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政治
ベトナムへの巡視船供与で軍事支援の壁「軍と海上警察、分離を」異例の打診へ
政府が月内にもハノイで開かれるベトナムとの海洋安全保障協議で、ベトナム人民軍の一部局である海上警察の分離について検討を打診する方針を固めたことが7日、分かった。ベトナム側の求める巡視船供与にあたって両国政府は政府開発援助(ODA)を利用する意向だが、日本側が軍組織へのODA供与を禁じているためだ。外国政府に統治機構の改編を提案するのは極めて異例だ。
友好国への軍事的支援を行う場合の国内でのハードルの高さが、改めて浮き彫りとなった。
日越海洋安保協議は今回が初会合で、日本側から外務、防衛、海上保安庁の担当者らが出席。ベトナムやフィリピンが中国と領有権を争う南シナ海問題や海賊対策、捜索・救助などについて意見交換する。ベトナム側は南シナ海での警戒・監視や海賊対策のため、中古巡視船10隻の供与を要請。日本側は戦略的ODAの一環として、ベトナムの要請に応じ新造船を供与する方向で検討している。
しかし、ベトナムの海上警察は軍組織であり、ODA大綱は軍組織への供与を禁じている。「このままではODAは利用できない」(外務省幹部)のが現状で、海上警察を人民軍から切り離すことを含め、組織改編に関するベトナム側の意向を探ることにした。
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