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福井「ワンダーランド」ずさんな安全管理浮き彫り「ベルト緩かったかも」

 福井県坂井市の遊園地「ワンダーランド」のジェットコースターから福井市の小学1年男児(6)が転落し重傷を負った事故で、男児の落下防止ベルトを締めた男性係員が「ベルトが緩かったかもしれない」と話していることが7日、県警への取材で分かった。

 事故は発生から1週間がたった。同園は別の遊具を県に建築確認を申請せずに稼働させていたことも明らかになり、ずさんな安全管理体制が事故を招いた疑いが浮上している。

 県警によると、事故は4月30日午前11時15分ごろ発生。2人乗りジェットコースターの前の席から男児が約4メートル下の地面に落下。腹部を強打して肝臓の20%が挫滅し、肋骨を折る大けがをした。

 後部座席に男児の姉(9)が乗ったカートはそのまま乗降口に到着。姉はベルトを装着した状態ですり抜けて座席から降りてしまった。その様子を目撃した男性係員は「ベルトが緩かったかもしれない」と話しており、そもそもベルトが落下防止の機能を果たしていなかった疑いがある。

 前の座席は腰回りに掛けるベルトで、後部座席は肩から腰にたすき掛けするベルト。走行中も取り外しが可能で、事故後、消防が到着したときは、前の座席のベルトは外れた状態だったという。

 同じコースターで1997年と2002年、07年、保育園児が転落するなどの事故が起きており、県警は今回、事故の翌日に業務上過失傷害容疑で、同園を経営する関山観光(同県あわら市)を家宅捜索。国土交通省も昇降機等事故調査部会の専門委員らを派遣した。

 県警はコースターに土のうを載せて試験走行。男児が落下したとみられるカーブ付近でベルトがないと投げ出されるほど強い力が乗客にかかる可能性があることが分かった。

 また、男児は利用制限の身長110センチを超えていたが、同乗者が必要な120センチ以下。男性係員は「姉は130センチあり同乗者として大丈夫だと思った」と説明した。県警は、園側の職員への安全面での指導が不十分だったことが、係員の判断に影響した可能性もあるとみている。

 遊園地は昨年、コーヒーカップなど七つの遊具を建築確認申請せずに稼働。県の使用停止の指導にも応じず、県は今回の事故を受け「安全管理の認識が足りない。悪質だ」として強制力のある使用禁止命令を出した。

 県警も同容疑での書類送検に向け、事故原因の解明を進めている。

[ 2013年5月7日 18:55 ]

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