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巨人が変だ。７日の阪神戦は先発・杉内俊哉投手（３２）が３本塁打を被弾し、０―５と完敗。本拠地・東京ドームで今季初の連敗を喫した。それでも貯金１２で、２位阪神とは３・５ゲーム差。数字的には慌てる必要もないが、なんとも気がかりなのが降ってわいた“松井監督騒動”にまつわるチーム内の動揺だ。シーズン中でありながら公然と「次期監督」が取りざたされる異常事態には、原辰徳監督（５４）への同情論も飛び出している。
試合後の指揮官は、吐き捨てるように「見ての通りだね。ランナー出ればダブルプレーではなかなかかみ合わなかった」とぼやいた。先発の杉内は８回４安打ながら、そのうち３本が本塁打で５失点。打線も４月１７日の対戦でＫＯしたスタンリッジを攻略できず、２年ぶりの完封勝利をプレゼントしてしまったのだから無理もない。ただ、そんなことよりも心配なのが、チーム内の動揺だ。
５日に東京ドームで行われた長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の国民栄誉賞授与式と前後して、各メディアは松井氏の去就に関する報道合戦を展開。ファン以上に同氏の巨人復帰を熱望している渡辺恒雄球団会長が、今後について松井氏と「近く話す」と明言したことから騒動は一気に過熱した。
「監督」や「ヘッドコーチ」などの具体的なポストまで飛び交い、さながらストーブリーグの様相を呈している。選手だって気にならないはずがない。
「本来なら首位独走で落ち着いてシーズンを戦えるはずが、いきなり“松井監督”でしょう。選手たちのメンタル面も心配だよ」とは球団関係者。腰を据えて戦うどころか公然と次期監督人事が取りざたされていることで「では原監督はどうなるのか？と心配する声もある。どうしても浮ついたところが出かねない」（同）。松井監督の誕生は原監督の退陣を意味するだけに、不安が広がっているというのだ。
他を圧倒する戦力で開幕から首位に君臨している巨人だが、何をきっかけに歯車がかみ合わなくなるか分からない。チーム内の動揺が収まらなければ、ライバルに足をすくわれる可能性だってある。２位阪神との３・５ゲーム差は、決して安全圏ではない。
すぐに終息する話題ではないだけに、巨人ナインの落ち着かない日々は続きそうだ。
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