【木村聡史】JR東日本の冨田哲郎社長は8日の会見で、来年4月に予定される消費増税に合わせ、現在の10円単位の運賃から1円単位への変更をめざす考えを表明した。「平等に増税分を転嫁でき、望ましい」と述べ、今夏にも国土交通省に認可を申請する考え。
1円単位の運賃は、消費増税分を転嫁しやすくする目的だ。「Suica(スイカ)」など交通系ICカードの利用に限る。過去の消費増税では10円単位で四捨五入し、値上げと据え置きの区間があった。1円単位なら距離に応じた上乗せがしやすい、という。
ただ、券売機で買う切符の運賃は10円単位のままにする。券売機は1円と5円が使えず、交換すると膨大な費用がかかるためだ。カードとの「二重運賃」になり、冨田社長も「利用者にどう納得してもらうかが課題だ」と述べた。国交省は「運賃の差が数円なら公平感はある程度保てる」(担当者)との見解だ。今後、JRと国交省で協議を進める。1円単位の運賃は、「PASMO(パスモ)」を使う首都圏の私鉄各社でも検討中だ。
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