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国際
【石平のChina Watch】本当に恐ろしい「民間版中国夢」
このとんでもない「中国夢」の背後には、より大きな「青写真」がある。もしハワイが中国軍の軍港となってしまった場合、東シナ海や南シナ海を含めた西太平洋全体が完全に中国軍の支配する「内海」となるのだ。
そういう意味では、この「中国夢」は、もはや「荒唐無稽」の一言で片付けられるようなものではない。習政権が掲げている「海洋強国建設戦略」の背後に隠されている大いなる野望は、まさにこの「民間版中国夢」のわずか1行によって語り尽くされているような気がする。
中国のこのような野望が実現されることとなれば、太平洋に囲まれた島国の日本は一体どうなるのか。実は、上述の「中国夢」の項目のひとつに日本のことも出ている。いわく「日本列島で未曽有の大地震が発生、生存者無し」というものだ。
この項目を読んだとき、私は激しい戦慄を覚えずにはいられなかった。多くの中国人が「中国夢」のひとつとして、日本民族全員が大地震で死んでしまうことを待ち望んでいるというのである。
ここまで来ると、「日中友好の未来」にはもはや絶望するしかないだろう。
それにもまして、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」うんぬんというわが日本国の現行憲法の前文がことさらに、ばかばかしく思えてくるのである。
一部の中国国民と指導者が見る陰険にしてふざけた「中国夢」を、ただの「白日夢」に終わらせるためには一体どうすればよいのか。それこそがわれわれにとっての問題なのである。
◇
【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
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