参院:川口順子氏の解任可決 常任委員長では初
毎日新聞 2013年05月09日 11時01分(最終更新 05月09日 12時33分)
参院は9日午前の本会議で、国会の許可がないまま中国出張を延長し委員会が中止となったとして野党7党が提出した自民党の川口順子(よりこ)環境委員長の解任決議案を、野党の賛成多数で可決した。常任委員長が決議によって解任されるのは衆参両院で初めて。
本会議の討論で民主党は「委員長としての職責を放棄した」と批判。自民党は滞在延長を「国益に貢献する大きな意義があった」と反論した。採決では決議案を提出した民主党など7党に加えて新党改革も賛成に回り、野党全党が賛成した。
参院では、常任委員長は国会開会中は海外渡航を自粛する取り決めがあり、議院運営委員会が特別に認めた場合に渡航が許可される。
川口氏は4月23、24の両日の許可を受けて中国に渡航。渡航中に楊潔※(よう・けつち)国務委員と会談できる可能性が出てきたとして、渡航延長を求めた。野党側は認めなかったが、川口氏はそのまま中国滞在を延長し、25日の環境委が中止された。野党側は今月7日、解任決議案を提出した。
解任決議の可決を受けて川口氏は国会内で記者団に「野党が国益の議論もせず、数を頼りに党利党略で委員長解任を行った。解任という国会の判断は理不尽だ」と野党を批判した。
川口氏は旧通産省出身で、民間登用で環境相、外相などを歴任。05年10月の参院神奈川補選で初当選した。【高橋恵子、念佛明奈】
※は竹かんむりに褫のつくり