宮崎(中央)は、井岡弘樹会長(右)、井岡一法トレーナーに抱えられて会心の笑顔(撮影・森本幸一)【拡大】
涼しい顔で、高々と両手を突き上げた。宮崎がTKOで初防衛に成功。「オレ、カッコイイですか~?」。リング上から観客にマイクで呼びかけた1メートル55・5の小柄な体が、大きく見えた。
「ベルトを取るより難しいと言われる初防衛の方が、簡単でしたね」
そう豪語するのも当然のような快勝だった。5回、右ストレートの後に放った左フックがカウンターとなって相手の顔面に命中。レフェリーはカウントせずに試合を止めた。「『立ってこい』という気持ちだった。まだ早いんちゃうかなと」。歯切れのいいコメントが次々と飛び出した。
試合後に発表された4回までの採点は、ジャッジ3人とも38-38のイーブン。2回にはクリーンヒットをもらい左まぶたをカットしたが、冷静にチャンスをうかがった。
最大63キロの体重をリミットの47・61キロまで落とす減量は壮絶だった。試合1週間前までほぼ絶食状態。目がかすみ、左目の焦点が定まらず、水分不足からか涙が十分に出ない。普段の会話ですら「話すのがしんどい」と苦痛の表情を浮かべた。