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【大リーグ】

黒田、苦手球場で一発に泣いた 7イニング2失点も今季2敗目

2013年5月9日 紙面から

◇ロッキーズ2−0ヤンキース

 悔やんでも悔やみきれない1球だった。0−0で迎えた6回2死一塁。3番ゴンザレスにフルカウントから黒田が投じたのは直球だった。「力勝負でいきたかった。僕の選択ミスだなと思います」。普段は1割程度しか投げないというストレートは、甘く真ん中へ。次の瞬間、打球は右中間スタンドへ消えていった。

 迷いが出た。ゴンザレスはこれまで対戦打率4割と苦戦していた相手。捕手のスチュワートは「四球でもいいと思った」と中腰に構えた。だが、黒田の思いは「(四球で)無駄なランナーをためると、ここの球場ではビッグイニングになってしまう」。バッテリー間の意思が中途半端なまま投げた結果が痛恨弾となり、ベテラン右腕も「気持ちの“決め”をしっかり持って投げられなかった」と悔やむ。

 4月3日の今季初登板以来、6試合ぶりの黒星。ただ、決して恥ずべき内容ではない。標高1600メートルと高く、空気抵抗が少ないため打球がよく飛ぶと言われるクアーズフィールド。黒田にとっても過去4度の先発で1勝2敗、防御率6・85と“鬼門”だったが、この日は5回まで散発の2安打と1四球のみ。時折、雷が鳴り、激しい雨にも見舞われたが「マウンドに上がれば相手も一緒」と制球を乱さず丁寧にコーナーへと投げ続けた。

 「黒田は一度だけミスした。それが致命傷になってしまった」。ジラルディ監督も険しい顔で振り返る1球。だが、敗れたとはいえ、5試合連続のクオリティースタートは果たし、苦手球場での防御率も5・83まで改善した。「打線が点を取ってくれる日もあるし、今日のような日もある。僕にできることは気持ちを切らさずに投げることだけ」。打線の援護なく黒星スタートとなった5月。だが、やることは今後も変わらない。鬼門だろうとどこだろうと、ベテラン右腕は黙々と試合をつくり続ける。

 

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