ゴールデンウイークの谷間の4月30日午前7時過ぎ、JR和歌山線の粉河発和歌山行き普通列車内で、驚きの痴漢事件が発生した。
通勤のため、対面タイプの4人乗りボックス席の窓側に座っていた紀の川市に住む女性のスカート内に、隣に座る小川容疑者の手が伸びてきたのだ。遠慮などない。手は女性の太ももや腹をはい回ったという。
痴漢行為を働いていたのは小川容疑者だけではなかった。電車の出入り口付近に立っていた男が女性の背後から手を伸ばし、胸を触ってきたという。
女性が「やめてください」と言うと、立っていた男は途中の駅で下車した。ところが、小川容疑者はやめない。約20-30分、痴漢行為を続けた。そして、電車が終点の和歌山駅に停車すると、女性は小川容疑者の腕をつかんで駅員に引き渡し、逮捕に至った。
小川容疑者は「痴漢をしたい人と、されたい人が出会うインターネットのサイトを見てやった。サイトで女性から電車の時間と車両を指定された」と供述。しかし、女性は「サイトを利用したことはない」と全面否定している。
和歌山東署によると、小川容疑者が利用したとみられる痴漢プレー掲示板には「和歌山線で痴漢してくれる人いませんか」などの書き込みがあり、座っている車両も指定していた。途中駅で下車した男もこのサイトを利用したとみられる。この掲示板の自称管理人は「逮捕者が出ました」などと書き込むなど、騒ぎが広がっている。
女性は通勤時、いつも同じ席に座っていたという。同署はこの習慣を知る人物が成り済ましたのではないかとみて、調べを進めている。
(紙面から)