし、広島・長崎の核の惨事が国連憲章を超えた高みをもつ日本国憲法9条を生みだしたとすれば、フクシマの惨事は原発があるかぎり、どんな政治・軍事集団であれ、多少の冒険(自爆攻撃など)を覚悟しさえすれば「核爆発誘発能力」をもつという新しい時代の到来を告げた。
日本を「東アジアのイスラエル」に変えてもよいのか
「中国や北朝鮮の膨張や侵略を抑止してもらうために、日米安保条約も在日米軍基地も必要ではないか、米軍の傘がないと不安だ」と考えている日本人は少なくない。現段階では沖縄をのぞけば、むしろ多数を占めているのかもしれない。
しかし東アジアだけにとどまらず世界全体に睨みをきかす「米国の軍事拠点」としての位置を、在日米軍基地は与えられてきた。米軍にとっての日本の位置というのは、中東におけるイスラエルの位置と似ているし、日本の軍事的台頭をそのように見なす人々は東アジアには少なくない。在日米軍を「日本における妖怪=軍国主義勢力の復活を抑止する『びんの蓋』だ」とみる人々をあわせるとむしろ多数派を占めていることを、私たちは自覚しておいたほうがよい。
ただし日本とイスラエルの間には、一つの相違がある。イスラエルはアラブ民衆からの敵意を正確に認識し、地下式も含めて1基の原発も設置してこなかったが、日本のばあい、こと原発にかんしてはコスト削減のために、「憲法9条があるから原発への軍事攻撃など想定外」とみなして、支配層が率先して「平和ボケ」をあおってきた経緯があることだ。その結果、軍事攻撃されたら容易に破壊されるタイプの原発を地上に54基も建設し、広島型原爆100万発分に相当する「死の灰」を地上に蓄えてきたわけだ。
日本の原発のテロ対策をイスラエル企業のマグナ(Magna
B.S.P)社に委託しているという説もあるが、このような背景のもとで「日本のイスラエル化」を推進するとすれば、どのような結末を迎えるのかを想像する直観力が、いま切実に求められているのではないか。
真実の共有と和解・共生を
今から93年前の1919年3月5日に、朝鮮半島に広がる3・1独立運動の報を聞きながら、孫文の良き支援者であった宮崎滔天は、こう書いた。「朝鮮彼の如く、支那此の如く、・・・嗚呼、何らの不祥事ぞや、今や我国に一つの友邦無し。・・・罪を軍閥にのみ帰するなかれ、総て是れ国民の不明に基づくの罪なり。国民今に於いて自覚せずんば、遂に亡国あるのみ」と。26)
滔天が予想したとおり、2か月後の1918年5月4日、ベルサイユ講和会議で戦勝国日本への山東省譲渡が決まったとの報道に怒った北京の大学生約3000人が、「反日デモ」を繰り広げた。いわゆる5・4運動の開始であるが、この運動は瞬くうちに各地に飛び火し、日貨排斥運動が中国全土に広がった。
日本帝国による朝鮮統治の不当性を認め、朝鮮独立運動の志士たちへの弾圧を日本政府(天皇)は公式に謝罪してほしいという見解を2012年8月14日に韓国の大統領が述べ、日本軍「慰安婦」や竹島(独島)の帰属問題とも重なって、南北朝鮮で野田内閣への批判が高まった。その1か月後の12年9月になると野田内閣が発表した尖閣諸島の国有化措置をきっかけとして、再び中国全土で日貨排斥運動の嵐が吹き荒れたことは記憶に新しい。
仮に福一から大規模な核物質の再放出が起こり、東京圏の全住民が圏外に避難する必要に迫られたとしよう。このような可能性は、今も相当の確率で存在する。東京圏には3500万人が住んでいるし、2歳未満の乳幼児とその母親、および妊婦など、遠距離避難が切実に求められる「放射能弱者」層だけで数百万人にのぼるだろう。風上の地に彼らを避難させようとすれば、結局は、私たちの父祖の故郷――2千年前に弥生人たちがやってきた朝鮮半島と台湾・中国大陸に避難させてほしいと両国に頼むしかないのではないか。
今帰属先をめぐって憎悪の炎が燃え上がっている尖閣(釣魚)列島と竹島(独島)とは、あわせても6.48平方キロしかない。ソ連に返還を求めて係争している北方4島は5036平方キロだから、面積はその0.13%、日本の国土面積と比較したばあい、その5万8千分の1にすぎない。尖閣(釣魚)・竹島(独島)問題は当面は、北方4島並みに棚上げし、父祖の出身地たる「西方浄土」の地に乳幼児と母子とを緊急避難させてもらえる関係を築いておくことのほうが大切ではないか。
今から65年前、原爆ドームの深い影を背負って、アジアの2千万の戦争犠牲者と被爆者の血と脂を墨にして、日本国憲法9条が起草されたとすれば、福一で無残に破壊された4基の原子炉の深い影を背負うことで、憲法9条が新たな生命力を獲得する時代が始まったように思われる。
藤岡惇(ふじおか・あつし):
若いころは、コミュニティの自尊と自治の能力を育むような「開発」のありかたを求めて、「米国内の第3世界」と呼ばれていた南部地域の経済開発と公民権運動の調査研究にとりくんできた。住民参画型の調査を志したので、米国の草の根NGOに随分お世話になった。その成果は、2つの著作ーー『アメリカ南部の変貌』と『サンベルト米国南部―分極化の構図』(いずれも青木書店)にまとめられている。その後、冷戦期の核戦略を主軸にした軍拡が、どのように米ソの経済を荒廃に追い込み、「冷戦の勝者はじつは日本」といった評価を生み出したかの研究に転じた。ソ連解体後に、米国がいかに「日本の経済力の封じ込め」戦略に転じ、軍事技術の「含み資産」を商業世界に開放し、経済覇権の回復に役立ててきたかを、米国の宇宙空間とサイバー空間の支配戦略を軸にして研究している。社会派エコロジストとしての視点から、人間ー自己中心主義の極ともいうべき「宇宙軍事化」の動きをどのように自然と人間を中心にした持続可能な平和経済づくりの方向に転換したらよいかについても、世界のNGOの人たちとともに研究している。毎夏日米の学生たちが、広島・長崎の地で、核の時代の意味と平和な世界づくりの道を探究しあっているが、この国際交流プログラムの世話もしてきた。1970年京都大学経済学部を卒業、経済学博士(京大)。 '79年本学へ。山歩きとジョギングが趣味で、好んで比良山系を歩く。当ブログの過去の藤岡氏による投稿
藤岡惇: 福島で進行中の核の大惨事をどう見るか ― 「双頭の天龍」を地球生命圏に降下させた危険を見据えよう (英訳は The Asia-Pacific Journal: Japan Focus に掲載)
米国はなぜ2発の原爆を投下したのか
注
1)福島県庁のホームページ内の「原発の状況」、『読売新聞』2011年3月18日。
2)『朝日新聞』2012年8月14日。
3)たとえばX-37B
“Space Plane”:Still No Clear Mission,at a High Price, Union of Concerned
Scientists,Nov.2012.
4)宇宙衛星の防護の弱点については藤岡 惇『グローバリゼーションと戦争――宇宙と核の覇権めざすアメリカ』、サイバー戦争のしくみとリスクについては、リチャード・クラークほか(北川知子ほか訳)『世界サイバー戦争――核を越える脅威』2012年、徳間書店を参照してほしい。
5)ロジャー・クレイア(高沢市郎訳)『イラク原子炉攻撃!――イスラエル空軍秘密作戦の全貌』2007年、並木書房、247ページ。
6)『時事ドットコム』2011年5月25日付け。
7)『朝日新聞』2012年5月15日。
8)ヘレン・カルディコット(岡野内 正ほか訳)『狂気の核武装大国アメリカ』2008、集英社新書。
9)「SAPIO特集―世界原発戦争とテロの交差」『SAPIO』2011年6月15日号、8-9ページ。『日本経済新聞』2012年1月16日。
10)『朝日新聞』2012年5月3日。
11)『朝日新聞』2010年4月13日。
12)『朝日新聞』2011年5月18日。
13)今井佐緒里「原発ストレステストをめぐる欧州連合の攻防」『世界』2012年6月号、204-213ページ。『朝日新聞』2011年5月26日。
14)山本 拓『地下原発―共存のための選択』1992年、文明堂書店。
15)「こんなご時世なのに動き出す『地下原発議連』の思惑」『週刊新潮』2011年5月19日付け、28ページ。
16)『朝日新聞』2012年12月4日。
17)「福島第一原発にイスラエルの会社の『謎』」『週刊現代』2011年5月22日号。
18)『日本経済新聞』2012年6月9日・6月16日(夕刊)。
19)『Days
Japan』2012年12月号、9ページ。『日本経済新聞』2012年11月27日。
『産経新聞』2012年12月4日。
20)『共同通信』2012年6月25日。
21)『朝日新聞』2012年7月31日。
22)『朝日新聞』同上。
23)碓井静照『放射能と子ども達』2012年、ガリバー・プロダクト。
24)池田整治『原発と陰謀』2011年、講談社、25-31ページ。
25)関 曠野「ヒロシマからフクシマへ」『現代思想』2011年5月号。
26)和田春樹「東北アジアの隣人と新しい関係を築こう」『世界』2011年6月号、110ページ。
3 comments:
原発が軍事攻撃の対象になるというのはその通りだと思います。
ただ、日本を敵視する国なり組織なら、原発を攻撃する前に、建設段階で爆弾を建造物の内部に仕込んでおくということもあるわけで、日本の原発、すべて解体して調べる必要があるでしょう。
マグナBSPと福島第一原発との関係をイスラエルのメディアが事故直後に指摘しています。
1)エルサレム・ポスト
http://www.jpost.com/Defense/Article.aspx?id=212168
2)ハーレツ
http://www.haaretz.com/print-edition/news/israeli-firm-which-secured-japan-nuclear-plant-says-workers-there-putting-their-lives-on-the-line-1.349897
「さっそくのコメントありがとうございます。
日本とイスラエルとの関係、わたしも関心がありますので、注視していきたいと思います。櫻井さんのご本も手元にありますので、勉強させていただきます。
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