猪木からチームへの闘魂注入を熱望した楢崎=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)
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名古屋グランパスのGK楢崎正剛(37)が8日、アントニオ猪木(70)によるチームへの闘魂注入を熱望した。グランパスはリーグ戦ここ4試合で勝ち点1しか奪えず、チームの雰囲気はよどみ気味。この状況を打破する策を問われた守護神は、「師匠に元気を注入してもらうしかない」と答えた。時を同じくしてクラブ内でも猪木招聘(しょうへい)案が浮上しており、実現すればまたとない援軍となる。
燃える闘魂がない。ここ4試合で勝ち点1、ナビスコ杯の敗退も濃厚となり、すっかり元気をなくしたグランパス。この状況を打破するために、6日の仙台戦でJ1通算最多出場を更新した守護神が思わぬ提言を発した。「特効薬が欲しいですよ。即効性のあるやつがね。もう師匠に元気を注入してもらうしかない」。熱望したのは、猪木のビンタによる闘魂注入。本心とも冗談ともつかぬ表情で、わらにもすがりたい思いをにじませた。
楢崎は猪木を「師匠」と呼ぶほど筋金入りのファン。日本代表では2000年のアジア杯や、02年日韓W杯など、「1、2、3、ダー!!」という物まねでチームを盛り上げてきた実績もある。「『元気があれば、なんでもできる!!』という師匠の言葉を思い出したい」。効き目は一時的かもしれないが、猪木の存在は空気を変える。
それほど、チーム状況は深刻だ。「ミスをした後にそれを挽回しようというエネルギーよりも、『なんでしてしまったんや』『ダメでしょ』みたいな雰囲気になる」と楢崎。懲罰的な選手交代により挽回の場も得られず、選手たちのメンタルはミスを恐れる方向に傾いている。こんなときこそ、「危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし」という猪木の名言を思い出したいところだ。
楢崎の願いを知ってか知らずか、クラブ側も猪木招聘の道を探っている。まだ具体化していないが、猪木サイドとはすでに接触。ホームゲーム来場などが実現する可能性がある。どちらにせよ、元気と明るさがなければこの難局は乗り切れない。迷わず行けよ、行けばわかるさ−。 (宮崎厚志)
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