(セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)阪神・和田監督は顔を紅潮させながら三塁ベンチ裏に現れた。チーム一丸での巨人粉砕。第一声が選手たちへの称賛だった。
「3連戦、選手が頑張ってくれました」
2007年9月7、8、9日以来、6年ぶりに東京ドームでカード3連勝。劇的勝利は福留抹消にともなって緊急昇格させた田上が足で魅せ、桧山が完全復活だ。「本当に苦しかったと思う」と神様の苦悩に言葉を詰まらせた。
先発・榎田が悪いなりに「0」を刻んだ。伊藤隼は八回に均衡を破る2ランを放ちながら、九回の守備で“地獄”を味わいつつも、踏ん張った。開幕から独走していた巨人とついに2・5差に肉薄。タクトもさえ渡り、昨季、1勝9敗2分けと鬼門だった場所でのカード3連勝だ。
「この気持ちを次の試合も同じように戦えるように向かっていきたい」
今季3度目の3連勝で貯金は今季最多の「6」。就任2年目。指揮官の勝利への執念が、確実に選手に浸透している。
(阿部 祐亮)
(紙面から)